基本情報技術者 学習ページ|科目A・システム開発技術
導入・移行と受入れ
完成したシステムは、計画に沿って導入・移行し、受入れ基準に基づいて確認します。移行方式の特徴、受入れテストと検収、妥当性確認テストの役割を区別します。
導入計画を定める
導入前には、導入要件や移行要件を整理し、作業手順、体制、時期、利用者教育、データ移行、切替え後の支援などを計画します。さらに、性能確認や移行結果など、予定した条件を満たしたかを判断する導入可否判断基準を定めます。基準を事前に明確にしておくと、切替え直前の判断を担当者の感覚だけに頼らずに済みます。導入作業の結果は記録し、問題が生じた場合に経緯を追えるようにします。
導入条件・移行条件・可否基準を事前に明確にする。
移行方式を選ぶ
一斉移行は、ある時点で旧システムから新システムへ全面的に切り替える方式で、移行期間を短くできますが、切替え時の影響が大きくなりやすい方式です。段階移行は、機能や部門などを分けて順次切り替えます。並行運用は、一定期間、旧システムと新システムを同時に動かして結果を比較できる一方、二重運用の負担が生じます。パイロット移行は、一部の拠点や部門で先行導入し、結果を確認してから対象を広げます。
一斉・段階・並行・パイロットの特徴を比較する。
受入れテストと検収
受入れテストでは、取得者側が中心となり、納入されたシステムが合意した受入れ基準を満たすかを確認します。実際の業務シナリオや利用環境を想定した確認を行い、契約や要件との適合を判断します。検収は、納入物が契約で定めた内容や検収基準を満たしているかを確認し、受領の可否を判断する手続です。受入れテストの結果は検収判断の重要な材料になりますが、両者は同じ言葉ではありません。
受入れテストは基準適合を確認し、検収は受領可否を判断する。
妥当性を確認する
妥当性確認テストは、システムが意図した利用目的や利用者のニーズを満たすことを確認するために行います。事前に目的、成功基準、テスト技法、環境条件などを定め、得られた結果と期待結果を比較します。テストで見つかった不具合や問題は記録し、原因分析、是正、再確認まで追跡します。また、どの要求やシステム要素をどのテストで確認したかを追跡できる状態を維持することで、確認漏れを防ぎやすくなります。
妥当性確認は意図した利用目的と利用者ニーズへの適合を見る。
利用者を支援する
システムを導入しても、利用者が新しい操作や業務手順を理解できなければ円滑に利用を始められません。そのため、操作マニュアルや教育訓練資料を準備し、対象者や役割に応じた教育を計画して実施します。運用部門には、監視、障害対応、バックアップなどの運用手順を引き継ぎます。導入直後は問い合わせや操作上の問題が増えることがあるため、連絡窓口や支援体制を明確にし、利用状況を確認しながら必要な支援を行います。
教育・引継ぎ・支援体制まで含めて導入を成立させる。
本番の形で解いてみる
科目Aの形: 四肢択一(このページのために作った問題)
全国20店舗で利用する新システムを導入する。まず2店舗だけを新システムへ切り替え、業務上の問題や移行手順を確認した後、問題を修正して残りの店舗へ順次展開する。この移行方式として、最も適切なものはどれか。
- 一斉移行
- 段階移行
- 並行運用
- パイロット移行
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正解: パイロット移行
一部の店舗を先行導入の対象として結果を確認し、その知見を反映して全体へ広げているのでパイロット移行です。段階移行も順次切替えますが、この事例では代表的な一部で先行検証する点が決め手です。
まちがえやすい点: 単に順番に切り替える段階移行と、限定範囲で先行検証するパイロット移行を区別する。
科目Aの形: 四肢択一(このページのために作った問題)
受入れテストと検収に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 受入れテストでは、取得者側が受入れ基準に基づいて納入されたシステムを確認する
- 検収は、受入れテストを始める前に、供給者が自社の基準で行う最終テストである
- 受入れテストは、供給者が開発の最後に行う結合テストのことである
- 受入れテストでは、供給者側が受入れ基準を作り、その基準で取得者の業務手順を評価する
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正解: 受入れテストでは、取得者側が受入れ基準に基づいて納入されたシステムを確認する
受入れテストは、取得者側が中心となって、納入物が合意した受入れ基準を満たすかを確認します。検収は契約内容や検収基準に照らして納入物を確認し、受領可否を判断する手続です。
まちがえやすい点: 開発側の単体テストと、取得者側の受入れテストを混同しない。
科目Aの形: 四肢択一(このページのために作った問題)
妥当性確認テストの説明として、最も適切なものはどれか。
- システムが意図した利用目的や利用者のニーズを満たすかを、定めた成功基準に基づいて確認する
- 設計仕様書に記載された各機能が実装されているかを、仕様との対応を中心に確認する
- 旧システムと新システムで、移行対象データの件数や合計値が一致するかを確認する
- 契約で定めた受入れ基準に照らして、取得者が納入物の受領可否を判断する
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正解: システムが意図した利用目的や利用者のニーズを満たすかを、定めた成功基準に基づいて確認する
妥当性確認テストは、システムが意図した利用目的や利用者のニーズを満たすことを確認します。目的、成功基準、環境条件などをあらかじめ定め、結果を評価します。
まちがえやすい点: 仕様どおり作られたかだけでなく、意図した用途に適するかを見る点を押さえる。
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