登録販売者 参考書|第4章 薬事関係法規・制度
リスク区分と指定濫用防止医薬品
第一類・第二類・第三類の定義
| 区分 | 考え方 |
|---|---|
| 第一類医薬品 | 日常生活に支障を来す程度の健康被害のおそれがある医薬品のうち、使用に関し特に注意が必要なものとして指定されるものなど |
| 第二類医薬品 | 第一類を除き、日常生活に支障を来す程度の健康被害のおそれがあり、保健衛生上のリスクが比較的高いもの |
| 第三類医薬品 | 第一類・第二類以外の一般用医薬品。リスクは比較的低いが、身体の変調・不調が起こるおそれはある |
第一類医薬品は、「日常生活に支障を来す程度の健康被害のおそれがあるすべての一般用医薬品」ではありません。そのうち特に注意が必要なものなどです。
第三類でも副作用による身体の変調・不調が起こるおそれはあります。
指定第二類とリスク区分の見直し
第二類医薬品のうち、特別の注意を要するものとして厚生労働大臣が指定するものを指定第二類医薬品といいます。
リスク区分は固定ではありません。安全性に関する新たな知見や副作用の発生状況などを踏まえ、適宜見直されます。第三類医薬品でも、日常生活に支障を来す程度の副作用を生じるおそれが明らかになれば、第一類又は第二類へ変更されることがあります。
新たに一般用医薬品となった医薬品は、承認後の一定期間、第一類医薬品に分類され、その間の情報を評価した後に第一類、第二類又は第三類に分類されます。
第三類から第一類・第二類への変更もあり、区分は固定ではありません。
指定濫用防止医薬品の対象成分
指定濫用防止医薬品は、濫用した場合に中枢神経系の興奮・抑制又は幻覚を生じるおそれがあり、その防止が必要な医薬品として指定されるものです。
指定成分を有効成分として含む製剤が対象ですが、いずれも外用剤を除きます。
| 指定成分 |
|---|
| エフェドリン |
| コデイン |
| ジヒドロコデイン |
| ジフェンヒドラミン |
| デキストロメトルファン |
| プソイドエフェドリン |
| ブロモバレリル尿素 |
| メチルエフェドリン |
指定は、これらの成分、その水和物及びそれらの塩類を有効成分として含む製剤に及びます。ただし、生薬を主たる有効成分とする製剤は含まれません。
指定成分は8成分で、デキストロメトルファンとジフェンヒドラミンも含まれます。
販売時は情報提供と理解確認が必要
薬局開設者、店舗販売業者又は配置販売業者が指定濫用防止医薬品を販売・授与・配置する場合は、薬剤師又は登録販売者に、必要な情報を提供させます。
情報提供では、指定濫用防止医薬品を濫用した場合に保健衛生上の危害が発生するおそれがあることなどを、購入者又は使用者の状況に応じて個別に伝えます。さらに、情報の内容を理解したか、質問があるかを確認します。
適切な情報提供ができないなど、適正な使用を確保できないと認められる場合は、販売又は授与してはなりません。
指定濫用防止医薬品は、情報を伝えるだけでなく理解と質問の有無まで確認します。
年齢・購入状況・数量超過理由を確認する
情報提供の前には、薬剤師又は登録販売者が必要事項を確認します。
- 年齢
- 18歳未満の場合は、その者の氏名
- 当該指定濫用防止医薬品と、それ以外の指定濫用防止医薬品の購入・譲受け状況
- 定められた数量を超えて購入・譲受けようとする場合は、その理由
- 適正使用を目的とする購入・譲受けであることを確認するために必要な事項
- 情報提供のために必要なその他の事項
住所や電話番号を一律に確認する規定ではありません。年齢を確認し、18歳未満であれば氏名も確認します。
確認の軸は年齢・18歳未満なら氏名・購入状況・数量超過の理由です。
原則は一包装かつ指定日数以内
指定濫用防止医薬品について定められる数量は、指定濫用防止医薬品ごとに一包装で、かつ指定日数分を超えない数量です。
| 指定成分 | 日数 |
|---|---|
| エフェドリン | 5日 |
| コデイン | 5日 |
| ジヒドロコデイン | 5日。かぜ薬は7日 |
| ジフェンヒドラミン | 5日。かぜ薬は7日 |
| デキストロメトルファン | 5日。かぜ薬は7日 |
| プソイドエフェドリン | 5日。かぜ薬又は鼻炎用内服薬は7日 |
| ブロモバレリル尿素 | 5日。解熱鎮痛薬は7日 |
| メチルエフェドリン | 5日。かぜ薬又は鼻炎用内服薬は7日 |
省令で定める年齢は18歳です。数量や年齢に関する販売制限には、手引きに示された一定の例外があります。
原則は一包装かつ5日分、指定された効能の製剤では7日分となる成分があります。
第二類・第三類の指定品は陳列にも規制
指定濫用防止医薬品のうち第二類又は第三類医薬品を陳列する場合は、適正使用を確保できる方法で陳列します。
