第二種電気工事士 学習ページ

工具と材料の選び方

第二種電気工事士の学科では、工具と材料の写真を見て答える問題が毎回まとまって出ます。過去9回では1回あたり6問以上がこの範囲でした。名前を丸暗記するより「何に、何をする道具か」で覚えると、見たことのない写真でも選べます。

工具は「何に何をする作業か」で選ぶ

工具の問題は、名前だけでなく加工する相手と作業の組合せで覚えます。金属製の箱やキャビネットに丸穴をあけるのはノックアウトパンチャ、木材に穴をあけるのは羽根ぎり(クリックボールに付けて回す)、コンクリートに穴をあけるのは振動ドリルです。

曲げる工具は管の材質で分かれます。金属管(鋼製電線管)を曲げるのはパイプベンダ、硬質ポリ塩化ビニル電線管はトーチランプで温めてから曲げます。切る工具も同じで、金属管は金切りのこやパイプカッタ、金属製可とう電線管はプリカナイフ、合成樹脂管は合成樹脂管用カッタです。金属管を切った後の内側のばり(金属を切ったときに切り口にできる、とがったでっぱり)を取るのはリーマ、ねじを切るのはねじ切り器です。

金属管の曲げ=パイプベンダ、硬質塩ビ管の曲げ=トーチランプ、金属可とう管の切断=プリカナイフ、木材の穴=羽根ぎり

電線の処理・接続に使う工具

ケーブルや電線を扱う工具も、用途を分けて覚えます。VVFストリッパはVVFケーブルの外装や心線(電線の中の、電気が通る金属の線)の絶縁被覆をむく工具で、刃やゲージが一体になったペンチ形が代表的です。圧着工具はリングスリーブを圧着する工具で、柄を握って接続部をつぶします。リングスリーブ用の圧着工具は柄が黄色で、裸圧着端子用(柄が赤)と見分けます。

電線管に電線を通すときは呼び線挿入器を使い、架空線(電柱などの間に、空中に張った電線)などのたるみを取って張る作業には張線器を使います。写真問題では、張線器はワイヤをつかむ部分と張力をかける機構がある形が手掛かりです。「切る・むく・圧着する・通す・張る」の動作を混同しないようにします。

VVFストリッパ=被覆をむく、圧着工具(柄が黄色)=リングスリーブ、呼び線挿入器=管に電線を通す、張線器=たるみを取る

電線管は材質と形を先に見分ける

電線管は、まず金属か合成樹脂か、硬い管か可とう管かを見ます。金属管は金属製の直管で、金属管工事に使います。硬質ポリ塩化ビニル電線管は樹脂製の硬い管で、一般にVE管と呼ばれます。PF管やCD管は波形で曲げやすい合成樹脂製可とう電線管です(CD管はオレンジ色が多い)。

写真では材質だけで決めず、表面が平滑な直管か、蛇腹状に曲がる管かも確認します。金属可とう電線管は金属製でも自由に曲がるため、通常の金属管と区別することが必要です。地中配線で使う波付硬質合成樹脂管(FEP)も波形です。工事名と材料名を一組にすると迷いにくくなります。

金属・樹脂、直管・可とうの2段階で電線管を見分ける

管の付属品は「どこに付けるか」で見分ける

電線管の付属品はどことどこをつなぐか、管のどこに付けるかで区別します。カップリングは管と管をつなぐ部品で、硬質ポリ塩化ビニル電線管どうしをつなぐTSカップリングもこの仲間です。ボックスコネクタは電線管をボックスへ接続するときに使います。

管の曲がり角には、あらかじめ曲げてあるノーマルベンド(直角に曲げる場所)や、露出配管の直角の曲がり角に使うユニバーサルを使います。管の端には電線の被覆を守る絶縁ブッシングを付け、管端から電線を引き出す所にはターミナルキャップ(雨のかかる垂直配管には使えない)やエントランスキャップ(屋外)を使います。

管―管=カップリング、管―ボックス=ボックスコネクタ、直角の曲げ=ノーマルベンド、管端の保護=絶縁ブッシング

配線図では工事方法から工具を絞る

配線図の「使用する工具・使用しない工具」は、写真を先に見るよりその場所で行う工事を先に読むのが近道です。VVFケーブル中心の場所なら、被覆をむく工具や電線を接続する工具は候補になります。一方、金属管を使わない場所なら、金属管の曲げ・ねじ切り・管端加工だけに使う工具は外せます。

選択肢に見慣れない工具があっても、「この施工で穴をあけるか」「管を曲げるか」「電線を接続するか」の順に作業を洗い出します。工具の知識だけでなく、配線図中の工事方法と組み合わせて判断する問題です。

配線図の工事方法を読む→必要な作業を列挙→その作業に使う工具だけ残す

配線図では材料も「その工事に必要か」で選ぶ

材料の選択も、名称の暗記だけではなく施工場所との対応で考えます。ボックス、ステップル、電線管の付属品、電線接続材などが並んだら、まず配線図からケーブル工事か、電線管工事か、どこで接続するかを確認します。たとえばVVFケーブルを造営材(柱・壁・天井など、建物をつくっている材料)に固定する施工ではステップルが候補になり、金属管を使わない区間では金属管専用の継手(管と管をつなぐ部品)は通常使いません。

