基本情報技術者 学習ページ|科目A・システム構成要素
システム構成を選ぶ
情報システムは、処理をどこで行うか、障害にどう備えるか、データをどのように保存するかによって構成が異なります。代表的な処理形態、冗長化、仮想化、信頼性設計、RAIDとネットワークストレージを整理します。
集中処理と分散処理
集中処理では、主要な処理やデータを中央のコンピュータへ集約します。管理を一元化しやすい一方、中央のシステムへ処理が集中することや、障害の影響範囲が大きくなることがあります。
分散処理では、複数のコンピュータへ処理や機能を分散します。クライアントサーバシステムは、サービスを要求するクライアントと、サービスを提供するサーバに役割を分ける代表的な構成です。
クライアントサーバでは要求側と提供側に役割を分担する。
冗長なシステム構成
デュアルシステムは、二つの系で同じ処理を実行し、結果を照合することで高い信頼性を目指す構成です。これに対してデュプレックスシステムは、通常処理を行う主系と、障害時に切り替える待機系を用意します。
クラスタでは複数のコンピュータを連携させ、可用性向上や負荷分散などを図ります。二つの系が常時同一処理をして照合するデュアルと、主系・待機系を持つデュプレックスを区別することが重要です。
デュアルは照合、デュプレックスは主系と待機系が基本。
仮想化とエッジ
仮想化では、一台の物理サーバ上に複数の仮想マシンを動作させるなど、物理資源と論理的な利用環境を分離します。サーバ統合や柔軟な資源配分に利用されます。
VDIでは、デスクトップ環境をサーバ側などで動作させ、利用者端末からネットワーク経由で利用します。エッジコンピューティングは、データが発生する端末や現場に近い場所で処理し、通信遅延や中央側への通信量の削減などを図る考え方です。
エッジではデータ発生源に近い場所で処理する。
障害への備え方
フォールトトレランスは、一部に障害が発生してもシステム全体として必要な機能を維持できるようにする考え方です。フェールソフトは障害時に機能や性能を低下させながら処理を継続し、全面停止を避けます。
フェールセーフは障害時に安全側の状態へ移行する考え方、フールプルーフは誤操作をしても危険な結果や重大な障害につながりにくくする設計です。フェールセーフは障害、フールプルーフは人の誤操作への対策として区別すると整理しやすくなります。
フェールセーフは安全側、フールプルーフは誤操作対策。
RAIDと共有ストレージ
RAID0は複数ディスクへデータを分散するストライピングで性能向上を図りますが、冗長性はありません。RAID1は同じ内容を複数ディスクに記録するミラーリングです。RAID5はデータと分散パリティを複数台に配置し、1台のディスク障害に耐えられます。
NASは通常ファイル単位でネットワーク越しに共有するストレージ、SANはサーバとストレージ間を専用ネットワークなどで接続し、通常ブロック単位で利用する構成です。
RAID方式は性能・容量・耐障害性の違いで整理する。
本番の形で解いてみる
科目Aの形: 四肢択一(このページのために作った問題)
デュアルシステムとデュプレックスシステムについて、最も適切な記述はどれか。
- デュアルシステムでは、二つの系で同じ処理を行い、結果を照合する。
- デュアルシステムでは、主系だけが通常処理を行い、従系は障害時まで常に停止させる。
- デュプレックスシステムでは、二つの系で同じ処理を行い、各処理結果が一致した場合だけ出力する。
- デュプレックスシステムでは、複数の主系が同一処理を実行し、結果を多数決で決定する。
答えと解説を見る
正解: デュアルシステムでは、二つの系で同じ処理を行い、結果を照合する。
デュアルシステムでは二つの系が同じ処理を行い、結果を照合して信頼性を高めます。デュプレックスシステムでは主系と待機系を設け、主系の障害時などに待機系へ切り替えます。
まちがえやすい点: 同時実行して照合するデュアルと、主系・待機系を持つデュプレックスを逆にしない。
科目Aの形: 四肢択一(計算)(このページのために作った問題)
容量2TBの同一仕様のディスク4台でRAID5を構成する。パリティ以外に利用できる実効容量はどれか。ここではRAID管理用の領域などは考えないものとする。
- 4TB
- 6TB
- 8TB
- 10TB
答えと解説を見る
正解: 6TB
RAID5では、全体としてディスク1台分に相当する容量をパリティに使用します。同容量のディスク4台なので、実効容量は(4-1)×2=6TBです。
まちがえやすい点: 4台すべての容量8TBをデータ用に使えるわけではない。
科目Aの形: 四肢択一(このページのために作った問題)
信頼性設計に関する説明として、最も適切なものはどれか。
- フェールセーフは、利用者が誤った操作をできないように入力方法を制限する考え方である。
- フールプルーフは、障害発生時に処理能力を段階的に下げながら運転を続ける考え方である。
- フェールソフトは、障害時に機能や性能を縮小しながら可能な範囲で処理を継続する考え方である。
- フォールトトレランスは、障害原因となり得る部品を高品質化して故障そのものを避けることだけを指す。
答えと解説を見る
正解: フェールソフトは、障害時に機能や性能を縮小しながら可能な範囲で処理を継続する考え方である。
フェールソフトは、一部に障害が生じたとき、機能や性能を低下させながら処理を継続する考え方です。フェールセーフは安全側への移行、フールプルーフは誤操作による問題を防ぐ考え方です。
まちがえやすい点: フェールセーフ、フェールソフト、フールプルーフは対象とする状況が異なる。
基本情報の学習ページ
ほかの学習ページの一覧と、2択の用語カード(750語)は、基本情報技術者のページにあります。
基本情報技術者のページへ →このページの内容は、IPA「基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2」(2026年1月公表)と試験要綱Ver.5.6の範囲にもとづきます(2026年10月確認)。IPAは2027年度春ごろから新しい試験制度に移る予定です。