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システムの性能・信頼性・経済性

システムの評価では、処理の速さだけでなく、故障しにくさ、復旧の速さ、導入後を含む費用も見ます。稼働率の計算と信頼性設計を重点的に整理します。

応答時間で性能を見る

利用者が要求の入力を終えてから、最初の応答が返り始めるまでの時間をレスポンスタイムといいます。利用者が体感するシステム性能を評価する指標の一つです。

同じ条件の処理を複数のシステムに実行させ、性能を比較する試験をベンチマークテストといいます。比較するときは、同じ条件や同じ処理内容で評価することが重要です。

性能比較では条件をそろえて測定する

MTBFとMTTRを使う

MTBFは、故障から次の故障までに正常に動作している時間の平均を表します。値が大きいほど、一般に故障と故障の間が長いと考えられます。

MTTRは、故障してから復旧するまでにかかる時間の平均です。稼働率はMTBF÷(MTBF+MTTR)で求めます。

稼働率=MTBF÷(MTBF+MTTR)

直列構成の稼働率

複数の装置が全て動作しているときだけシステムが動く構成を直列構成として考えます。独立に故障する二つの装置の稼働率がそれぞれAとBなら、直列システムの稼働率はA×Bです。

装置を増やすと、どれか一つの停止でシステム全体が停止する箇所も増えます。稼働率を単純に足し算しません。

直列は各装置の稼働率を掛ける

並列構成の稼働率

複数の装置のうち少なくとも一つが動けばシステムを利用できる構成を並列構成として考えます。独立に故障する二つの装置の稼働率がそれぞれAとBなら、両方が停止する確率を利用します。

並列システムの稼働率は1-(1-A)×(1-B)です。同じ稼働率aの装置をn台並列にすると、1-(1-a)のn乗で求められます。

並列は全台停止の確率を1から引く

障害を想定して設計する

主系に障害が起きたとき、待機系へ切り替える構成にはデュプレックスシステムがあります。待機系を常時稼働させて切替えを速くする方式をホットスタンバイといいます。

二つの系で同じ処理を行い、結果を照合しながら運転する構成にはデュアルシステムがあります。待機系へ切り替えるデュプレックスと、二系統で同時処理するデュアルを区別します。

デュアルは同時処理、デュプレックスは待機系

安全性と誤操作を考える

故障したときに危険な状態にならないよう安全側へ制御する考え方をフェールセーフといいます。障害が起きてもシステム全体の機能を保ち続ける考え方はフォールトトレラントです。

利用者が誤った操作をしても事故や重大な誤動作につながりにくくする考え方をフールプルーフといいます。故障への対応か、人の誤操作への対応かを見分けます。

フールプルーフは人の誤操作への対策

導入後も含めた費用を見る

システムの費用には、機器購入や開発などの初期コストだけでなく、運用、保守、教育など導入後に発生する費用もあります。

導入から廃棄までを含む総保有コストをTCOといいます。購入価格だけを比べるのではなく、運用期間全体の費用を評価します。

TCOは導入後を含む総保有コスト

本番の形で解いてみる

計算の問題(このページのために作った問題・本番と同じ四肢択一)

独立して動作する装置Aと装置Bを直列に接続し、両方が稼働しているときだけ利用できるシステムがある。装置Aの稼働率が0.98、装置Bの稼働率が0.95のとき、システム全体の稼働率はどれか。

  1. 0.049
  2. 0.931
  3. 0.970
  4. 0.999
答えと解説を見る

正解: 0.931

直列システムでは両方が稼働する必要があるため、0.98×0.95=0.931です。0.999は停止率同士を掛けて1から引いた場合の値です。

まちがえやすい点: 直列は稼働率同士を掛け、並列の計算式と混同しない。

計算の問題(このページのために作った問題・本番と同じ四肢択一)

稼働率が0.8の同一装置を2台並列に接続し、少なくとも1台が稼働していれば利用できるシステムを構成した。各装置の故障は互いに独立しているとき、システム全体の稼働率はどれか。

  1. 0.64
  2. 0.84
  3. 0.96
  4. 1.00
答えと解説を見る

正解: 0.96

両方が停止する確率は0.2×0.2=0.04なので、全体の稼働率は1-0.04=0.96です。0.64は稼働率同士をそのまま掛けた値です。

まちがえやすい点: 並列は両方が停止する確率を求めて1から引く。

計算の問題(このページのために作った問題・本番と同じ四肢択一)

あるシステムのMTBFが360時間、MTTRが40時間である。このシステムの稼働率はどれか。

  1. 0.10
  2. 0.89
  3. 0.90
  4. 9.00
答えと解説を見る

正解: 0.90

稼働率はMTBF÷(MTBF+MTTR)なので、360÷400=0.90です。9.00はMTBF÷MTTR、0.10はMTTR÷(MTBF+MTTR)で求めた値です。

まちがえやすい点: 分母はMTBF+MTTR、分子はMTBFにする。

この内容を問題で確かめる

読んだところを、本番と同じ四肢択一の10問セットで思い出してみましょう。

ITパスポートの問題を解く →

このページの内容は、IPA「ITパスポート試験 シラバス Ver.6.5」(2026年1月公表)の範囲にもとづきます(2026年10月確認)。