宅建士 参考書|第5章 5問免除の範囲

不動産の統計

まず「どの統計の数字か」を見分ける

統計の問題は、毎年の最新の公表値から出ます。数字だけでなく、どの資料の、いつ時点の、何を数えた数字かを一組で覚えます。

問われる内容資料(公表)
住宅地・商業地・工業地の地価変動地価公示(国土交通省)
新設住宅着工戸数と利用関係別の内訳建築着工統計調査(国土交通省)
土地取引件数土地白書(国土交通省。法務省の登記統計による)
宅地建物取引業者数宅地建物取引業法の施行状況調査(国土交通省)
不動産業の売上高・利益法人企業統計調査(財務省)
空き家住宅・土地統計調査(総務省)

数字を覚える前に「地価・着工・取引・業者・企業収益・空き家」の資料を分けます。

地価公示(令和8年):全国は全用途・住宅地・商業地とも5年連続上昇

令和8年地価公示(令和8年1月1日時点)の全国平均の変動率は次のとおりです。

用途令和8年令和7年
全用途平均2.8%上昇2.7%上昇
住宅地2.1%上昇2.1%上昇
商業地4.3%上昇3.9%上昇
工業地4.9%上昇4.8%上昇

全用途平均・住宅地・商業地のいずれも5年連続で上昇し、全用途平均・商業地は上昇幅が拡大、住宅地は前年と同じ上昇幅でした。三大都市圏も地方圏も、全用途平均・住宅地・商業地のいずれも5年連続で上昇しています。

ひっかけは「地方圏の住宅地は下落」「住宅地の上昇幅が拡大」「4年連続」のように、地域・用途・上昇幅・連続年数を入れ替える形です。

令和8年地価公示は全国・三大都市圏・地方圏とも全用途・住宅地・商業地が5年連続上昇です。

住宅着工(令和7年):総数74万戸台で3年連続減少

令和7年(暦年)の新設住宅着工は、持家・貸家・分譲住宅がいずれも減少したため、全体で減少しました。

区分戸数前年比
総数740,667戸6.5%減(3年連続減少)
持家201,285戸7.7%減(4年連続減少)
貸家324,991戸5.0%減(3年連続減少)
分譲住宅208,169戸7.6%減(3年連続減少)
うちマンション89,888戸12.2%減
うち一戸建住宅115,935戸4.3%減

新設住宅着工床面積も56,885千㎡で、前年比6.6%減(4年連続減少)です。持家だけが4年連続で、ほかは3年連続という違いが問われやすい所です。

令和7年の着工は総数約74万戸・6.5%減、持家・貸家・分譲すべて減少です。

土地取引件数(令和7年):約130万件で、ほぼ横ばい

令和8年版土地白書によると、令和7年の土地の売買による所有権移転登記の件数(土地取引件数)は、全国で約130万件で、ここ10年ほどほぼ横ばいで推移しています。

ひっかけは件数の桁を変える、「大きく増加」「大きく減少」とする、という形です。

令和7年の土地取引件数は約130万件、ほぼ横ばいです。

宅建業者数は約13万で、毎年少しずつ増加

宅地建物取引業者数は、国土交通省の「宅地建物取引業法の施行状況調査」で公表されます。

時点業者数増減
令和7年3月末132,291業者11年連続の増加
令和8年3月末(令和8年10月公表)133,727業者(大臣免許3,238・知事免許130,489)12年連続の増加

宅地建物取引士の総登録者数は、令和8年3月末で1,243,738人(約124万人)です。業者数(約13万)と宅建士の登録者数(約120万人台)は対象も桁も別です。

宅建業者数は約13万で増加が続き、宅建士の登録者数は約124万人です。

法人企業統計(令和6年度):不動産業は増収増益

財務省の法人企業統計調査(令和6年度、令和7年9月公表)では、不動産業は次のとおりです。

項目金額前年度比
売上高58兆8,245億円4.2%増
営業利益7兆1,742億円12.9%増
経常利益7兆9,796億円8.7%増

売上高に対する利益の割合は、営業利益で約12.2%、経常利益で約13.6%です。全産業(金融業・保険業を除く)の売上高経常利益率は約6.8%なので、不動産業の利益率は全産業より高いという関係も押さえます。

令和6年度の不動産業は売上・営業利益・経常利益とも増加、利益率は全産業より高いです。

空き家は「何を数えた数字か」を区別する

総務省の令和5年住宅・土地統計調査では、空き家は約900万戸(900万2千戸)、空き家率は13.8%で、いずれも過去最多・過去最高でした。このうち賃貸・売却用や別荘などの二次的住宅を除いた空き家は約385万戸(385万6千戸)です。

「空き家の総数」と「賃貸・売却用などを除いた空き家」は別の数字です。どちらを聞いているかを読み分けます。

空き家は総数約900万戸、賃貸・売却用などを除くと約385万戸です。

本番の形で解いてみる

事例で判断する問題(この節のために作った問題)

住宅地・商業地・工業地の全国平均の地価変動率を確認したい。主に見るべき公的資料はどれか。

  1. 建築着工統計調査
  2. 地価公示
  3. 法人企業統計調査
  4. 宅地建物取引業者に関する統計
答えと解説を見る

正解: 地価公示

住宅地・商業地・工業地などの地価変動率は地価公示で確認します。用途別・地域別の上昇率や下落率が問われます。

事例で判断する問題(この節のために作った問題)

令和7年の新設住宅着工(建築着工統計調査)について、正しいものはどれか。

  1. 総数は前年より増加した。
  2. 持家は減少したが、貸家と分譲住宅は増加した。
  3. 総数は約74万戸で、持家・貸家・分譲住宅のいずれも減少した。
  4. 分譲住宅のうちマンションだけは増加した。
答えと解説を見る

正解: 総数は約74万戸で、持家・貸家・分譲住宅のいずれも減少した。

令和7年の新設住宅着工は740,667戸(前年比6.5%減)で、持家・貸家・分譲住宅(マンション・一戸建ともに)のいずれも減少しました。

事例で判断する問題(この節のために作った問題)

Aは「宅地建物取引業者数」と「宅地建物取引士の登録者数」のうち、宅建業の免許を受けて営業している事業者の数を調べたい。確認すべき対象として最も適切なものはどれか。

  1. 宅地建物取引士の登録者数
  2. 宅地建物取引業者数
  3. 新設住宅着工戸数
  4. 土地取引件数
答えと解説を見る

正解: 宅地建物取引業者数

免許を受けて宅建業を営む事業者の数は宅地建物取引業者数です。宅建士登録者数とは別の統計なので混同しません。

この内容を問題で確かめる

読んだところを、問題で思い出してみましょう。

宅建の問題を解く →

出典: 国土交通省「令和8年地価公示の概要」(令和8年3月)・新潟県「令和8年地価公示結果の概要」(全国の工業地)、国土交通省「建築着工統計調査報告(令和7年計)」(令和8年1月30日)、国土交通省「令和8年版土地白書について」(令和8年7月10日)、国土交通省「令和7年度宅地建物取引業法の施行状況調査結果」(令和8年10月2日)・同「令和6年度」(令和7年10月3日)、財務省「年次別法人企業統計調査(令和6年度)」(令和7年9月1日)、総務省「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計」(令和6年9月25日)(2026年10月11日時点で確認)。数値は毎年更新されます。このページの作り方と確かめ方