方法の一つは指定濫用防止医薬品陳列区画の内部に陳列することです。ただし、鍵をかけた設備など購入者等が直接手を触れられない設備では別の取扱いがあります。
もう一つは、情報提供設備から7メートル以内に陳列し、その設備に薬剤師又は登録販売者を継続的に配置する方法です。
第二類・第三類の指定濫用防止医薬品は、区画内又は情報提供設備から7m以内などで陳列します。
本番の形で解いてみる
本番の形の問題(五肢択一・この節のために作った問題)
一般用医薬品のリスク区分について、次の記述の正誤を判断した場合、正しい組合せはどれか。
- a 第一類医薬品には、日常生活に支障を来す程度の健康被害のおそれがある一般用医薬品のすべてが指定される。
- b 第二類医薬品のうち、特別の注意を要するものとして厚生労働大臣が指定するものを指定第二類医薬品という。
- c 第三類医薬品では、副作用等による身体の変調・不調が起こるおそれはない。
- d 第三類医薬品が第一類又は第二類医薬品に変更されることがある。
- a正 b正 c誤 d誤
- a正 b誤 c正 d誤
- a誤 b正 c誤 d正
- a誤 b正 c正 d誤
- a誤 b誤 c誤 d正
答えと解説を見る
正解: a誤 b正 c誤 d正
aは誤りで、第一類は健康被害のおそれがあるもののうち特に注意が必要なものなどです。bは正しい記述です。cは誤りで、第三類でも日常生活に支障を来す程度ではないものの身体の変調・不調が起こるおそれがあります。dは正しく、安全性に関する新たな知見などにより区分変更があります。まちがえやすい点:第三類を「副作用が起こらない区分」と考えないようにします。
本番の形の問題(五肢択一・この節のために作った問題)
次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
- a デキストロメトルファンは、外用剤を除き指定濫用防止医薬品の指定成分に含まれる。
- b ブロモバレリル尿素は指定成分に含まれない。
- c 指定濫用防止医薬品の販売時は年齢を確認し、18歳未満であれば氏名も確認する。
- d 指定数量を超えて購入しようとする場合は、住所を確認すれば理由の確認は不要である。
- aとb
- aとc
- aとd
- bとc
- cとd
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正解: aとc
正しいのはaとcです。デキストロメトルファンは指定成分で、外用剤は除かれます。ブロモバレリル尿素も指定成分なのでbは誤りです。定められた数量を超えて購入しようとする場合はその理由を確認するため、dも誤りです。まちがえやすい点:令和8年の指定成分にはジフェンヒドラミン、デキストロメトルファンも含まれます。
本番の形の問題(五肢択一・この節のために作った問題)
18歳の購入者が、プソイドエフェドリンを有効成分として含む鼻炎用内服薬である指定濫用防止医薬品を購入しようとしている。最も適切な説明はどれか。
- 原則として一包装かつ用法・用量からみて5日分を超えない数量でなければならず、鼻炎用内服薬でも7日分の扱いにはならない
- 原則として一包装かつ用法・用量からみて7日分を超えない数量であり、年齢など必要事項の確認と情報提供を行う
- 18歳は18歳未満に当たるため、年齢に加えて氏名を確認することが常に必要である
- プソイドエフェドリンは指定成分だが、鼻炎用内服薬は外用剤として扱われるため指定濫用防止医薬品にはならない
- 指定数量以内であれば、指定濫用防止医薬品を使用しようとする者の購入状況を確認する必要はない
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正解: 原則として一包装かつ用法・用量からみて7日分を超えない数量であり、年齢など必要事項の確認と情報提供を行う
プソイドエフェドリンは外用剤を除く指定成分で、鼻炎用内服薬としての効能又は効果を有すると認められる製剤では、原則として一包装かつ7日分を超えない数量が基準です。販売時には年齢、指定濫用防止医薬品の購入状況など必要事項を確認し、必要な情報提供を行います。18歳は「18歳未満」ではないため、その規定による氏名確認の対象ではありません。まちがえやすい点:プソイドエフェドリンは通常5日ですが、かぜ薬又は鼻炎用内服薬では7日です。
出典: 厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」(令和4年3月作成・令和8年4月一部改訂)。このページの内容は令和8年4月一部改訂の手引きにもとづきます(確かめた日 2026年10月12日)。過去の試験の出題は、東京都・関西広域連合・福岡県の令和5〜7年度の公開問題から数えました。このページの作り方と確かめ方