基本情報技術者 学習ページ|科目A・セキュリティ

情報を守る技術

情報セキュリティでは、何を守るかと、どの脅威にどの技術を対応させるかを整理して覚えることが重要です。ここでは、攻撃手法と暗号・認証の役割を中心に、似た用語を区別します。

CIAを区別する

情報セキュリティの代表的な三つの性質は、機密性、完全性、可用性です。機密性は許可された者だけが情報にアクセスできること、完全性は情報が不正に変更・破壊されていないこと、可用性は必要なときに情報やサービスを利用できることを表します。

暗号化は主に機密性、ハッシュ値やディジタル署名による改ざん検知は完全性、冗長化やバックアップは可用性の確保に関係します。一つの対策が複数の性質に役立つ場合もあるため、目的を見て判断します。

機密性・完全性・可用性は守る対象の性質で区別する。

パスワード攻撃

パスワードを破る手法には、候補を広く試す総当たり攻撃、辞書にある単語などを試す辞書攻撃、漏えいしたIDとパスワードの組を別サービスで試すパスワードリスト攻撃があります。

リバースブルートフォース攻撃は、少数のよく使われるパスワードを固定し、多数の利用者IDに対して試す方法です。攻撃の違いは何を固定し何を変えるかで見分けると整理しやすくなります。

何を候補にし、どの組を試すかで4つの攻撃を見分ける。

標的型とボット

標的型攻撃は、特定の組織や人物を狙い、業務連絡を装ったメールなどを入口にして侵入する攻撃です。添付ファイルやリンクからマルウェアを実行させ、内部へ侵入を広げる場合があります。

ボットに感染した端末は、攻撃者の指令で外部から操作されることがあります。多数の感染端末をまとめたボットネットでは、C&Cサーバなどから指令を送り、DDoS攻撃や迷惑メール送信などに利用します。

標的型は狙いを定め、ボットは感染端末を遠隔操作する。

暗号方式を選ぶ

共通鍵暗号方式では、暗号化と復号に同じ共通鍵を使います。処理が比較的高速ですが、通信相手ごとに鍵を安全に共有する必要があります。公開鍵暗号方式では、対になる公開鍵と秘密鍵を使います。秘密にしたいデータを送るときは、受信者の公開鍵で暗号化し、受信者が自分の秘密鍵で復号します。

実際の通信では、公開鍵暗号方式で共通鍵を安全に受け渡し、その後の大量データを共通鍵暗号方式で暗号化するハイブリッド暗号が用いられます。

大量データは共通鍵、鍵配送には公開鍵を組み合わせられる。

署名とMAC

ディジタル署名では、送信者が自分の秘密鍵で署名を生成し、受信者は送信者の公開鍵で検証します。これにより、署名対象の改ざん検知と、署名者の確認に利用できます。ハッシュ関数は任意長のデータから固定長のハッシュ値を求め、元データの変化を検出するために使われます。

メッセージ認証コードは送受信者が共有する秘密鍵を用いて生成・検証し、改ざん検知と送信元の確認に利用します。第三者が署名者を検証できるディジタル署名とは性質が異なる点に注意します。

署名は秘密鍵で生成し公開鍵で検証、MACは共有鍵を使う。

本番の形で解いてみる

科目Aの形: 四肢択一(このページのために作った問題)

漏えいした他サービスの利用者IDとパスワードの組を入手し、その組を別のWebサービスのログインに順次試す攻撃はどれか。

  1. 辞書攻撃
  2. パスワードリスト攻撃
  3. リバースブルートフォース攻撃
  4. 総当たり攻撃
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正解: パスワードリスト攻撃

漏えいしたIDとパスワードの組を別サービスで試すのはパスワードリスト攻撃です。辞書攻撃は単語などを候補にしてパスワードを試し、リバースブルートフォース攻撃は少数のパスワードを多数のIDに対して試します。

まちがえやすい点: 候補を試す攻撃でも、既知のID・パスワードの組を再利用する点が決め手になる。

科目Aの形: 四肢択一(このページのために作った問題)

ディジタル署名の利用方法として、最も適切なものはどれか。

  1. 送信者が受信者の公開鍵で署名を生成し、受信者が自分の秘密鍵で検証する
  2. 送信者が自分の公開鍵で署名を生成し、受信者が送信者の秘密鍵で検証する
  3. 送信者が自分の秘密鍵で署名を生成し、受信者が送信者の公開鍵で検証する
  4. 送信者と受信者が共有する共通鍵で署名を生成し、第三者が同じ鍵で検証する
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正解: 送信者が自分の秘密鍵で署名を生成し、受信者が送信者の公開鍵で検証する

ディジタル署名では、署名者が自分の秘密鍵で署名を生成し、検証者が署名者の公開鍵で検証します。共通鍵を共有して生成・検証する仕組みは、メッセージ認証コードの考え方に近く、ディジタル署名とは異なります。

まちがえやすい点: 暗号化の鍵の使い方と混同せず、署名は秘密鍵で生成し公開鍵で検証すると覚える。

科目Aの形: 四肢択一(表を読む)(このページのために作った問題)

次の処理P〜Rの組合せとして、最も適切なものはどれか。

処理内容
Pデータから固定長の値を求め、改ざん検知に利用する
Q送信者の秘密鍵で生成し、送信者の公開鍵で検証する
R送受信者が共有する秘密鍵を用いて生成・検証する
  1. P=ハッシュ関数、Q=ディジタル署名、R=メッセージ認証コード
  2. P=メッセージ認証コード、Q=ハッシュ関数、R=ディジタル署名
  3. P=ハッシュ関数、Q=メッセージ認証コード、R=ディジタル署名
  4. P=ディジタル署名、Q=ハッシュ関数、R=メッセージ認証コード
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正解: P=ハッシュ関数、Q=ディジタル署名、R=メッセージ認証コード

固定長の値を求めるPはハッシュ関数、秘密鍵で生成して公開鍵で検証するQはディジタル署名です。共有する秘密鍵を使うRはメッセージ認証コードです。

まちがえやすい点: ハッシュ関数単独には秘密鍵がなく、MACとディジタル署名では用いる鍵の関係が異なる。

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このページの内容は、IPA「基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2」(2026年1月公表)と試験要綱Ver.5.6の範囲にもとづきます(2026年10月確認)。IPAは2027年度春ごろから新しい試験制度に移る予定です。