基本情報技術者 学習ページ|科目A・サービスマネジメント
サービスを継続して改善
サービスマネジメントでは、顧客の要求を踏まえてサービスを計画し、提供し、改善します。サービスマネジメントシステム、ITIL、SLAと関連指標の役割を区別して確認します。
サービスの考え方
サービスは、顧客が望む成果を得ることを支援するために提供されます。サービスは複数のサービスコンポーネントで構成されることがあり、利用者から見た使いやすさや可用性なども含めてサービス品質を考えます。サービスマネジメントでは、個々の機器だけでなく、顧客へ提供する価値や要求事項を基準にサービス全体を管理します。
機器ではなく、顧客へ提供するサービス全体を見る。
段階で管理する
サービスは、計画立案、設計、移行、提供、改善といった段階で捉えられます。計画では方向性を定め、設計では要求に合う仕組みを考え、移行では変更後のサービスを利用可能な状態へ移します。提供では日常的にサービスを運営し、改善では測定結果や利用状況をもとに見直します。各段階を切り離さず、継続的につなげて考えます。
計画から改善までをつなげて管理する。
管理体系を整える
サービスマネジメントシステムは、サービスマネジメントを組織として運用するための方針、目的、プロセスなどを体系化したものです。サービスの要求事項を明確にし、顧客とサービス提供者の関係を踏まえて、仕組みを確立し、実施し、維持し、継続的に改善します。JIS Q 20000の規格群は、ISO/IEC 20000シリーズに対応するサービスマネジメントの規格群です。
要求事項を基に管理体系を継続的に改善する。
ITILの位置付け
ITILは、ITサービスマネジメントを実践する際に参照される考え方や実践例を体系化したものです。サービスの価値を意識し、提供や改善を組織的に進める際の参考として利用されます。規格への適合を認証する制度そのものではなく、サービスマネジメントの実務を考えるための枠組みとして捉えると、サービスマネジメントシステムやSLAとの役割の違いを整理しやすくなります。
ITILはサービス管理の実践を考える枠組み。
SLAと指標
SLAは、サービス提供者と顧客の間で合意するサービス水準に関する内容です。目標値としてSLO、実際の状態を測る指標としてSLIを用いる考え方があります。対象には、サービス可用性、信頼性、サービス時間、応答時間などがあります。合意した水準と測定結果を比較し、サービスやサービスマネジメントシステムのパフォーマンス改善につなげます。
SLAは合意、SLOは目標、SLIは測定指標。
本番の形で解いてみる
科目Aの形: 四肢択一(表を読む)(このページのために作った問題)
次の用語P〜Rと内容の組合せとして、最も適切なものはどれか。
| 用語 | 内容 |
|---|---|
| P | サービス提供者と顧客の間で合意するサービス水準に関する内容 |
| Q | サービスについて設定する目標値 |
| R | サービスの実際の状態を測るための指標 |
- P=SLA、Q=SLO、R=SLI
- P=SLI、Q=SLA、R=SLO
- P=SLO、Q=SLI、R=SLA
- P=SLA、Q=SLI、R=SLO
答えと解説を見る
正解: P=SLA、Q=SLO、R=SLI
Pはサービス水準に関する合意なのでSLA、Qは目標値なのでSLO、Rは測定に用いる指標なのでSLIです。名称が似ていますが、合意、目標、指標の役割で区別します。
まちがえやすい点: SLOとSLIは、目標として置く値か、実際の状態を測る指標かで区別する。
科目Aの形: 四肢択一(このページのために作った問題)
サービスマネジメントシステムについて、最も適切な記述はどれか。
- サービスの要求事項を踏まえ、方針やプロセスを体系化して継続的に改善する仕組みである
- 顧客とのサービス水準に関する合意内容を記録し、目標値と測定指標を対応付ける仕組みである
- サービス提供者の運用手順を整理し、日常オペレーションの実行方法を標準化する仕組みである
- サービスの実測値を収集し、可用性や応答時間の実績を評価するための仕組みである
答えと解説を見る
正解: サービスの要求事項を踏まえ、方針やプロセスを体系化して継続的に改善する仕組みである
サービスマネジメントシステムは、要求事項を踏まえて方針や目的、プロセスなどを体系化し、確立、実施、維持、改善するための仕組みです。SLAの管理、実績測定、運用手順は関連しますが、それぞれは管理体系全体の一部分です。
まちがえやすい点: SLAや運用手順は重要だが、サービスマネジメントシステム全体と同じ意味ではない。
科目Aの形: 四肢択一(このページのために作った問題)
ITILの説明として最も適切なものはどれか。
- ITサービスマネジメントの実践を考えるための考え方や実践例を体系化したものである
- 顧客とサービス提供者が合意したサービス水準を記載する合意内容そのものである
- サービスの実際の可用性や応答時間を測定する指標そのものである
- サービスマネジメントシステムへの適合を示す規格そのものである
答えと解説を見る
正解: ITサービスマネジメントの実践を考えるための考え方や実践例を体系化したものである
ITILは、ITサービスマネジメントを実践する際に参照される考え方や実践例を体系化したものです。SLA、SLI、サービスマネジメントの規格とは役割が異なります。
まちがえやすい点: ITILをSLAや規格そのものと取り違えないよう、用途の違いで整理する。
基本情報の学習ページ
ほかの学習ページの一覧と、2択の用語カード(750語)は、基本情報技術者のページにあります。
基本情報技術者のページへ →このページの内容は、IPA「基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2」(2026年1月公表)と試験要綱Ver.5.6の範囲にもとづきます(2026年10月確認)。IPAは2027年度春ごろから新しい試験制度に移る予定です。