宅建士 参考書|第5章 5問免除の範囲

景品表示法と表示規約

広告は実際より良く見せたり有利に見せたりできない

景品表示法は、商品やサービスの内容を実際より著しく良く見せる優良誤認表示や、価格・取引条件を実際より著しく有利に見せる有利誤認表示などを規制します。

不動産広告では、景品表示法に加え、不動産業界の自主ルールである「不動産の表示に関する公正競争規約」(表示規約)と同施行規則により、表示方法が具体化されています。

広告内容が誤っていたとき、他の業者から得た情報をそのまま使ったというだけで、表示した事業者の責任が当然になくなるわけではありません。

内容を良く見せるのが優良誤認、価格・条件を有利に見せるのが有利誤認です。

徒歩時間は道路距離80mを1分、団地は近い区画と遠い区画の両方

徒歩による所要時間は、道路距離を80mにつき1分として計算し、1分未満の端数は1分として計算します(切り上げ)。

道路距離徒歩表示
400m5分
420m6分

直線距離ではなく、道路距離を基準にします。自転車による所要時間を表示しても、それだけで必要な徒歩所要時間の表示に代えることはできません。

団地(一団の宅地や建物)と駅などとの道路距離・所要時間は、その施設から最も近い区画を起点とした数値とともに、最も遠い区画を起点とした数値も表示します。マンション・アパートでは建物の出入口が起点です。最も近い区画の数値だけを示すことはできません。

徒歩は「道路距離÷80m」で端数切上げ。団地は最も近い区画と最も遠い区画の両方を表示します。

新築は建築後1年未満かつ未使用

「新築」と表示できるのは、建築後1年未満で、かつ、まだ居住その他の使用がされていないものです。

建築後1年を経過すれば、誰も入居していなくても「新築」と表示できません。反対に、建築後1年未満でも既に使用されていれば新築ではありません。

中古住宅にリフォームを行っただけで、新築になるわけでもありません。

新築=「建築後1年未満」+「未使用」の両方です。

取引態様や管理費は物件ごとに正しく表示する

不動産広告では、広告主が売主、貸主、代理、媒介のいずれの立場で取引するのか、所定の方法で取引態様を表示します。複数の物件を一つの広告に載せ、それぞれ取引態様が異なるのに、まとめて一つの取引態様だけを表示することはできません。

マンションの管理費・修繕積立金は、1戸当たりの月額を表示します。住戸によって額が異なり、全部の住戸の額を示すことが困難なときは、最低額と最高額のみで表示できます。平均額だけ、最高額だけを示すことはできません。

管理費・修繕積立金は1戸当たり月額、住戸で違えば最低額と最高額で表示します。

売る意思のない物件や契約済み物件で客を集めない

実在しない物件だけでなく、実在していても取引する意思がない物件を広告して顧客を誘引する行為は、おとり広告として問題になります。

すでに契約済みとなり取引できない物件を、取引できる物件であるかのように掲載し続けることも認められません。「契約済みであると説明すればよい」というものではありません。

広告主が自分で作った情報でなくても、広告として外部に表示する以上、内容の正確性が問題になります。

実在しても「売る・貸す意思がない物件」で客を集めればおとり広告です。

予告広告・建築条件付土地・完成予想図にも決まりがある

価格など販売条件が確定する前に行う予告広告は可能ですが、予告広告であることや本広告を行う時期など、所定の事項を表示します。

建築条件付土地では、土地の売買であることと、建築請負契約について一定の条件が付されていることが分かるように表示します。

完成予想図は完成後の姿を予測して示すものですが、実際に存在する電柱などを都合よく消したり、存在しない公園などを加えたりして、実際より良い環境であるかのように表示することはできません。

予告広告・建築条件付土地・完成予想図も、実際の取引条件や周辺状況を誤認させてはいけません。

過去の販売価格との二重価格は「2か月以上・6か月以内」

現在の価格と過去の販売価格を並べる二重価格表示は、次の要件をすべて満たす場合に限られます。

要件内容
日付の明示過去の販売価格の公表日と値下げした日を明示する
比較する価格値下げの直前の価格で、値下げ前2か月以上実際に販売のために公表していた価格
表示できる期間値下げの日から6か月以内
物件の同一性旧価格の公表日から表示する日まで、物件の価値に同一性がある
対象土地・建物の販売価格(賃料の比較表示はできない)

「過去の価格なら1年間表示できる」「賃料も旧賃料と比較できる」という肢は誤りです。

二重価格は、値下げ前2か月以上公表していた直前の価格と比べ、値下げから6か月以内だけ表示できます。

本番の形で解いてみる

事例で判断する問題(この節のために作った問題)

不動産広告における徒歩所要時間の表示として、正しいものはどれか。

  1. 道路距離420mは、80mで割ると5.25分なので5分と表示できる。
  2. 道路距離420mは、1分未満の端数を切り上げて6分と表示する。
  3. 徒歩所要時間は直線距離を80mで割って計算する。
  4. 自転車の所要時間を表示すれば、徒歩所要時間を表示する必要はない。
答えと解説を見る

正解: 道路距離420mは、1分未満の端数を切り上げて6分と表示する。

徒歩所要時間は道路距離80mにつき1分で計算し、1分未満の端数は1分として計算します。420mなら5.25分なので6分です。

事例で判断する問題(この節のために作った問題)

不動産広告で「新築」と表示できる住宅はどれか。

  1. 建築後8か月で、すでに居住に使用された住宅
  2. 建築後1年2か月で、一度も使用されていない住宅
  3. 建築後10か月で、一度も使用されていない住宅
  4. 築15年の住宅を全面的にリフォームし、工事後は誰も使用していない住宅
答えと解説を見る

正解: 建築後10か月で、一度も使用されていない住宅

新築と表示できるのは、建築後1年未満で、かつ未使用の住宅です。どちらか一方だけでは足りません。

事例で判断する問題(この節のために作った問題)

宅建業者Aが、すでに売買契約が成立して販売できないマンションを広告に掲載し続け、問い合わせた客に別の物件を勧めている。この広告について最も適切なものはどれか。

  1. 実在するマンションなので、おとり広告にはならない。
  2. 問い合わせ後に契約済みと説明すれば、広告への掲載を続けてもよい。
  3. 取引できない物件を顧客誘引のために掲載する行為は、おとり広告として問題になる。
  4. 他の宅建業者から入手した広告情報なら、Aは表示内容について責任を負わない。
答えと解説を見る

正解: 取引できない物件を顧客誘引のために掲載する行為は、おとり広告として問題になる。

実在する物件でも、すでに契約済みなどで取引できないものを客寄せに利用すれば、おとり広告として問題になります。

この内容を問題で確かめる

読んだところを、問題で思い出してみましょう。

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出典: e-Gov法令検索「不当景品類及び不当表示防止法」。このページの法令は令和8年(2026年)4月1日現在の法令にもとづきます(e-Govで確かめた日 2026年10月11日)。このページの作り方と確かめ方