FP3級 学習ページ|CH03 金融資産運用

金融・経済の基本

GDPは名目と実質を見分ける

GDP(国内総生産)は、一定期間に国内で新たに生み出された財・サービスの付加価値の合計です。

名目GDPはその時点の価格で計算し、実質GDPは物価変動の影響を取り除いて計算します。景気や生産量の変化を見るときは、物価の影響を除いた実質GDPが手掛かりになります。

「国内」で生産された付加価値を見る指標であり、日本企業が海外で生み出した付加価値をそのまま国内GDPに含めるわけではありません。

経済成長率は、経済の規模が前の期間からどれだけ増えたか減ったかを示す割合です。物価変動の影響を除いた実際の伸びを見るときは、実質GDPの伸び率(実質経済成長率)を使います。

GDP=国内の付加価値。名目はその時の価格、実質は物価変動を除く

景気動向指数は先行・一致・遅行を区別する

景気動向指数は、複数の経済指標を組み合わせて景気の動きをとらえる指標で、内閣府が公表しています。

系列は、景気に先行して動きやすい先行系列、景気とほぼ同時に動く一致系列、景気に遅れて動きやすい遅行系列に分かれます。完全失業率は遅行系列です。

CI(コンポジット・インデックス)は景気変動の大きさやテンポを測ることを主な目的とし、DIは景気の動きが各経済部門へどの程度広がっているかを見る指標です。

CI=景気変動の大きさ・テンポ。完全失業率=遅行系列

日銀短観・マネーストック・物価指数

日銀短観は、日本銀行が企業の景況感などを調査する全国企業短期経済観測調査です。代表的な業況判断DIは、「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を差し引いて求めます。

マネーストックは、一般法人・個人・地方公共団体などの通貨保有主体が持つ現金や預金などの残高を集計したもので、日本銀行が作成・公表しています。

物価を見る代表的な指標では、消費者物価指数(CPI)が消費者が購入する財・サービスの価格変動を、企業物価指数が企業間で取引される商品の価格変動をとらえます。日銀短観を企業物価指数と混同しないようにします。

短観=企業の景況感、マネーストック=世の中の通貨量、CPI=消費者物価

金利・為替・株価・債券価格の基本関係

市場はさまざまな要因で動くため必ず同じ方向になるとは限りませんが、試験では一般的な関係を押さえます。

国内金利が上昇すると、円建て資産の魅力が相対的に高まり、一般に円高要因になります。反対に、海外金利が上昇して日本との金利差が拡大すると、その通貨が買われ、円安要因になることがあります。

景気が良く企業業績の改善が期待される局面では株価の上昇要因となります。一方、市場金利が上昇すると既発債券の価格は下落し、市場金利が低下すると既発債券の価格は上昇するのが基本です。

物価上昇による資産の実質的な価値の低下に備えることをインフレヘッジといいます。インフレリスク(購買力リスク)は、物価上昇によって同じ金額で購入できる商品やサービスの量が減るリスクです。実質金利は、名目金利から物価上昇率の影響を差し引いて考える金利で、簡便には「名目金利-インフレ率」で捉えます。名目金利は、物価変動の影響を調整していない、表面上表示される金利です。

一般に、金利差拡大は高金利通貨高の要因。金利↑なら債券価格↓

金融政策と公開市場操作

日本銀行は物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することを理念として金融政策を行います。

金融市場で国債などを売買して資金量を調節する方法が公開市場操作(オペレーション)です。日本銀行が金融機関から国債などを買い入れる買いオペは、市場に資金を供給する方向に働きます。反対に売りオペは、市場から資金を吸収する方向に働きます。

財政政策は、政府が公共投資や税制などを通じて景気を調整する政策です。一般に、公共投資の拡大や減税は景気を刺激する方向に、公共投資の抑制や増税は景気を抑える方向に働きます。財政政策は政府、金融政策は日本銀行と、行う主体が異なります。

買いオペ=資金供給、売りオペ=資金吸収。金融政策は日銀、財政政策は政府

本番の形で解いてみる

学科・○×式(日本FP協会 2026年5月の公開問題 学科問11と同じ形)

日本銀行が売りオペレーションを行うと、市場から資金が吸収され、市場金利を上昇させる方向に働く。

正しければ○、誤っていれば×。

答えと解説を見る

正解: ○

売りオペレーションは、日本銀行が国債などを売却して市場から資金を吸収するため、市場金利を上昇させる方向に働く。まちがえやすい点: 買いオペは資金供給・金利低下方向、売りオペは資金吸収・金利上昇方向である。

4択の確認問題

景気・金融指標に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 景気動向指数のDI(ディフュージョン・インデックス)は、景気変動の大きさや量感を測定することを主な目的とする。
  2. マネーストックとは、日本銀行が保有する現金通貨の残高を集計したものである。
  3. 消費者物価指数(CPI)は、全国の世帯が購入する財・サービスの価格変動を測定する指標である。
  4. 景気動向指数のCI(コンポジット・インデックス)は、景気拡張の各経済部門への波及度合いを測定することを主な目的とする。
答えと解説を見る

正解: 消費者物価指数(CPI)は、全国の世帯が購入する財・サービスの価格変動を測定する指標である。

消費者物価指数(CPI)は全国の家計が購入する財・サービスの価格変動を測定する指標で総務省が作成・公表。CIは景気変動の大きさ・量感の測定が目的、DIは景気拡張の各部門への波及度合いが目的。マネーストックは一般法人・個人・地方公共団体等が保有する通貨量の残高で日本銀行が作成・公表。

4択の確認問題

日本銀行が売りオペレーションを行い、市場金利が上昇した場合の一般的な影響として、最も適切なものはどれか。

  1. 既発債券の価格が下落する
  2. 円安の要因となる
  3. 市中の資金量が増加する
  4. 既発債券の価格が上昇する
答えと解説を見る

正解: 既発債券の価格が下落する

市場金利が上昇すると、すでに発行されている利率の低い債券の魅力が下がるため、既発債券の価格は下落する。まちがえやすい点: 売りオペレーションは市中の資金を吸収して金利の上昇を促すもので、国内金利の上昇は一般に円高の要因となる。

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どこから読むかはFP3の勉強の順番(過去の傾向から)にまとめています。試験に出る数字は勉強の順番のページの一覧にまとめています。このページの数字・制度は、2026年4月1日時点の法令などにもとづきます(2026年10月確認)。