基本情報技術者 学習ページ|科目A・システム監査
システム監査の要点
システム監査では、監査人の独立性、監査証拠、監査の流れ、各種の基準の役割を区別することが大切です。監査を行う人と、監査される部門の責任を混同しないように整理します。
監査の目的
システム監査では、情報システムに関するリスクへの対応や管理の状況などを、独立した立場から検証・評価し、その結果を関係者へ伝えます。監査は、対象部門の業務を代わりに実施したり、対象部門の意思決定を引き受けたりする活動ではありません。
監査結果に基づき改善提案を行う場合もありますが、改善を実行する責任は原則として監査対象側の管理者にあると考え、監査人の役割と分けます。
監査人は独立した立場で検証・評価し、実施責任とは分ける。
独立性を保つ
監査の信頼性を保つには、監査人が監査対象から不当な影響を受けず、客観的に判断できることが必要です。外観上の独立性は、組織上の立場や利害関係などから見て、第三者にも独立していると認められる状態を指します。
精神上の独立性は、監査人自身が偏りや圧力に左右されず、公正な判断を保つことです。所属部署だけでなく、判断の姿勢も独立性に含まれると整理します。
外観上は立場、精神上は判断姿勢の独立性を見る。
監査の流れ
監査では、対象やリスクを把握して監査計画を立て、実際の監査手続を通じて証拠を集め、評価して結論を形成します。実施段階では、全体像をつかむ予備調査の後、必要な事項を詳しく確かめる本調査へ進む考え方があります。
その後、結果を監査報告書として伝え、改善状況を確認するフォローアップを行います。監査証拠の入手と評価は結論の根拠を作る工程です。
計画・調査・評価・報告・フォローアップの流れを押さえる。
監査証拠を集める
監査証拠は、監査人が結論を形成するための根拠となる情報です。文書の閲覧、担当者への質問、現場の観察、設定や記録の確認など、監査目的に応じた手続で入手します。
証拠は、単に量が多ければよいのではなく、監査目的に照らして適切で、結論を支えるだけの十分性が求められます。監査人は実施した手続や得た証拠、判断過程を監査調書として記録し、後から検証できるようにします。
監査証拠は結論の根拠、監査調書は手続と判断の記録。
監査基準を区別する
システム監査では、監査人が監査を行う際の考え方や行動の基準と、情報システムを適切に管理するための管理側の基準を区別します。システム監査基準は監査の実施側での判断や行動に関係し、システム管理基準はシステムの企画・開発・運用などの管理に関する考え方を示します。
また、情報セキュリティ監査基準は情報セキュリティに関する監査の実施に用いられ、情報セキュリティ管理基準は組織が情報セキュリティ管理を行う際の基準として用いられます。
監査側の基準と、管理する側の基準を区別する。
本番の形で解いてみる
科目Aの形: 四肢択一(このページのために作った問題)
システム監査人の独立性に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 外観上の独立性とは、監査人が自分の判断に自信を持っている状態をいう
- 精神上の独立性とは、監査対象部門と組織上の指揮命令関係がない状態だけをいう
- 外観上の独立性では第三者から見た立場や利害関係も考慮し、精神上の独立性では偏りなく判断できる姿勢を保つ
- 監査人が十分な専門知識を持っていれば、監査対象業務の実施責任者を兼ねても独立性に影響しない
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正解: 外観上の独立性では第三者から見た立場や利害関係も考慮し、精神上の独立性では偏りなく判断できる姿勢を保つ
外観上の独立性は第三者から見た組織上・利害上の独立した状態、精神上の独立性は偏りや圧力に左右されず公正に判断する姿勢を指します。専門知識があっても、対象業務の実施責任との兼務は独立性を損なうおそれがあります。
まちがえやすい点: 外観上は立場、精神上は判断姿勢と対応させる。
科目Aの形: 四肢択一(このページのために作った問題)
システム監査における監査証拠と監査調書に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 監査証拠は監査結論の根拠となる情報であり、監査調書には実施した手続や得た証拠、判断過程などを記録する
- 監査証拠は監査人が作成する監査報告書そのものであり、監査調書は監査対象部門が保管する業務記録である
- 監査証拠は監査対象部門の自己評価の結果だけで足り、監査調書は監査人の手控えなので保存しなくてよい
- 監査証拠は量が多いほど望ましく、監査調書には監査報告書と同じ内容だけを記載する
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正解: 監査証拠は監査結論の根拠となる情報であり、監査調書には実施した手続や得た証拠、判断過程などを記録する
監査証拠は監査人が結論を形成するための根拠となる情報です。監査調書には、実施した監査手続、入手した証拠、判断の過程などを記録します。
まちがえやすい点: 証拠は結論の根拠、調書は監査人がその手続と判断を記録したもの。
科目Aの形: 四肢択一(表を読む)(このページのために作った問題)
次の基準P〜Rと説明の組合せとして、最も適切なものはどれか。
| 記号 | 基準 |
|---|---|
| P | システム監査基準 |
| Q | システム管理基準 |
| R | 情報セキュリティ監査基準 |
- P=監査人の判断や行動の基準、Q=情報システム管理の基準、R=情報セキュリティ監査の実施基準
- P=情報システム管理の基準、Q=監査人の判断や行動の基準、R=情報セキュリティ監査の実施基準
- P=情報セキュリティ監査の実施基準、Q=情報システム管理の基準、R=監査人の判断や行動の基準
- P=監査人の判断や行動の基準、Q=情報セキュリティ監査の実施基準、R=情報システム管理の基準
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正解: P=監査人の判断や行動の基準、Q=情報システム管理の基準、R=情報セキュリティ監査の実施基準
システム監査基準は監査の実施側、システム管理基準は情報システムを管理する側の基準です。情報セキュリティ監査基準は、情報セキュリティに関する監査の実施に用いられます。
まちがえやすい点: 監査する側の基準と、管理する側の基準を入れ替えない。
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