登録販売者 参考書|第4章 薬事関係法規・制度
医薬品の定義と分類
法律上の医薬品は人用だけではない
医薬品には、日本薬局方に収められている物のほか、人又は動物の疾病の診断、治療、予防に使用することを目的とする物や、人又は動物の身体の構造・機能に影響を及ぼすことを目的とする物が含まれます。ただし、それぞれ法律上の除外対象となる機械器具等、医薬部外品、化粧品、再生医療等製品などは除かれます。
動物の疾病の治療を目的とする物も、医薬品の定義に含まれ得ます。また、医薬品には検査薬、殺虫剤、器具用消毒薬のように、人の身体に直接使用されないものもあります。
「やせ薬」を標榜した無承認無許可医薬品も、医薬品として扱われます。
医薬品は人に直接使う物だけではなく、動物用や検査薬・殺虫剤・器具用消毒薬も含みます。
日本薬局方と医薬品の関係
日本薬局方は、厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴き、保健医療上重要な医薬品について、必要な規格・基準や標準的試験法などを定めたものです。
日本薬局方に収められている物は、法の定義上、医薬品です。一方で、日本薬局方に収載されている医薬品の中には、一般用医薬品として販売されているものや、一般用医薬品に配合されているものも少なくありません。
「日本薬局方収載品は一般用医薬品にならない」は誤りです。
製造と製造販売の許可を混同しない
医薬品を製造するには、厚生労働大臣による「製造業」の許可が必要です。一方、医薬品を製造販売するには「製造販売業」の許可が必要です。
医薬品は原則として品目ごとに品質、有効性、安全性について審査等を受け、その製造販売について厚生労働大臣の承認を受けます。
したがって、「製造販売業の許可を受けた者でなければ製造できない」とする記述は、製造業と製造販売業を入れ替えた誤りです。
製造は「製造業」、製造販売は「製造販売業」の許可です。
一般用・要指導と医療用の違い
| 区分 | 使用の前提 | 用量・効能効果 |
|---|---|---|
| 医療用医薬品 | 医師・歯科医師が使用、又は処方箋・指示により使用されることを目的として供給 | 診察して患者の容態に合わせ処方量を決める。効能効果は通常、診断疾患名で示す |
| 一般用医薬品 | 医薬関係者からの情報に基づき需要者が選択して使用 | あらかじめ定められた用量に基づき適正使用。効能効果は一般生活者が判断できる症状で示す |
| 要指導医薬品 | 需要者が選択して使用し、適正使用のため薬剤師による対面等の情報提供・薬学的指導が必要 | 一般用医薬品と同様、あらかじめ定められた用量に基づき適正使用 |
要指導医薬品の情報提供・指導を行うのは薬剤師です。登録販売者を含めた「薬剤師又は登録販売者」とする記述は誤りです。
医療用は医師等が処方量を決め、一般用・要指導は定められた用量で使います。
一般用・要指導では認められないもの
一般用医薬品及び要指導医薬品では、注射等の侵襲性の高い使用方法は用いられていません。
人体に直接使用しない検査薬であっても、血液を検体とするものなど、検体採取に身体への直接のリスクを伴うものは、一般用医薬品にも要指導医薬品にも認められていません。
また、一般用医薬品及び要指導医薬品は、通常、医療機関を受診するほどではない体調不良や疾病の初期段階で用いられます。医師等の診療によらなければ一般に治癒が期待できない、がんや心臓病などに対する効能効果は認められていません。
血液検体など身体への直接のリスクを伴う検査薬は、一般用にも要指導にも認められません。
要指導から一般用へ移る場合がある
要指導医薬品には、毒薬や劇薬に該当するものも含まれます。また、要指導医薬品は一般用医薬品とは別の区分であり、一般用医薬品の中に含まれるものではありません。
一定の要指導医薬品は、定められた期間を経過し、薬事審議会で一般用医薬品として取り扱うことが適切と認められると、一般用医薬品に分類されます。
要指導医薬品は一般用医薬品とは別区分ですが、一定期間後に一般用へ移るものがあります。
販売できる業態を区別する
店舗販売業は、一般用医薬品と要指導医薬品以外の医薬品を販売できません。配置販売業が販売できるのは、基準に適合する一般用医薬品に限られます。
そのため、配置販売業では要指導医薬品を販売できません。医療用医薬品を販売できるのは薬局と卸売販売業者です。
