宅建試験対策
相殺の要件・禁止される場合・充当方法|宅建民法対策
相殺とは
相殺とは、対立する債権・債務を対当額において消滅させる意思表示です。例:AはBに対して100万円の売掛金があり、BはAに対して80万円の貸金がある場合、AはBへの80万円分の支払いを免れるために相殺できる。
用語の整理
- 自働債権:相殺する側(相殺を主張する者)の有する債権
- 受働債権:相殺される側の有する債権
相殺の要件
- 当事者双方が互いに同種の目的を持つ債務を負うこと
- 自働債権が弁済期にあること(受働債権の弁済期が未到来でも相殺可)
- 債務の性質が相殺を許さないものでないこと
✅ 弁済期のポイント
自働債権は弁済期が来ている必要がある。受働債権は弁済期が来ていなくてもよい(期限の利益を相手に強制放棄させるのはNG)。
自働債権は弁済期が来ている必要がある。受働債権は弁済期が来ていなくてもよい(期限の利益を相手に強制放棄させるのはNG)。
相殺できない場合
- 不法行為を原因とする損害賠償債務(悪意による不法行為・人の生命・身体侵害)を受働債権とした相殺は禁止
- 差押禁止債権(給料の一定部分、扶養料等)を受働債権とした相殺は禁止
- 当事者が特約で相殺を禁止している場合(ただし善意の第三者には対抗できない)
⚠ 悪意と過失で扱いが違う
「悪意による不法行為」による損害賠償は相殺禁止。しかし「過失による不法行為」による損害賠償は相殺可能。
「悪意による不法行為」による損害賠償は相殺禁止。しかし「過失による不法行為」による損害賠償は相殺可能。
相殺の効果と充当
相殺の効果
相殺の意思表示をすると、双方の債務が対当額で消滅します。相殺適状(相殺できる状態)になった時点にさかのぼって効力が生じます。
充当の順序
複数の債務があるときに弁済をした場合、どの債務に充てるかという問題が生じます。
- 弁済者が指定できる(合意による指定)
- 指定がない場合:①費用 → ②利息 → ③元本の順で充当
- 複数の元本がある場合は弁済期の早いものから順に充当