また、ボックス内で電線を接続する場所ではリングスリーブや差込形コネクタなどの接続材が候補になります。「見たことのある材料」を選ぶのではなく、その場所の施工手順を頭の中で再現することが決め手です。

工事方法→固定・接続・保護のどれが必要かを考え、用途のない材料を消す

よく出る工具の一覧

写真で出る工具を、作業ごとにまとめます。名前と作業を一組で覚えます。

作業工具見分けるところ
金属の箱に丸い穴ノックアウトパンチャ刃と受けで板をはさみ、打ち抜く
金属板・木材に穴ホルソ電気ドリルに付ける、のこ刃が輪になった筒
木材に穴羽根ぎりクリックボールに付ける、先がきりで刃が平たい
手で回して穴あけ・ばり取りクリックボールUの字に曲がった柄を回す
コンクリートに穴振動ドリル振動を切り替えるドリル
金属管を曲げるパイプベンダ管を沿わせる弧形の頭と長い柄
硬質塩ビ管を温めて曲げるトーチランプガスの炎を出す筒
金属管の内側のばり取りリーマ円すい形の刃(クリックボールに付ける)
硬質塩ビ管の管端の面取り面取器円すい形の刃が付いた樹脂の握り
金属管を切る金切りのこ・パイプカッタのこ刃/管を回して切る円盤刃
金属可とう電線管を切るプリカナイフ刃が内側に曲がった小刀
合成樹脂管を切る合成樹脂管用カッタはさみ形で管をはさんで切る
金属管にねじを切るねじ切り器ダイスを付けて回す
金属管を固定するパイプバイス管をはさむ台
ロックナットを締めるウォータポンププライヤ開きを何段にも変えられるプライヤ
太いケーブルを切るケーブルカッタ長い柄の大きな刃
VVFの被覆をむくVVFストリッパゲージ付きのペンチ形
電線の被覆を削ってむく電工ナイフ折りたたみの小刀
リングスリーブを圧着する圧着ペンチ(リングスリーブ用)柄が黄色
裸圧着端子を圧着する圧着ペンチ(裸圧着端子用)柄が赤
管に電線を通す呼び線挿入器(通線器)巻いたワイヤ
電線のたるみを取る張線器ワイヤをつかんで巻き取る

似た形の工具は「何を加工するか」で見分けます。写真は、まず何に使う工具かを考えてから名前を選ぶと迷いません。

作業→工具名の順に覚える。管の種類で曲げ方・切り方が変わる

よく出る材料の一覧

写真で出る材料を、使う場所ごとにまとめます。

使う場所材料見分けるところ
金属管と金属管をつなぐカップリング両側から管を入れる筒(ねじなし管用は止めねじ付き)
硬質塩ビ管どうしをつなぐTSカップリング樹脂の筒
電線管とボックスをつなぐボックスコネクタねじとロックナットでボックスに固定
ボックスに固定するロックナットふちがぎざぎざの薄いナット
金属管の直角の曲げノーマルベンドあらかじめ曲げた管
露出配管の直角の曲がり角ユニバーサルふたの付いた曲がり箱
管端で被覆を守る絶縁ブッシング樹脂の輪(オレンジ色が多い)
管端から電線を引き出す(垂直配管は不可)ターミナルキャップ穴の並んだふた
屋外で管端から電線を引き出すエントランスキャップ下向きの口
金属管に接地線をつなぐ接地金具(ラジアスクランプ)管に巻く金属の帯
管を造営材に固定するサドルΩの形の金具
VVFを造営材に固定するステップルコの字の留め具
VVFどうしを接続する箇所VVF用ジョイントボックス透明・黒の小さな箱
管が集まる所の接続・引き入れプルボックス大きな四角い箱
器具の取付け・接続(金属管)アウトレットボックス打ち抜き穴の並んだ金属の箱
コンクリートに埋め込むコンクリートボックス底板が外せる箱
スイッチ・コンセントの取付けスイッチボックス細長い箱
ボックスの穴でケーブルを守るゴムブッシングゴムの輪
スイッチなどを並べて付ける埋込連用取付枠器具をはめる金属の枠
電線を接続する(圧着)リングスリーブ小・中・大の金属の筒
電線を接続する(差し込み)差込形コネクタ電線を差し込む穴(2本用・3本用・4本用)
ケーブルをまとめて載せるケーブルラックはしご形の台
照明器具を自由な位置に付けるライティングダクト溝のある細長いレール
露出で電線を収める金属線ぴ細長い金属のとい

同じ「つなぐ」部品でも、管と管・管とボックス・電線と電線で名前が違います。

管―管=カップリング、管―ボックス=ボックスコネクタ、電線―電線=リングスリーブ・差込形コネクタ

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どこから読むかは第二種電気工事士の勉強の順番(過去の傾向から)にまとめています。このページの数値・基準は、2026年4月1日時点の電気設備技術基準・同解釈・電気工事士法などにもとづきます(2026年10月確認)。