基本情報技術者 学習ページ|科目A・基礎理論
信号処理と制御の基本
計測・制御では、現実の量をセンサーで取り込み、コンピュータで扱える信号に変換して判断します。A/D・D/A変換と、センサー、アクチュエーターを用いた制御の流れを整理します。
信号を変換する
A/D変換は、センサーなどから得たアナログ信号を、コンピュータで扱えるディジタル値へ変換します。反対にD/A変換は、ディジタル値をアナログ信号へ変換します。音や温度のように連続的に変化する量を処理するときは、入力側でA/D変換し、必要に応じて出力側でD/A変換します。フィルタリングは、信号に含まれる成分を選択して通したり弱めたりする処理です。
A/Dはアナログからディジタル、D/Aは逆方向。
標本化とデータ量
A/D変換は、一定時間ごとに信号の値を取り出す標本化、取り出した値を有限個の段階に対応させる量子化、その段階をビット列で表す符号化の順に行います。標本化周波数が1秒当たりの標本数を表すので、1秒分のデータ量は「標本化周波数×1標本当たりのビット数」で求められます。バイト数へ直すときは8で割ります。nビットで区別できる段階数は2のn乗です。ビット数とバイト数を混同しないことが重要です。
データ量は標本数×1標本のビット数で求める。
制御の基本構成
コンピュータ制御では、センサーが光、温度、圧力などの状態を検出し、コンピュータがその情報を基に判断し、アクチュエーターが機械的な動作へ変換します。モーター、油圧シリンダ、空気圧シリンダなどがアクチュエーターの例です。オープンループ制御は、制御結果を検出して修正する流れを持たず、あらかじめ定めた操作を行う方式です。
センサーで検出し、アクチュエーターで動作させる。
応答と安定性
制御では、指示を与えてから対象がどのように変化するかという応答特性を見ます。目標へ近づく速さだけでなく、行き過ぎや振動の有無も評価の対象です。また制御安定性は、外乱や条件の変化があっても、制御量が発散せず望ましい範囲へ保たれる性質です。時間どおりの処理が重要な制御では、決められた時間内の応答を重視するリアルタイムOSが用いられます。
制御は速さだけでなく応答の安定性も見る。
本番の形で解いてみる
科目Aの形: 四肢択一(計算)(このページのために作った問題)
音声を毎秒8,000回標本化し、1標本を12ビットで表す。圧縮を行わないとき、1秒分のデータ量は何バイトか。1バイトは8ビットとする。
- 16000バイト
- 96000バイト
- 12000バイト
- 1000バイト
答えと解説を見る
正解: 12000バイト
1秒間の標本数は8,000個で、1標本は12ビットです。8,000×12=96,000ビットなので、8で割ると12,000バイトです。96,000はビット数のままの値で、12ビットを2バイトに切り上げると16,000バイトになります。
まちがえやすい点: ビット数のまま答えたり、12ビットを2バイトに切り上げたりしない。
科目Aの形: 四肢択一(このページのために作った問題)
信号処理の説明として、最も適切なものはどれか。
- フィルタリングは、ディジタル値を機械的な動作に変換する。
- A/D変換は、ディジタル値をアナログ信号に変換する。
- A/D変換は、アナログ信号をディジタル値に変換する。
- D/A変換は、アナログ信号から標本化周波数を求める。
答えと解説を見る
正解: A/D変換は、アナログ信号をディジタル値に変換する。
A/D変換はアナログ信号をディジタル値へ変換します。ディジタル値からアナログ信号への変換はD/A変換で、フィルタリングは信号成分を選択して通したり弱めたりする処理です。
まちがえやすい点: A/DとD/Aは変換方向を逆に覚えやすい。
科目Aの形: 四肢択一(このページのために作った問題)
室温を測定し、その結果に応じてモーターを動かして窓の開き方を調整する制御を考える。このとき、室温の検出と窓を動かす部分の組合せとして、最も適切なものはどれか。
- 温度センサーとジャイロセンサー
- モーターと温度センサー
- 温度センサーとモーター
- 圧力センサーと温度センサー
答えと解説を見る
正解: 温度センサーとモーター
室温を検出するのは温度センサーで、窓を機械的に動かすのはモーターです。センサーは状態の検出、アクチュエーターは動作への変換を担当します。
まちがえやすい点: センサーとアクチュエーターの役割を逆にしない。
基本情報の学習ページ
ほかの学習ページの一覧と、2択の用語カード(750語)は、基本情報技術者のページにあります。
基本情報技術者のページへ →このページの内容は、IPA「基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2」(2026年1月公表)と試験要綱Ver.5.6の範囲にもとづきます(2026年10月確認)。IPAは2027年度春ごろから新しい試験制度に移る予定です。