卸売販売業者は、店舗販売業者に一般用医薬品・要指導医薬品以外の医薬品を、配置販売業者に一般用医薬品以外の医薬品を販売又は授与してはなりません。
配置販売業は一般用医薬品のみで、要指導医薬品は扱えません。
本番の形で解いてみる
本番の形の問題(五肢択一・この節のために作った問題)
医薬品の定義及び分類について、次の記述の正誤を判断した場合、正しい組合せはどれか。
- a 日本薬局方に収められている物は、法の定義上すべて医薬品である。
- b 動物の疾病の治療を目的とする物は、医薬品の定義から除外される。
- c 検査薬や殺虫剤、器具用消毒薬のように、人の身体に直接使用されない医薬品もある。
- d 日本薬局方に収載されている医薬品は、一般用医薬品として販売されることはない。
- a正 b正 c誤 d誤
- a正 b誤 c正 d誤
- a正 b誤 c誤 d正
- a誤 b正 c正 d誤
- a誤 b誤 c正 d正
答えと解説を見る
正解: a正 b誤 c正 d誤
aとcは正しい記述です。bは誤りで、人又は動物の疾病の診断、治療又は予防を目的とする物も医薬品の定義に含まれます。dも誤りで、日本薬局方収載医薬品の中には一般用医薬品として販売されるものや、一般用医薬品に配合されるものがあります。まちがえやすい点:「日本薬局方収載」と「医療用のみ」を結び付けないようにします。
本番の形の問題(五肢択一・この節のために作った問題)
次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
- a 一般用医薬品及び要指導医薬品は、あらかじめ定められた用量に基づき適正使用することによって効果を期待する。
- b 一般用医薬品及び要指導医薬品の効能効果は、通常、診断疾患名で示される。
- c 血液を検体とするなど、検体採取に身体への直接のリスクを伴う検査薬は、要指導医薬品であれば認められる。
- d 配置販売業は、要指導医薬品を販売することが認められていない。
- aとb
- aとc
- aとd
- bとc
- cとd
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正解: aとd
正しいのはaとdです。bは誤りで、一般用・要指導医薬品の効能効果は一般生活者が判断できる症状で示されます。cも誤りで、身体への直接のリスクを伴う検体採取を必要とする検査薬は、一般用にも要指導にも認められていません。まちがえやすい点:診断疾患名で示すのは通常、医療用医薬品です。
本番の形の問題(五肢択一・この節のために作った問題)
店舗で、ある医薬品の区分と販売方法について説明することになった。最も適切な説明はどれか。
- 要指導医薬品は一般用医薬品に含まれ、登録販売者の対面による情報提供と薬学的指導を必要とする
- 要指導医薬品には劇薬に該当するものはなく、一定期間後も要指導医薬品のままである
- 一般用医薬品は医師又は歯科医師が診察し、患者ごとに処方量を決めて使用することを目的とする
- 要指導医薬品では注射等の侵襲性の高い使用方法は用いられず、一定のものは期間経過後に一般用医薬品へ分類されることがある
- 血液を検体とする検査薬は、一般用医薬品では認められないが要指導医薬品では認められる
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正解: 要指導医薬品では注射等の侵襲性の高い使用方法は用いられず、一定のものは期間経過後に一般用医薬品へ分類されることがある
要指導医薬品では注射等の侵襲性の高い使用方法は用いられず、一定の要指導医薬品は所定の期間を経過して一般用医薬品として適切と認められると一般用に分類されます。要指導医薬品は一般用医薬品とは別区分で、適正使用のための情報提供・薬学的指導は薬剤師が行います。また劇薬に該当する要指導医薬品もあり、血液など身体への直接のリスクを伴う検体を使う検査薬は要指導でも認められません。まちがえやすい点:要指導医薬品を「一般用医薬品の一種」と考えないようにします。
出典: 厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」(令和4年3月作成・令和8年4月一部改訂)。このページの内容は令和8年4月一部改訂の手引きにもとづきます(確かめた日 2026年10月12日)。過去の試験の出題は、東京都・関西広域連合・福岡県の令和5〜7年度の公開問題から数えました。このページの作り方と確かめ方