登録販売者 参考書|第2章 人体の働きと医薬品

剤形ごとの違いと使い方

錠剤と水なしで使える錠剤

錠剤は、飛散しにくく、有効成分の苦味や刺激性を口中で感じにくい固形製剤です。一方、高齢者や乳幼児などでは飲み込みにくいことがあります。

通常の錠剤は、適切な量の水又はぬるま湯とともに飲み込みます。水が少ない、又は水なしで服用すると、喉や食道に張り付き、薬効が現れないだけでなく粘膜を傷めるおそれがあります。

剤形特徴・使い方
口腔内崩壊錠唾液で速やかに溶けるため、水なしで服用できる。高齢者、乳幼児、水分摂取が制限されている場合にも使いやすい。
チュアブル錠口の中で舐めたり噛み砕いたりして服用し、水なしでも服用できる。

通常の錠剤は水と飲み、口腔内崩壊錠とチュアブル錠は水なしでも服用できます。

錠剤を噛み砕かない理由と口腔用錠剤

錠剤(内服)は、胃や腸で崩壊し、有効成分が溶出することが薬効発現の前提です。そのため、例外的な場合を除き、口中で噛み砕いて服用しません。特に、腸内で溶けるよう表面をコーティングした腸溶錠は、噛み砕くことを厳に慎みます。

口腔用錠剤使い方
トローチ剤・ドロップ剤飲み込まず、口の中で舐めて徐々に溶かす。
舌下錠舌下で溶解させ、有効成分を口腔粘膜から吸収させる。

内服錠は原則噛まず、トローチはゆっくり溶かし、舌下錠は舌下で吸収させます。

散剤・顆粒剤と経口液剤

散剤は粉末状、顆粒剤は小さな粒状の剤形です。錠剤を飲み込みにくい人には服用しやすい一方、口の中に広がって歯の間に挟まったり、苦味や渋味を強く感じたりすることがあります。

顆粒剤には粒の表面をコーティングしたものがあるため、噛み砕かずに水などで飲み込みます。

経口液剤は、有効成分がすでに液中に溶けたり分散したりしているため、服用後、比較的速やかに消化管から吸収されます。固形製剤より有効成分の血中濃度が上昇しやすく、習慣性や依存性がある成分を含む場合には、本来の目的と異なる不適正な使用がなされることがあります。

小児用では、苦味やにおいへの対応として白糖等の糖類を混ぜたシロップ剤とすることが多いとされています。

顆粒剤は噛まず、経口液剤は比較的速やかに吸収され血中濃度が上がりやすい剤形です。

カプセル剤の特徴と注意

カプセル剤は、カプセル内に散剤、顆粒剤、液剤などを充填した剤形です。固形製剤なので、特徴は錠剤とほぼ同様です。

カプセル原材料として広く使われるゼラチンは、ブタなどのタンパク質を主成分としています。ゼラチンにアレルギーを持つ人は、カプセル剤の使用を避けるなどの注意が必要です。

水なしで服用するとゼラチンが喉や食道に貼り付くことがあるため、適切な量の水又はぬるま湯とともに服用します。

カプセル剤はゼラチンのアレルギーと、水なしでの喉・食道への貼り付きに注意します。

軟膏剤・クリーム剤・外用液剤

剤形特徴・使い分け
軟膏剤油性基剤。皮膚への刺激が弱く、水から遮断したい場合などに用いる。乾燥した患部にも、じゅくじゅくと浸潤した患部にも使用できる。
クリーム剤油性基剤に水分を加えたもの。患部を水で洗い流したい場合などに用いる。皮膚への刺激が強いため、傷等への使用は避ける。
外用液剤軟膏剤やクリーム剤より患部が乾きやすい。適用部位に直接的な刺激感等を与える場合がある。

軟膏剤とクリーム剤は、基剤・刺激性・水との関係が逆に入れ替えられやすいため、表の対応で判断します。

軟膏は油性・刺激弱・水を遮断、クリームは水分入り・刺激強・洗い流しやすい、外用液は乾きやすいです。

貼付剤とスプレー剤

貼付剤は皮膚に貼り付けて使う剤形で、テープ剤とパップ剤があります。適用部位に有効成分が一定時間留まるため薬効の持続が期待できる一方、適用部位にかぶれなどを起こす場合があります。

