基本情報技術者 学習ページ|科目A・プロジェクトマネジメント

コストを見積もり管理する

プロジェクトのコスト管理では、作業前の見積りと進行中の実績評価を使い分けます。代表的な見積り技法と、EVMによる進捗・コスト評価を確認します。

見積り技法を選ぶ

類推見積りは、過去の類似プロジェクトを基に見積もる方法です。パラメトリック見積りは、規模や件数などの変数と単価・係数の関係を使って算出します。

三点見積りでは、楽観値、最可能値、悲観値など複数の見通しから不確実性を考慮します。ボトムアップ見積りは、細分化した作業ごとのコストや工数を見積もって積み上げる方法で、必要な情報量や手間が技法ごとに異なります。

類推・パラメトリック・三点・積上げの違いを押さえる。

FP法とLOC法

ファンクションポイント法は、外部入力、外部出力、照会、内部論理ファイル、外部インタフェースファイルなど、利用者から見た機能を基にソフトウェア規模を見積もる考え方です。実装言語が決まる前でも扱いやすい特徴があります。

LOC法は、ソースコードの行数を規模の基準にします。言語や記述方法によって同じ機能でも行数が変わるため、異なる言語間で単純に行数だけを比較しないことが大切です。

FPは機能量、LOCはソースコード行数を規模の基準にする。

COCOMOで工数推定

COCOMOは、ソフトウェア規模を基に開発工数や期間などを推定するための経験的なモデルです。規模が大きくなるほど工数がどのように増えるかを数式で表し、モデルの種類に応じて各種要因を反映します。

後継のCOCOMO IIは、現代的な開発形態も考慮したモデルです。COCOMOは機能数そのものを数えるFP法とは異なり、規模とモデル式から工数などを推定する点を区別します。

COCOMOはソフトウェア規模を基に工数などを推定する。

EVMの三つの値

PVは基準日までに予定していた作業の予算価値、EVは基準日までに実際に完了した作業の予算価値、ACは完了した作業に実際にかかったコストです。三つを同じ時点で比べることで、進捗とコストを金額尺度で評価できます。

進捗差異はSV=EV-PV、コスト差異はCV=EV-ACです。SVが正なら予定より進んでおり、CVが正なら予算面で有利と判断します。

PVは予定、EVは出来高、ACは実コスト。

SPIとCPIを読む

SPIはEV÷PVで求める進捗効率の指標です。1より大きければ予定より進み、1より小さければ予定より遅れていると読みます。CPIはEV÷ACで求めるコスト効率の指標です。

CPIが1より大きい場合、使ったコストに対して出来高の予算価値が大きく、コスト面で有利です。SPIとCPIは分子がどちらもEVだが、分母はPVとACで異なるため、式を取り違えないようにします。

SPI=EV/PV、CPI=EV/AC。1を基準に評価する。

本番の形で解いてみる

科目Aの形: 四肢択一(計算)(このページのために作った問題)

ある作業の所要日数について、楽観値を8日、最可能値を11日、悲観値を20日と見積もった。三点見積りで、期待値を(楽観値+4×最可能値+悲観値)÷6で求めるとき、期待日数はどれか。

  1. 11日
  2. 12日
  3. 13日
  4. 14日
答えと解説を見る

正解: 12日

式に代入すると、(8+4×11+20)÷6=72÷6=12日です。最可能値をそのまま期待値とするのではなく、指定された重み付き平均で計算します。

まちがえやすい点: 三つの値の単純平均ではなく、問題文で示された最可能値4倍の式を使う。

科目Aの形: 四肢択一(計算)(このページのために作った問題)

あるプロジェクトの基準日時点で、PVが100万円、EVが120万円、ACが150万円である。CPIはどれか。

  1. 0.67
  2. 0.8
  3. 1.2
  4. 1.5
答えと解説を見る

正解: 0.8

CPIはEV÷ACなので、120÷150=0.8です。1未満なので、使ったコストに対して得られた出来高の予算価値が小さく、コスト効率は不利な状態です。

まちがえやすい点: EV÷PVはSPIであり、CPIの分母はAC。

科目Aの形: 四肢択一(このページのために作った問題)

ソフトウェア規模の見積りに関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. ファンクションポイント法は、利用者から見た機能量を基に規模を見積もる
  2. LOC法は、外部入力・外部出力・照会などの数を基に規模を見積もる
  3. ファンクションポイント法は、ソースコードの行数を基に規模を見積もる
  4. 類推見積りは、作業を細かく分解して各作業の見積りを積み上げる方法である
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正解: ファンクションポイント法は、利用者から見た機能量を基に規模を見積もる

ファンクションポイント法は、外部入力や外部出力など利用者から見た機能を基に規模を見積もります。ソースコードの行数を基にするのはLOC法、作業を分解して積み上げるのはボトムアップ見積りです。

まちがえやすい点: FP法の機能量と、LOC法のコード行数という規模の捉え方を混同しない。

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このページの内容は、IPA「基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2」(2026年1月公表)と試験要綱Ver.5.6の範囲にもとづきます(2026年10月確認)。IPAは2027年度春ごろから新しい試験制度に移る予定です。