基本情報技術者 学習ページ|科目A・プロジェクトマネジメント

日程を計画し管理する

プロジェクトの日程管理では、作業の前後関係と所要期間から全体の期間を求める問題が出ます。アローダイアグラム、見積り、進捗表、日程短縮の方法を数値と用語の両面から整理します。

クリティカルパス

作業の前後関係と所要日数をネットワークで表すと、開始から終了までの経路ごとの所要時間を比較できます。全体の完了時期を決める最長経路がクリティカルパスです。この経路上の作業が遅れると、他の対策を取らない限り全体の完了も遅れます。

最早結合点時刻は開始側から、最遅結合点時刻は終了側から計算します。結合点の余裕は最遅結合点時刻-最早結合点時刻で求められます。

全体期間を決める最長経路がクリティカルパス。

日程表を読み分ける

ガントチャートは、作業を縦方向に並べ、横方向の時間軸に棒で開始時期と終了時期を示します。各作業の予定期間や進捗状況を視覚的に把握しやすい表現です。

バーンダウンチャートは、反復型の開発などで、時間の経過に対して残作業量がどのように減っているかを表します。ガントチャートは各作業の期間、バーンダウンチャートは残作業量の推移を見ると整理します。

ガントは作業期間、バーンダウンは残作業量の推移を見る。

三点見積り

作業時間の見積りでは、一つの値だけでなく不確実性を考慮する方法があります。三点見積りでは、楽観値、最可能値、悲観値の三つを使います。PERTで用いられる代表的な期待値は、楽観値をa、最可能値をm、悲観値をbとすると、(a+4m+b)÷6です。

単純平均の(a+m+b)÷3とは重みが異なるため、式を取り違えないようにします。最可能値に4倍の重みがあることを確認して計算します。

PERTの期待値は楽観+4×最可能+悲観を6で割る。

日程を短縮する

計画より短い期間で完了させるための代表的な方法に、クラッシングとファストトラッキングがあります。クラッシングは、追加要員の投入などによってコストを増やし、作業期間を短縮する方法です。

ファストトラッキングは、本来は順番に行う作業の一部を重ねて並行実施し、期間を短縮します。クラッシングはコスト増、ファストトラッキングは手戻りなどのリスク増という違いで整理します。

クラッシングは資源追加、ファストトラッキングは並行化。

見積り手法を選ぶ

過去の似た案件を基に見積もる方法が類推見積り、規模と工数などの統計的な関係を使う方法がパラメトリック見積りです。作業を細かく分解して各作業を見積もり、それらを集計する方法がボトムアップ見積りです。

一般に、ボトムアップ見積りは詳細情報を多く使える一方、作業分解や集計に手間がかかります。似た案件の経験値を使う類推見積りとは根拠が異なる点を押さえます。

類推・パラメトリック・ボトムアップは見積り根拠で区別する。

本番の形で解いてみる

科目Aの形: 四肢択一(表を読む)(このページのために作った問題)

作業A〜Fの所要日数と直前作業が次の表のとおりである。全作業の完了までに必要な最短日数はどれか。各作業は直前作業が全て終了してから開始する。

作業所要日数直前作業
A3なし
B4なし
C5A
D2A
E3B
F2C,D,E
  1. 9日
  2. 10日
  3. 11日
  4. 12日
答えと解説を見る

正解: 10日

FはC、D、Eの全てが終わるまで開始できません。Cの終了は3+5=8日、Dは3+2=5日、Eは4+3=7日なので、Fは8日目終了後に開始し、全体は8+2=10日です。

まちがえやすい点: 合流点では直前作業の終了時刻の最大値を使う。

科目Aの形: 四肢択一(計算)(このページのために作った問題)

ある作業の所要期間について、楽観値を4日、最可能値を7日、悲観値を16日と見積もった。PERTの三点見積りによる期待値はどれか。

  1. 7日
  2. 8日
  3. 9日
  4. 10日
答えと解説を見る

正解: 8日

PERTの期待値は(楽観値+4×最可能値+悲観値)÷6で求めます。(4+4×7+16)÷6=48÷6=8日です。

まちがえやすい点: 三つの値の単純平均ではなく、最可能値に4倍の重みを付ける。

科目Aの形: 四肢択一(このページのために作った問題)

プロジェクトの日程短縮の方法に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. クラッシングは、追加の資源を投入するなどしてコスト増と引換えに期間短縮を図る
  2. クラッシングは、順序関係のある作業を重ねて実施し、手戻りのリスクと引換えに期間短縮を図る
  3. ファストトラッキングは、作業の品質基準を下げることによって期間短縮を図る
  4. ファストトラッキングは、要員単価の低い担当者へ置き換えることによって期間短縮を図る
答えと解説を見る

正解: クラッシングは、追加の資源を投入するなどしてコスト増と引換えに期間短縮を図る

クラッシングは資源追加などによってコストを増やし、期間短縮を図る方法です。順序関係のある作業を一部並行して実施するのはファストトラッキングです。

まちがえやすい点: コスト増を伴う資源追加がクラッシング、並行化によるリスク増がファストトラッキング。

基本情報の学習ページ

ほかの学習ページの一覧と、2択の用語カード(750語)は、基本情報技術者のページにあります。

基本情報技術者のページへ →

このページの内容は、IPA「基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2」(2026年1月公表)と試験要綱Ver.5.6の範囲にもとづきます(2026年10月確認)。IPAは2027年度春ごろから新しい試験制度に移る予定です。