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ネットワークの構成とIoT通信

ネットワーク問題では、LANやWANといった範囲の違い、ルーターやプロキシなどの役割、IoTで使われる通信方式を整理します。伝送速度の計算では、bitとbyteの単位にも注意します。

LANとWAN

LANは、オフィスや学校、家庭など比較的限られた範囲で構成するネットワークです。端末やプリンタ、サーバなどを接続して利用します。

離れた拠点同士など、広い地域にまたがるネットワークをWANといいます。LANは狭い範囲、WANは離れたネットワーク同士を結ぶ広域のネットワークと整理します。

LANは局所、WANは離れた拠点を結ぶ

接続装置の役割

ネットワーク内で端末同士を接続する装置としてスイッチがあります。異なるネットワーク間でパケットの転送先を判断する装置がルーターです。

PCが自分の属するネットワーク外へ通信するとき、通常はデフォルトゲートウェイとして設定されたルーターなどへデータを送ります。別のネットワークへの出口となる装置をデフォルトゲートウェイとして指定すると考えます。

各ネットワークインタフェースには識別のためのMACアドレスがあります。MACアドレスとIPアドレスは役割が異なり、同じものではありません。

ルーターは異なるネットワークを中継する

無線LANを識別する

無線LANでは、ネットワークを識別する名称としてESSID(SSID)が使われます。端末は接続先として該当する無線LANを選択します。

ESSIDを周囲へ通知しない設定にしても、それだけで通信内容を暗号化したり、強固な利用者認証を実現したりするわけではありません。ネットワーク名を見えにくくすることと、暗号化や認証は別の対策です。

WPSは、対応する無線LAN機器同士を比較的簡単な操作で接続するための仕組みです。Wi-Fiの世代によって利用できる周波数帯や通信性能などにも違いがあります。

ESSIDは無線LANを識別する名前

プロキシと通信速度

プロキシは、利用者の端末に代わって外部のサーバへアクセスする中継役です。企業では、内部ネットワークからWebサイトへのアクセスを中継・制御する用途などがあります。

伝送速度はbpsで表し、1秒間に伝送できるbit数を示します。データ量がbyteで示されている場合は、計算前にbitへ換算する必要があります。

例えば8Mbitのデータを2Mbit/秒で送ると、理論上の伝送時間は4秒です。1byteは8bitなので、MBとMbitをそのまま割らないようにします。

通信時間はデータ量bit÷伝送速度bps

IoT通信を使い分ける

IoTでは、センサーなどのIoTデバイスが収集したデータをネットワーク経由でサーバへ送ります。用途によって通信距離、速度、消費電力などの条件が異なるため、適した通信方式を選びます。

BLEはBluetoothを利用した低消費電力の通信方式で、身近な機器同士など比較的近距離の通信に向きます。LPWAは、少量のデータを低消費電力で比較的広い範囲へ送る用途に適しています。

近距離で低消費電力ならBLE、広い範囲で少量データを省電力で送るならLPWAという特徴を押さえます。高速通信が必要な用途では別の方式が適する場合があります。

距離・速度・消費電力で通信方式を選ぶ

エッジで先に処理する

IoT機器から集めた全データを遠隔のサーバへ送ってから処理すると、通信量や応答時間が問題になる場合があります。そこで、データが発生する場所に近い機器で一部の処理を行う方法がエッジコンピューティングです。

例えばカメラ映像を現場側で分析し、必要な結果だけをサーバへ送れば、送信するデータ量を減らせます。クラウドだけに処理を集中させず、データの発生場所に近いところでも処理するのが特徴です。

リアルタイム性が求められる制御でも、現場側で判断できれば通信遅延の影響を抑えられます。エッジコンピューティングはインターネットを使わない仕組みという意味ではありません。

エッジはデータ発生場所の近くで処理する

既存の線も通信に使う

IoTネットワークでは、専用の通信線を新設せず、既存設備を利用する技術もあります。PLCは、電力を送る電力線に通信用の信号を重ねてデータ通信にも利用する技術です。

電力線を使うPLCと、LANケーブルを通じて機器へ電力を供給するPoEは方向が異なります。PLCは電力線を通信路として使い、PoEは通信ケーブルを使って電力も供給すると区別します。

PLCは電力線を通信にも利用する

本番の形で解いてみる

計算の問題(このページのために作った問題・本番と同じ四肢択一)

伝送速度が20Mbit/秒の回線で、80Mbitのデータを送信する。伝送に必要な時間として最も適切なものはどれか。ただし、通信のオーバーヘッドは考えない。

  1. 0.25秒
  2. 4秒
  3. 16秒
  4. 1,600秒
答えと解説を見る

正解: 4秒

伝送時間はデータ量÷伝送速度なので、80Mbit÷20Mbit/秒=4秒です。掛け算や分子と分母の逆転をしないようにします。

まちがえやすい点: 時間は伝送速度÷データ量ではなく、データ量÷伝送速度で求める。

基本の問題(このページのために作った問題・本番と同じ四肢択一)

多数のセンサーから少量のデータを広い範囲で収集し、電池を長期間使いたい。この用途に適した通信方式はどれか。

  1. BLE
  2. LPWA
  3. Wi-Fi
  4. 5G
答えと解説を見る

正解: LPWA

LPWAは少量データを広範囲へ低消費電力で送るIoT用途に適しています。BLEも低消費電力ですが、一般にLPWAより近距離の通信向けです。

まちがえやすい点: 低消費電力だけでなく、通信距離とデータ量も合わせて判断する。

基本の問題(このページのために作った問題・本番と同じ四肢択一)

店舗のカメラ映像を店舗内の装置で分析し、人数などの分析結果だけを遠隔サーバへ送る方式の説明として最も適切なものはどれか。

  1. エッジコンピューティング
  2. クラウドコンピューティング
  3. グリッドコンピューティング
  4. ユーティリティコンピューティング
答えと解説を見る

正解: エッジコンピューティング

データの発生場所に近い装置で処理し、必要な結果だけを遠隔側へ送る方式はエッジコンピューティングです。クラウド側へ映像を送って処理する方式とは処理場所が異なります。

まちがえやすい点: データをどこで処理する方式なのかに注目する。

この内容を問題で確かめる

読んだところを、本番と同じ四肢択一の10問セットで思い出してみましょう。

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このページの内容は、IPA「ITパスポート試験 シラバス Ver.6.5」(2026年1月公表)の範囲にもとづきます(2026年10月確認)。