スプレー剤は、有効成分を霧状にするなどして局所に吹き付けます。手指では塗りにくい部位や、広範囲に適用する場合に適しています。

貼付剤はテープ剤・パップ剤で持続性があり、スプレー剤は塗りにくい部位や広範囲に適します。

本番の形で解いてみる

本番の形の問題(五肢択一・この節のために作った問題)

医薬品の剤形に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

  • a 口腔内崩壊錠は、水なしで服用することができる。
  • b トローチ剤は、口の中で噛み砕いてから飲み込む。
  • c 経口液剤は、既に有効成分が液中に溶けたり分散したりしているため、比較的速やかに消化管から吸収される。
  • d クリーム剤は油性基剤で皮膚への刺激が弱く、適用部位を水から遮断したい場合に用いる。
  1. a正 b正 c誤 d誤
  2. a正 b誤 c正 d誤
  3. a誤 b正 c正 d誤
  4. a正 b誤 c誤 d正
  5. a誤 b誤 c正 d正
答えと解説を見る

正解: a正 b誤 c正 d誤

aとcは正しいです。bは誤りで、トローチ剤は飲み込まずに口の中で舐めて徐々に溶かします。dは誤りで、油性基剤で刺激が弱く、水から遮断したい場合に用いるのは軟膏剤です。クリーム剤は油性基剤に水分を加え、刺激が強いため傷等への使用を避けます。まちがえやすい点:軟膏剤とクリーム剤の基剤・刺激性・用途を逆にしないことです。

本番の形の問題(五肢択一・この節のために作った問題)

次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

  • a 顆粒剤は、表面がコーティングされているものもあるため、噛み砕かずに水などで飲み込む。
  • b カプセル剤は、水なしで服用するとゼラチンが喉や食道に貼り付くことがある。
  • c 舌下錠は、飲み込んで胃や腸で崩壊させ、有効成分を吸収させる。
  • d 外用液剤は、軟膏剤やクリーム剤に比べて患部が乾きにくい。
  1. aとb
  2. aとc
  3. aとd
  4. bとc
  5. cとd
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正解: aとb

正しいのはaとbです。cは誤りで、舌下錠は舌下で溶解させ、有効成分を口腔粘膜から吸収させます。dは誤りで、外用液剤は軟膏剤やクリーム剤に比べて患部が乾きやすい剤形です。まちがえやすい点:舌下錠の吸収部位と、外用液剤の『乾きやすい』を入れ替えないことです。

本番の形の問題(五肢択一・この節のために作った問題)

医薬品の剤形について相談を受けました。説明として最も適切なものはどれか。

  1. 水分摂取が制限されている人には、口の中で溶かして唾液と一緒に飲み込める口腔内崩壊錠を選択肢にできる。
  2. 腸溶錠は腸内で溶かすため、服用前に噛み砕いて表面のコーティングを除く。
  3. 患部を水から遮断したい場合は、一般にクリーム剤を用いる。
  4. ゼラチンを用いたカプセル剤は、喉への貼り付きを防ぐため水なしで速やかに飲み込む。
  5. 患部が乾燥している場合、軟膏剤は使用できず、じゅくじゅくと浸潤している場合だけ用いる。
答えと解説を見る

正解: 水分摂取が制限されている人には、口の中で溶かして唾液と一緒に飲み込める口腔内崩壊錠を選択肢にできる。

口腔内崩壊錠は唾液で速やかに溶け、水なしで服用できるため、水分摂取が制限されている場合にも用いやすい剤形です。腸溶錠は噛み砕かず、適用部位を水から遮断したい場合は一般に軟膏剤を用い、カプセル剤は適切な量の水又はぬるま湯と服用します。軟膏剤は乾燥した患部にも浸潤した患部にも使用できます。まちがえやすい点:『水なしでよい剤形』と『水と服用する剤形』、軟膏剤とクリーム剤の用途を分けて覚えます。

出典: 厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」(令和4年3月作成・令和8年4月一部改訂)。このページの内容は令和8年4月一部改訂の手引きにもとづきます(確かめた日 2026年10月12日)。過去の試験の出題は、東京都・関西広域連合・福岡県の令和5〜7年度の公開問題から数えました。このページの作り方と確かめ方