宅建試験対策
請負・委任・寄託の違いと宅建試験での出題ポイント
3つの契約の概要
| 契約 | 内容 | 報酬 |
|---|---|---|
| 請負 | 仕事の完成を約束し、相手方が報酬を支払う | 原則、仕事完成が先払いの条件 |
| 委任 | 法律行為(契約等)を委託する | 特約がない限り無償 |
| 準委任 | 法律行為以外の事務を委託する(医師・会計等) | 委任と同じルール |
| 寄託 | 物の保管を委託する | 有償・無償どちらもあり |
請負の重要ポイント
契約不適合責任(請負の場合)
請負人が完成させた仕事が契約の内容に適合しない場合、注文者は修補請求・代金減額・解除・損害賠償を請求できます(売買と同様のルール)。
注文者の解除権
- 仕事が完成する前であれば、いつでも損害を賠償して解除できる
- 仕事が完成した後は原則として解除できない
報酬の支払い時期
- 原則:仕事の目的物の引渡しと同時(引渡しが先)
- 引渡しを要しない場合:仕事完成後
✅ 建築請負の解除
マンションの建築工事中に注文者が「やっぱりやめたい」と思えば解除可能(完成前)。ただし損害賠償を支払う必要がある。
マンションの建築工事中に注文者が「やっぱりやめたい」と思えば解除可能(完成前)。ただし損害賠償を支払う必要がある。
委任の重要ポイント
委任の特徴
- 委任はいつでも解除できる(やむを得ない事由がなくても)
- ただし相手方に不利な時期に解除した場合や一方の利益のためのみに解除した場合は損害賠償が必要
- 受任者は善管注意義務を負う(委任者の利益のために誠実に処理する義務)
委任の終了事由
- 委任者・受任者のいずれかの死亡・破産・後見開始
- 受任者の後見開始(委任者の後見開始は含む)
⚠ 委任と代理の関係
委任=委託の契約関係。代理=委任に基づいて与えられる権限(代理権)。委任なしに代理権が与えられることもある(法定代理)。
委任=委託の契約関係。代理=委任に基づいて与えられる権限(代理権)。委任なしに代理権が与えられることもある(法定代理)。
宅建業での関連
宅建業者と依頼者の関係は実質的に委任(準委任)関係です。
- 宅建業者は依頼者に対して善管注意義務を負う
- 媒介契約は委任(準委任)の性質を持つ
- 37条書面(売買契約書)の作成・交付も宅建業者の義務
🎯 不動産取引の契約形態まとめ
| 形態 | 宅建業者の立場 | 宅建業法規制 |
|---|---|---|
| 売主 | 自己物件を直接販売 | 8種制限が適用(最も厳しい) |
| 代理 | 当事者の一方から委任を受けて代わりに契約 | 媒介と同様の義務 |
| 媒介(仲介) | 売主と買主の間に立って取引をあっせん | 重説・37条書面の交付義務 |
宅建業者が買主の場合は宅建業法の8種制限は適用されません(同じ宅建業者同士の取引)。しかし宅建業者が売主で、買主が一般消費者の場合は8種制限が全面適用されます。
💡 宅建業者が自ら売主となる場合、手付額は代金の20%以内・損害賠償予定額は代金の20%以内等の制限があります。
📝 双方代理と利益相反
宅建業者が売主・買主の双方から媒介を受ける場合(双方媒介)は可能ですが、双方から受け取れる報酬の合計は一方代理の上限と同額です。代理では双方代理(売主・買主双方の代理人になること)は原則禁止ですが、宅建業では双方媒介として実務上広く行われています。なお利益相反の問題を避けるため、双方から媒介を受ける場合は各当事者に対して公正な立場で業務を行う義務があります。
📝 宅建業法の適用範囲の整理
宅建業法の保護規定(特に8種制限)の適用関係を整理します。①宅建業者が売主・一般人が買主:8種制限全面適用(最も強い保護)②宅建業者が媒介・双方が一般人:重説・37条書面義務は適用、8種制限は非適用③双方が宅建業者:重説・37条書面義務は適用(書面の交付のみで説明省略可)、8種制限は非適用④一般人が売主・宅建業者が媒介:重説義務あり(特に買主に対して)、8種制限は非適用。この適用関係の違いは試験で頻繁に問われます。