前払費用・未払費用とは?日商簿記3級試験対策でわかりやすく解説
前払費用・未払費用とは何か
前払費用(まえばらいひよう)と未払費用(みばらいひよう)は、「費用の繰延べ・見越し」という決算整理の経過勘定科目です。「前払費用 とは」「未払費用 とは」と検索されるほど、簿記3級 試験の決算整理で必出の4つの経過勘定(前払費用・未払費用・前受収益・未収収益)の中核をなします。
費用と収益を正確な期間に帰属させるために行う調整処理で、「当期に払ったが来期分の費用」は資産(前払費用)に、「当期に発生したがまだ払っていない費用」は負債(未払費用)に計上します。
前払費用の仕組みと計算
前払費用(費用の繰延べ):当期に払った費用のうち、次期以降に属する部分を資産として繰り延べます。
例:10月1日に向こう1年分の保険料12,000円を現金で支払った(決算日:3月31日)
① 支払時(10月1日):
借方:保険料 12,000円 / 貸方:現金 12,000円
② 決算整理(3月31日):
当期分(10月〜3月):12,000 × 6/12 = 6,000円
次期分(4月〜9月):12,000 × 6/12 = 6,000円 ← 前払費用に振替
借方:前払費用 6,000円 / 貸方:保険料 6,000円
→ PLの保険料:6,000円(当期分のみ計上)
→ BSの前払費用:6,000円(資産)
翌期首の再振替仕訳(自動処理):
借方:保険料 6,000円 / 貸方:前払費用 6,000円
未払費用の仕組みと計算
未払費用(費用の見越し):当期に発生しているが、決算日時点でまだ支払っていない費用を負債として計上します。
例:借入金1,000,000円・年利3%・毎年6月末に利息を払う(決算日:3月31日)
期末に未払の4ヶ月分(12月〜3月)を計上:
1,000,000 × 3% × 4/12 = 10,000円
決算整理(3月31日):
借方:支払利息 10,000円 / 貸方:未払費用 10,000円
→ PLの支払利息:10,000円追加(当期分を正確に計上)
→ BSの未払費用:10,000円(負債)
翌期首の再振替仕訳:
借方:未払費用 10,000円 / 貸方:支払利息 10,000円
試験のキモ
簿記3級 過去問では、以下の4パターンが決算整理問題に必ず含まれます。
| 科目 | 属性 | 内容 | 決算整理仕訳 |
|---|---|---|---|
| 前払費用 | 資産 | 払いすぎ(来期分) | 借:前払費用 / 貸:費用科目 |
| 未払費用 | 負債 | 払い足りない(未払い分) | 借:費用科目 / 貸:未払費用 |
| 前受収益 | 負債 | 受け取りすぎ(来期分) | 借:収益科目 / 貸:前受収益 |
| 未収収益 | 資産 | 受け取り足りない(未収分) | 借:未収収益 / 貸:収益科目 |
- 月数計算の正確さ:期首から決算日までの月数、残月数を正確に計算する
- 再振替仕訳:翌期首に逆仕訳で元に戻す処理(問題文で指示される場合あり)
- BSへの計上区分:前払費用・未収収益は流動資産、前受収益・未払費用は流動負債
混同しやすい用語
- 前払費用 vs 前払金:前払費用は経過勘定(期間費用の前払い、例:保険料・地代)、前払金は商品の手付金(物の取引の前払い)
- 未払費用 vs 未払金:未払費用は継続的な役務提供の未払い(利息・家賃等)、未払金は単発の取引の未払い(固定資産購入等)
- 前払費用(資産)vs 未払費用(負債):前払いは「払いすぎた分が返ってくる権利」なので資産、未払いは「払わなければならない義務」なので負債
試験対策・関連リンク
簿記3級 独学では「前払=資産(払いすぎ)・未払=負債(払い足りない)」という属性を先に覚え、その後に仕訳パターンを習得する順序が理解しやすいです。簿記3級 決算整理 暗記のコツとして、4つの経過勘定(前払費用・未払費用・前受収益・未収収益)を一覧表にして、属性(資産or負債)と仕訳の方向をセットで覚えましょう。月割計算は「問題文の期間を正確に読み取り、当期分と次期分を区別する」習慣が得点につながります。
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