FP3級 学習ページ|CH03 金融資産運用

セーフティネットと金融の法律

預金保険制度は「全額保護」と「1,000万円まで」を分ける

預金保険制度は、対象となる金融機関が破綻したときに預金者を保護する制度です。

決済用預金は全額保護されます。決済用預金は、無利息・要求払い・決済サービスを提供できるという3つの要件を満たす預金です。

定期預金や利息の付く普通預金などの一般預金等は、原則として1金融機関ごとに預金者1人当たり元本1,000万円までとその利息等が保護されます。

外貨預金や譲渡性預金などは預金保険制度の保護対象外です。

一般預金等について元本1,000万円までとその利息等を保護する仕組みは、一般にペイオフと呼ばれます。決済用預金はこの上限によらず全額保護されます。

預金保険制度で守られる額の見分け方(1金融機関・預金者1人あたり)。例題: A銀行に決済用預金300万円・利息の付く普通預金600万円・定期預金700万円・外貨預金200万円。A銀行が破綻したら、守られる元本は? 図: 決済用預金は全額、普通預金と定期預金は合わせて1,000万円まで(残り300万円は守られない)、外貨預金は対象外。式: 300万+1,000万=1,300万円(+利息)。こう聞かれたら: 無利息・要求払い・決済サービスの3つを満たす預金は全額、利息の付く普通預金や定期預金は合わせて1,000万円まで、外貨預金や譲渡性預金は対象外、証券会社の破綻は投資者保護基金。

決済用預金=全額。一般預金等=1金融機関1人元本1,000万円+利息等

証券会社が破綻したときの投資者保護

証券会社は、顧客から預かった金銭や有価証券を自社の財産と分けて管理する分別管理を行います。

証券会社が破綻し、分別管理義務に違反していたため顧客資産を返還できない場合には、日本投資者保護基金による補償の対象となることがあります。補償の上限は、原則として顧客1人につき1証券会社当たり1,000万円です。

投資した株式や債券そのものの値下がりや、発行会社の倒産による損失を補償する制度ではありません。

投資者保護基金=証券会社の分別管理違反などで返せない資産を原則1,000万円まで補償

適合性の原則と消費者契約法

金融商品取引法の適合性の原則では、金融商品取引業者等は、顧客の知識・経験・財産の状況や契約を締結する目的に照らして、投資者保護に欠けるおそれのある不適当な勧誘をしてはならないとされています。

また、消費者契約法では、事業者が重要事項について事実と異なることを告げ、消費者がそれを事実だと誤認して契約した場合などに、消費者が契約の申込みや承諾の意思表示を取り消せる場合があります。

金融商品取引法は金融取引のルール、消費者契約法は金融商品に限らず消費者契約を広く対象とする法律です。

適合性=顧客に合わない勧誘をしない。不実告知で誤認した契約は取消しの対象になり得る

金融サービス提供法と犯罪収益移転防止法

金融サービス提供法では、金融商品販売業者等に、金融商品のリスクなどの重要事項を、顧客の知識・経験・財産の状況や取引目的に照らして理解できる方法・程度で説明することなどを求めています。説明義務に違反して顧客に損害が生じた場合には、損害賠償責任が生じることがあります。

犯罪収益移転防止法は、マネー・ローンダリングなどを防ぐため、金融機関などの特定事業者に取引時確認や記録の作成・保存などを求めています。取引記録等は、原則として取引が行われた日から7年間保存します。

金融商品販売法は改正と改称を経て、現在は「金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律」(金融サービス提供法と呼ばれることもあります)になっています。古い教材の「金融商品販売法」は、現在の法律との対応に注意します。

金融サービス提供法=重要事項の説明。犯罪収益移転防止法=本人確認・記録、取引記録等は7年

本番の形で解いてみる

学科・三答択一式(日本FP協会 2026年5月の公開問題 学科問45と同じ形)

預金保険制度で全額保護される決済用預金は、無利息、要求払いに加え、(  )という要件を満たす預金である。

  1. 決済サービスを提供できる
  2. 預入期間が1年以上である
  3. 外貨建てである
答えと解説を見る

正解: 決済サービスを提供できる

決済用預金は、無利息、要求払い、決済サービスを提供できるという3要件をすべて満たす預金で、全額保護される。まちがえやすい点: 無利息であるだけでは決済用預金の要件を満たさない。

学科・○×式(日本FP協会 2026年5月の公開問題 学科問15と同じ形)

消費者契約法では、事業者が重要事項について事実と異なることを告げ、消費者がその内容を事実と誤認して契約した場合、その意思表示を取り消せることがある。

正しければ○、誤っていれば×。

答えと解説を見る

正解: ○

消費者契約法では、不実告知などによって消費者が誤認してした意思表示は、一定の場合に取り消すことができる。まちがえやすい点: 金融サービス提供法の損害賠償責任と、消費者契約法の取消しを区別する。

4択の確認問題

預金保険制度に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 決済用預金(無利息・要求払い・決済サービスを提供できる)は、全額が保護される。
  2. 外貨預金や譲渡性預金も、預金保険制度による保護の対象となる。
  3. 一般預金等は、1金融機関ごとに預金者1人当たり元本500万円までとその利息等が保護される。
  4. 国内銀行の海外支店に預け入れた預金も、預金保険制度による保護の対象となる。
答えと解説を見る

正解: 決済用預金(無利息・要求払い・決済サービスを提供できる)は、全額が保護される。

無利息・要求払い・決済サービスを提供できるという3要件を満たす決済用預金は、金額にかかわらず全額が保護される。まちがえやすい点: 一般預金等の保護は1金融機関ごとに預金者1人当たり元本1,000万円までとその利息等で、外貨預金や譲渡性預金は対象外である。

この内容を問題で確かめる

読んだところを、問題で思い出してみましょう。

10問を解く →

どこから読むかはFP3の勉強の順番(過去の傾向から)にまとめています。試験に出る数字は勉強の順番のページの一覧にまとめています。このページの数字・制度は、2026年4月1日時点の法令などにもとづきます(2026年10月確認)。