宅建士 参考書|第5章 5問免除の範囲

住宅金融支援機構

機構は住宅ローンを支える公的機関

住宅金融支援機構は、民間金融機関による住宅資金の供給を支援するとともに、民間だけでは対応しにくい分野で直接融資などを行う独立行政法人です。

試験では、民間金融機関の住宅ローンを支援する業務と、機構自身が直接貸し付ける業務を区別できるかが問われます。

機構は「民間住宅ローンの支援」と「政策上必要な分野への直接融資」を行います。

証券化支援事業は住宅ローン債権を買い取る

証券化支援事業の買取型では、民間金融機関が貸し付けた一定の住宅ローン債権を機構が買い取り、その債権を裏付けとしてMBSなどを発行し、市場から資金を調達します。

対象は新築住宅だけではなく、一定の中古住宅の取得に係る住宅ローンも含まれます。また、住宅の購入に付随して行う改良のための資金を含む融資も、所定の要件を満たせば買取対象となり得ます。

一方、賃貸住宅を購入するためのローンを、自己居住用住宅と同じ扱いで当然に買取対象と考えるのは誤りです。

買取型住宅ローンの金利はすべての金融機関で一律ではなく、取扱金融機関によって異なります。返済方法には元利均等返済と元金均等返済があります。

買取型は「民間が貸す→機構が債権を買う→証券化」で、金利は金融機関ごとに異なります。

機構が直接貸し付ける資金もある

機構は、一般的な住宅取得資金を広く直接融資することを中心業務としているわけではありません。直接融資は、災害復興や高齢者向け住宅改良、耐震・省エネルギー性能の向上、マンション共用部分の改良、市街地の合理的利用に寄与する建築物など、政策上支援する必要がある分野が中心です。

分野判断
災害で滅失した住宅の再建・購入機構による直接融資の対象となり得ます
耐震性を高める住宅改良直接融資の対象となり得ます
省エネルギー性能を高める住宅改良直接融資の対象となり得ます
マンション共用部分の改良管理組合等への融資の対象となり得ます
子育て世帯・高齢者世帯向けの賃貸住宅の建設・改良直接融資の対象となり得ます
通常の住宅購入資金一般機構が一律に直接貸し付けるものではありません

災害復興住宅融資では、元金返済の据置期間を設ける仕組みもあります。また、機構の貸付けを受けた人が経済事情の変化などで返済が困難になったときは、返済期間の延長などの条件変更に応じる仕組みがあります。

直接融資は「災害・耐震・省エネ・高齢者・子育て・マンション改良など政策分野」が中心です。

融資保険と団体信用生命保険を区別する

機構は、民間金融機関が行う住宅ローンについて、一定の融資保険を引き受ける業務を行います。これは、民間金融機関による住宅資金供給を支える仕組みです。

また機構は、団体信用生命保険業務を行っています。機構の住宅ローン(買取型を含む)の利用者が死亡した場合だけでなく、重度障害の状態になった場合などにも、支払われる保険金をその住宅ローンの債務の弁済に充てる仕組みです。

融資保険は金融機関の住宅ローンを支え、団信は死亡・重度障害の保険金をローン返済に充てます。

高齢者向けには死亡時一括償還の仕組みがある

高齢者が行うバリアフリー工事など一定の住宅改良では、借入期間中は利息等を支払い、元金を死亡時に一括して返済する仕組みが利用されることがあります。

この種の制度では、借主の死亡後に相続人へ無限定に返済責任を負わせるのではなく、一定の場合に責任財産を限定する仕組みを設けることができます。

高齢者向け改良融資では「死亡時一括償還」が問われます。

住宅性能が高い住宅には金利引下げの仕組みがある

買取型の住宅ローンでは、省エネルギー性、耐震性など一定の性能を備えた住宅について、所定の期間、金利を引き下げる制度があります。

したがって、「機構の買取型は住宅性能による金利引下げを行わない」という判断はできません。

省エネ・耐震など一定の良質な住宅には金利引下げ制度があります。

本番の形で解いてみる

事例で判断する問題(この節のために作った問題)

住宅金融支援機構の証券化支援事業の買取型について、正しいものはどれか。

  1. 機構が取り扱う住宅ローンの金利は、すべての金融機関で同一である。
  2. 中古住宅の取得に係る住宅ローン債権は、買取りの対象にならない。
  3. 民間金融機関の住宅ローン債権を機構が買い取り、それを裏付けとして証券化する仕組みがある。
  4. 賃貸住宅を購入するためのローンは、自己居住用住宅と同じ条件で当然に買取対象となる。
答えと解説を見る

正解: 民間金融機関の住宅ローン債権を機構が買い取り、それを裏付けとして証券化する仕組みがある。

買取型では、民間金融機関の住宅ローン債権を機構が買い取り、証券化します。金利は金融機関ごとに異なり、中古住宅も一定の要件で対象になります。

事例で判断する問題(この節のために作った問題)

住宅金融支援機構が行う業務について、誤っているものはどれか。

  1. 災害で住宅を失った者に対する住宅再建資金の貸付けを行うことがある。
  2. マンションの共用部分の改良資金を管理組合等に貸し付けることがある。
  3. 民間金融機関による一定の住宅ローンについて融資保険を引き受ける。
  4. 一般の住宅購入者に対する住宅取得資金は、民間金融機関を介さず機構が原則として直接貸し付ける。
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正解: 一般の住宅購入者に対する住宅取得資金は、民間金融機関を介さず機構が原則として直接貸し付ける。

一般の住宅取得資金を機構が原則として直接融資するわけではありません。機構の直接融資は災害復興や住宅改良など政策上必要な分野が中心です。

事例で判断する問題(この節のために作った問題)

70歳のAが自宅のバリアフリー工事について住宅金融支援機構の高齢者向け融資を検討している。制度の説明として最も適切なものはどれか。

  1. 高齢者向けの住宅改良資金について、機構が融資する制度は存在しない。
  2. 一定の制度では、元金を借主の死亡時に一括して返済する仕組みを利用できる。
  3. 死亡時一括償還を利用すると、相続人は必ず自己の固有財産から全額返済しなければならない。
  4. 死亡時一括償還は、新築住宅の購入資金にだけ認められ、住宅改良には利用できない。
答えと解説を見る

正解: 一定の制度では、元金を借主の死亡時に一括して返済する仕組みを利用できる。

一定の高齢者向け住宅改良融資には、元金を死亡時に一括償還する仕組みがあります。責任財産を限定する仕組みが設けられる場合もあります。

この内容を問題で確かめる

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出典: e-Gov法令検索「独立行政法人住宅金融支援機構法」。このページの法令は令和8年(2026年)4月1日現在の法令にもとづきます(e-Govで確かめた日 2026年10月11日)。このページの作り方と確かめ方