第二種電気工事士 学習ページ

配電方式と電圧降下

配電方式(電気を送る電線の本数と電圧の組合せ方)の計算は毎回1〜2問出ます。単相2線式は2Ir、単相3線式(平衡)はIr、三相3線式(3本の電線で三相の電気を送る方式)は√3Irの違いと、単相3線式の中性線の電流と断線を例題で押さえるのがこのページの芯です。

単相2線式の電圧降下と電力損失

単相2線式は、電流が行きと帰りの2本の電線を流れます。1線分の抵抗をr[Ω]、負荷電流をI[A]とすると、往復の抵抗は2rです。

電圧降下(電線の抵抗のために、送り先で電圧が下がること) e=2Ir[V]

電力損失(電線の抵抗で熱になって失われる電力) P=2I2r[W]

例題:負荷電流12A、1線のこう長20m(こう長=電線を張る道のりの長さ)、電線の抵抗が1km当たり4.0Ωのとき、1線分r=4.0×20/1000=0.08Ω。したがってe=2×12×0.08=1.92V、P=2×122×0.08=23.04Wです。

1線分の抵抗をそのまま使うときは、電圧降下も損失も2倍するのが決め手です。

単相2線式:1線抵抗rなら、電圧降下は2Ir、電力損失は2I2r

単相3線式の平衡負荷と電圧降下

単相3線式では、外線2本と中性線1本を使い、両側の100V負荷が同じなら平衡負荷です。両側の電流は中性線で逆向きになるため、同じ大きさなら中性線電流は0Aになります。1線分の抵抗をr[Ω]、各側の電流をI[A]とすると、各100V側の電圧降下は外線1本分だけです。

各側の電圧降下 e=Ir[V]

外線間の電圧降下=2Ir[V]

例題:各側8A、各線r=0.25Ωなら、各側は8×0.25=2.0V降下し、外線間では4.0V降下します。電源側が各105Vなら、負荷側は各103Vです。

平衡した単相3線式は中性線電流0A。各100V側の電圧降下はIr

単相2線式と単相3線式の電力損失をくらべる

同じ100Vの負荷を送るとき、単相3線式(平衡)は外線1本に負荷片側分の電流しか流れず、中性線は0Aです。単相2線式は全部の負荷の電流が2本の電線を流れます。

例題:100V・10Aの負荷2台を、1線の抵抗0.1Ωの電線で送る。単相2線式は電流20Aなので損失は2×202×0.1=80W。単相3線式(各側に1台・平衡)は外線10A・中性線0Aなので2×102×0.1=20W。

損失は単相3線式のほうが小さく、この例では1/4です。損失は電流の2乗に比例するので、電流が半分になると損失は1/4になります。

同じ負荷なら単相3線式(平衡)の電線の損失は単相2線式より小さい。電流が半分なら損失は1/4

単相3線式の電力損失と不平衡電流

単相3線式で両側が平衡していると、中性線電流は0Aなので、中性線での電力損失も0Wです。1線分の抵抗をr[Ω]、各側の電流をI[A]とすると、2本の外線の損失を合計します。

平衡時の電力損失 P=2I2r[W]

例題:各側10A、1線分r=0.15Ωなら、P=2×102×0.15=30Wです。

負荷が不平衡で、両側電流をI1、I2とすると、中性線電流の大きさは抵抗負荷ではI1とI2の差(大きいほうから小さいほうを引く)になります。たとえば12Aと7Aなら中性線は5Aです。平衡なら足し算ではなく相殺して0Aと判断します。

平衡時の損失は2I2r。不平衡時の中性線電流は両側の電流の差

不平衡のときの負荷の電圧

両側の電流がちがうと、中性線にも電流が流れ、中性線でも電圧が下がります。各電線の電圧降下を電流×抵抗で出し、向きに気をつけて足し引きします。

例題:電源は各105V、上側の負荷20A、下側の負荷10A、各電線の抵抗0.1Ω。中性線は20-10=10A。上側の負荷の電圧は105-20×0.1-10×0.1=102V。下側は105-10×0.1+10×0.1=105Vです。

電流の大きい側の負荷は電圧が下がり、小さい側は中性線の分だけ持ち上がります。

平衡にすると中性線の電圧降下が消えます。例:上側だけ20Aのときの上側の電圧は105-20×0.1-20×0.1=101V。下側にも20Aをつなぐと中性線0Aになり、105-20×0.1=103Vに上がります。

不平衡では中性線電流×抵抗の分も考える。電流の大きい側は電圧が下がり、平衡にすると上がる

単相3線式で中性線が断線したとき

単相3線式で中性線が断線すると、2つの100V負荷は中性点で固定されなくなり、外線間電圧に対して直列につながった状態になります。抵抗が異なると電圧は等分されません。電線の抵抗を無視できるときは、次の式で求めます(電線の抵抗が示されたら、それも直列の抵抗に入れます)。

V1=E×R1/(R1+R2)、V2=E×R2/(R1+R2)

例題:外線間210V、R1=30Ω、R2=70Ωなら、V1=210×30/100=63V、V2=210×70/100=147Vです。

抵抗が大きい側ほど電圧が高くなるため、一方は100Vより低く、もう一方は100Vを大きく超えることがあります。中性線断線は、両方の負荷が0Vになるわけではないと覚えます。

負荷が消費電力で示されたら、先に抵抗に直します。

R=V2÷P

例題:100V・100Wと100V・400Wの負荷で中性線が切れ、外線間200V。抵抗は100Ωと25Ωなので、100Ωの側は200×100÷125=160V、25Ωの側は40Vです。消費電力の小さい(抵抗の大きい)負荷ほど高い電圧になります。

中性線断線後は2負荷が直列。抵抗が大きい負荷ほど高い電圧がかかる

三相3線式の電圧降下と電力損失

平衡した三相3線式で、各線の抵抗だけを考える問題では、1線分の抵抗をr[Ω]、線電流をI[A]とすると、線間電圧の電圧降下には√3が付きます。電力損失は3本の電線それぞれのI2rの合計です。

電圧降下 e=√3Ir[V]

電力損失 P=3I2r[W]

例題:I=18A、1線分r=0.15Ωなら、e=1.73×18×0.15=4.671Vで約4.7V、P=3×182×0.15=145.8Wで約146Wです。

単相2線式の「2」と三相3線式の「√3・3」を取り違えないようにします。

三相3線式:電圧降下は√3Ir、電力損失は3I2r

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どこから読むかは第二種電気工事士の勉強の順番(過去の傾向から)にまとめています。このページの数値・基準は、2026年4月1日時点の電気設備技術基準・同解釈・電気工事士法などにもとづきます(2026年10月確認)。