日商簿記3級 学習ページ|簿記の基本原理

証ひょうと伝票

請求書や領収書などの証ひょうを読み取って仕訳する方法と、入金・出金・振替の3つの伝票、伝票を集計する仕訳日計表を学びます。証ひょうでは、本体価格・消費税・支払方法を順に確かめます。

証ひょうを読み取る

証ひょうは、請求書、領収書、納品書など、取引が行われたことを示す書類です。問題では書類の名称だけで判断せず、取引先、品名、金額、支払条件を順に確認します。

税抜方式で記帳している会社が商品を掛けで販売した請求書なら、代金をまだ受け取っていないため売掛金を計上します。書類に書かれた支払方法から相手勘定を決めることが基本です。

借方科目金額貸方科目金額
売掛金88,000売上80,000
仮受消費税8,000

書類の種類より取引内容と支払方法を見る

税込額を分けて記帳

税抜方式では、商品の本体価格と消費税を分けて記帳します。売上に伴って預かった消費税は仮受消費税、仕入れや資産購入で支払った消費税は仮払消費税で処理します。

税率10%で本体価格が120,000円なら消費税は12,000円、税込額は132,000円です。売上や備品の金額を税込額にしないようにします。

借方科目金額貸方科目金額
普通預金132,000売上120,000
仮受消費税12,000

税抜方式では本体価格と消費税を分ける

固定資産の請求書

業務で長く使用する固定資産を取得した場合は、問題文の条件に従って建物、備品、車両運搬具などで処理します。商品仕入れと固定資産購入を区別することが大切です。

代金を普通預金から直ちに支払ったなら貸方は普通預金です。税抜方式では本体価格を固定資産、消費税を仮払消費税に分けます。

借方科目金額貸方科目金額
備品180,000普通預金198,000
仮払消費税18,000

購入物の用途と支払方法を別々に判断する

従業員の立替払い

会社の費用を従業員が自分のお金で支払った場合、会社には従業員へ返す義務が生じます。交通費であれば借方に旅費交通費を計上し、未精算の金額は未払金で処理できます。

後日、会社が従業員へ支払ったときは未払金を減らします。会社の現金をその場で支出した取引ではないため、証ひょうだけを見て現金を減らさないようにします。

借方科目金額貸方科目金額
旅費交通費7,400未払金7,400

従業員の立替分は会社の未払いとして考える

三つの伝票を使い分ける

入金伝票は現金を受け取った取引、出金伝票は現金を支払った取引に使います。現金の増減を伴わない取引は振替伝票に記入します。

一つの取引で現金と掛けが混在する場合には、取引を分けて伝票へ記入する方法があります。入金伝票と出金伝票は現金勘定の増減を前提とする点を押さえます。

借方科目金額貸方科目金額
現金30,000売上100,000
売掛金70,000

現金の増減で入金・出金・振替を選ぶ

伝票を仕訳日計表へ

伝票は一定期間ごとに集計し、仕訳日計表へまとめることができます。同じ勘定科目の借方額や貸方額を集計することで、転記する件数をまとめられます。

仕訳日計表から総勘定元帳へ転記するときも、借方合計と貸方合計が一致しているかを確認します。集計しても個々の取引の借方合計と貸方合計の一致は変わらないと考えます。

伝票を科目ごとに集計して元帳へ転記する

本番の形で解いてみる

仕訳の問題(本番の第1問と同じ答え方: 勘定科目を選んで金額を入力)

次の請求書は、商品を得意先へ掛けで販売したときに発行したものである。当社は消費税を税抜方式で記帳している。請求書の内容は、商品代金96,000円、消費税9,600円、請求合計105,600円、支払条件は翌月末払いである。この取引を仕訳しなさい。勘定科目は、次の中から最も適当なものを選ぶこと。

勘定科目: 現金・売掛金・前受金・売上・仕入・仮払消費税・仮受消費税

答えと解説を見る

正しい仕訳

借方科目金額貸方科目金額
売掛金105,600売上96,000
仮受消費税9,600

翌月払いなので代金は売掛金とします。税抜方式のため売上96,000円と仮受消費税9,600円に分けます。

まちがえやすい点: 税込額105,600円をすべて売上にしない。

仕訳の問題(本番の第1問と同じ答え方: 勘定科目を選んで金額を入力)

営業担当者が出張先から戻り、会社業務のために自分で支払った鉄道料金6,800円の領収書を提出した。会社はまだ担当者へ精算していない。この取引を仕訳しなさい。勘定科目は、次の中から最も適当なものを選ぶこと。

勘定科目: 現金・未払金・仮払金・立替金・旅費交通費・通信費・給料

答えと解説を見る

正しい仕訳

借方科目金額貸方科目金額
旅費交通費6,800未払金6,800

会社の旅費交通費は発生していますが、従業員への精算はまだです。そのため貸方を未払金とします。

まちがえやすい点: 会社自身が現金を支払ったわけではないため現金を減らさない。

表の問題(本番の第2問・第3問と同じ答え方: 表の空欄に入力)

次の伝票を当日分として集計し、仕訳日計表を完成させなさい。伝票1は入金伝票で、売掛金の回収50,000円。伝票2は出金伝票で、支払家賃30,000円。伝票3は振替伝票で、商品80,000円を掛けで仕入れたものである。

当日の伝票
伝票借方金額貸方金額
入金伝票現金50,000売掛金50,000
出金伝票支払家賃30,000現金30,000
振替伝票仕入80,000買掛金80,000
仕訳日計表
勘定科目借方貸方
現金(ア)30,000
売掛金(イ)
仕入(ウ)
買掛金(エ)
支払家賃(オ)
合計160,000160,000
答えと解説を見る

正解: ア 50,000 イ 50,000 ウ 80,000 エ 80,000 オ 30,000

仕訳日計表
勘定科目借方貸方
現金50,00030,000
売掛金50,000
仕入80,000
買掛金80,000
支払家賃30,000
合計160,000160,000

各伝票を勘定科目ごとに借方と貸方へ集計します。借方合計と貸方合計はいずれも160,000円です。

まちがえやすい点: 入金伝票の相手科目だけを集計し、現金を落とさないようにする。

知識の問題(このページのために作った問題・四肢択一)

現金の増減を伴わない掛け仕入れを記入する伝票として最も適切なものはどれか。

  1. 入金伝票
  2. 出金伝票
  3. 振替伝票
  4. 領収書
答えと解説を見る

正解: 振替伝票

掛け仕入れは現金の受取りも支払いも伴わないため、振替伝票を使います。

まちがえやすい点: 買掛金が後日現金で支払われることと、仕入時の伝票を混同しない。

この内容を問題で確かめる

読んだところを、仕訳の入力・表の穴埋め・4択の10問セットで思い出してみましょう。

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簿記3級の勉強の順番(どこから読むか) →

このページの内容は、日本商工会議所「商工会議所簿記検定試験 出題区分表」(2022年度適用・2026年度も適用)の3級の範囲にもとづきます(2026年10月確認)。2027年度から出題区分表と配点が変わります。