宅建試験対策
担保物権(留置権・先取特権・質権・抵当権)の比較|宅建民法対策
担保物権の4種類
| 種類 | 性質 | 占有 | 登記 |
|---|---|---|---|
| 留置権 | 法定担保物権 | 必要(占有継続が要件) | 不可 |
| 先取特権 | 法定担保物権 | 不要 | 一部可能 |
| 質権 | 約定担保物権 | 必要(占有移転) | 動産は引渡し・不動産は登記 |
| 抵当権 | 約定担保物権 | 不要 | 必要(登記が対抗要件) |
留置権
他人の物の占有者が、その物に関して生じた債権を有する場合に、債権の弁済を受けるまで物を留置できる権利です。
成立要件
- 他人の物を占有していること
- 留置している物に関して生じた債権を有すること
- 債権が弁済期にあること
- 占有が不法行為によって始まったものでないこと
✅ 典型例
修理した時計を代金の支払いを受けるまで返さない権利。修理代と時計が「牽連性(けんれんせい)」を持つため留置権が成立する。
修理した時計を代金の支払いを受けるまで返さない権利。修理代と時計が「牽連性(けんれんせい)」を持つため留置権が成立する。
先取特権
法律の規定によって当然に生じる担保物権です。一般先取特権・動産先取特権・不動産先取特権の3種類があります。
不動産の先取特権(宅建で重要)
- 不動産保存の先取特権:不動産の保存費用の債権者(登記が効力発生要件)
- 不動産工事の先取特権:工事代金債権者(工事開始前に登記が必要)
- 不動産売買の先取特権:不動産売主の代金債権(売買同時に登記が必要)
担保物権の優先順位
複数の担保物権が競合する場合の優先順位は以下が原則です。
- 先順位の担保物権が優先(登記の先後で決まることが多い)
- 留置権は特別扱い(優先弁済権はないが、物の返還を拒める)
- 先取特権は一般先取特権<動産先取特権<不動産先取特権(相互の関係は複雑)
⚠ 抵当権と留置権の関係
抵当権者が競売を申立てた場合でも、留置権者は留置権を主張して競落人に代金の支払いを要求できる。留置権は抵当権より強い場面がある。
抵当権者が競売を申立てた場合でも、留置権者は留置権を主張して競落人に代金の支払いを要求できる。留置権は抵当権より強い場面がある。
🎯 担保物権の比較まとめ
| 担保物権 | 占有移転 | 目的物 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 抵当権 | 不要 | 不動産・地上権等 | 最も重要・法定地上権 |
| 質権 | 必要 | 動産・不動産・権利 | 占有が担保の要 |
| 留置権 | 継続占有 | 動産・不動産 | 法定担保物権・被担保債権との牽連性 |
| 先取特権 | 不要 | 一般・動産・不動産 | 法定担保物権 |
留置権は被担保債権と目的物の間に牽連性(関連性)がなければ成立しません。例えば建物に関する工事代金が未払いの場合は建物に留置権を行使できます。抵当権・留置権・先取特権・質権の優先順位は事案ごとに複雑になります。
💡 法定担保物権(留置権・先取特権)は当事者の合意なく法律上当然に生じます。約定担保物権(抵当権・質権)は当事者の合意により設定されます。
📝 根抵当権のポイント
根抵当権は一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度で担保する担保物権です。元本確定前は債権の範囲・債務者を変更できます。元本確定後は通常の抵当権と同様になります。元本確定事由は①確定請求(設定後3年経過後)②第三者申立の競売手続開始③根抵当権者・債務者の破産等です。
📝 抵当権と賃借権の優先関係
抵当権と賃借権の優先関係は設定の前後(登記の先後)で決まります。抵当権設定後に登記された賃借権は抵当権者・競落人に対抗できません(原則)。しかし短期賃貸借の保護制度(廃止済)に代わり、現行法では差押え前の賃借権は一定の保護を受けます。競売における建物賃借権:差押え登記前に対抗力(引渡し)を備えた賃借権は競落人に対抗できます。抵当権者の同意がある賃借権は抵当権者の設定前後を問わず対抗力が生じます(民法387条)。