宅建試験対策
債務不履行と契約解除|宅建民法対策
債務不履行の3種類
債権者が定めた期限や内容どおりに債務が履行されない状態を債務不履行といいます。
| 種類 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 履行遅滞 | 履行可能なのに期限に遅れた | 代金の支払いが遅れた |
| 履行不能 | 債務の履行が不可能になった | 売却予定の建物が焼失した |
| 不完全履行 | 履行はしたが内容が不完全 | 欠陥品が納品された |
損害賠償請求
債務不履行により損害を受けた債権者は、債務者に対して損害賠償を請求できます。
要件
- 債務不履行があること
- 損害が発生したこと
- 債務不履行と損害の間に因果関係があること
- 債務者の帰責事由(故意・過失)があること
損害賠償の範囲
- 通常損害:通常生ずべき損害(全額賠償が原則)
- 特別損害:当事者が予見していた・予見できた損害のみ賠償対象
✅ 過失相殺
債権者(被害者)にも過失がある場合、裁判所はその過失を考慮して賠償額を減額できる(過失相殺)。
債権者(被害者)にも過失がある場合、裁判所はその過失を考慮して賠償額を減額できる(過失相殺)。
契約解除
債務不履行があった場合、債権者は契約を解除できます。
解除の要件(改正民法)
- 催告解除:相当期間を定めて催告し、期間内に履行がない場合に解除できる
- 無催告解除:履行不能・明らかに履行しない意思表示・定期行為の遅滞など
解除の効果
- 各当事者が原状回復義務を負う(受け取ったものを返す)
- 解除後も損害賠償請求は可能(解除と損害賠償は並立する)
⚠ 改正後の変更点
改正民法(2020年〜)では債権者に帰責事由があっても解除できるようになった(ただし損害賠償請求は不可)。旧法と混同しないよう注意。
改正民法(2020年〜)では債権者に帰責事由があっても解除できるようになった(ただし損害賠償請求は不可)。旧法と混同しないよう注意。
金銭債務の特則
金銭の支払い義務(代金・借賃など)については特別なルールがあります。
- 履行不能は観念できない(金銭はいつでも調達できるという前提)
- 帰責事由を問わず、遅延損害金が発生する
- 損害の証明が不要(法定利率または約定利率で計算)
- 法定利率:年3%(3年ごとに見直し)
🎯 債務不履行・解除まとめ
| 類型 | 内容 | 帰責事由 |
|---|---|---|
| 履行遅滞 | 履行期に履行しない | 必要(債務者に帰責事由不要説もあり) |
| 履行不能 | 履行が不可能になった | 帰責事由不要→危険負担の問題に |
| 不完全履行 | 不完全な履行をした | 帰責事由必要(追完可能なら追完請求) |
損害賠償の範囲:通常生じる損害+予見可能な特別損害。損害賠償は金銭賠償が原則です。過失相殺により債務者の損害賠償額が減額される場合があります。
💡 契約解除には①相当の期間を定めた催告②催告後も履行されないことが原則として必要です。ただし履行不能・履行拒絶・付随義務違反等では催告不要の解除が認められます。
📝 危険負担と解除の効果
売買契約後に目的物が滅失した場合の処理(危険負担)は重要です。2020年改正後:引渡し前に売主の帰責事由なく目的物が滅失した場合、買主は代金支払い義務を免れる(債権者主義から債務者主義に変更)。解除の効果は遡及消滅(初めから契約がなかったことになる)。既に履行した部分は原状回復義務が生じます。第三者が介入している場合の解除の対抗関係も頻出です。
📝 事情変更の原則と契約の解釈
事情変更の原則は契約締結後に当事者の予見できない事情の変更が生じた場合、契約の変更・解除を認める原則です(判例・学説上の原則で、明文規定は限定的)。契約の解釈は当事者の真意を探ることが目的です。契約書の文言と異なる真意が立証された場合は真意が優先されます。契約の附合(付随的合意):明示的に定められていない事項について合理的に推測される当事者の意思を補完します。天災等不可抗力による債務不履行は帰責事由がないため損害賠償責任を負いませんが、契約解除の問題(危険負担)とは別に判断されます。