FP3級 学習ページ|CH03 金融資産運用
ポートフォリオとデリバティブ
分散投資とアセットアロケーション
値動きの異なる複数の資産に資金を分けることを分散投資といいます。国内外の株式・債券など複数の資産へ分散することで、1つの資産だけに投資する場合に比べてポートフォリオ全体のリスクを抑えられることがあります。
資金をどの資産にどの割合で配分するかをアセットアロケーションといいます。時間の経過や値動きによって配分比率が崩れたとき、目標の比率へ戻すことをリバランスといいます。
一般に高いリターンを求めるほど大きな価格変動を受け入れる必要があり、リスクとリターンにはトレードオフの関係があります。
一定の金額を定期的に投資する方法をドルコスト平均法といい、価格が高いときは少なく、安いときは多く購入することになります。ただし、利益や元本が保証される方法ではありません。必要なときに希望する価格で売却・換金できない可能性を流動性リスクといいます。分散投資を考える際も、価格変動だけでなく換金のしやすさに注意します。株価・金利・為替など市場の変動によって資産価値が変動するリスクを市場リスクといいます。
分散=資産を分ける、アセットアロケーション=配分を決める、リバランス=配分を戻す
ポートフォリオの期待収益率
期待収益率は、将来得られると見込む収益率を確率などをもとに平均したものです。複数の資産を組み入れたポートフォリオの期待収益率は、各資産の期待収益率を組入比率で加重平均して求めます。
ポートフォリオの期待収益率 = 各資産の期待収益率 × 各資産の組入比率 の合計
たとえば期待収益率2%の資産を40%、5%の資産を60%組み入れるなら、2%×40%+5%×60%=3.8%です。
期待収益率は「収益率×組入比率」の加重平均
標準偏差と相関係数
投資でいうリスクは、単に損をする可能性ではなく、収益率のばらつきを指します。その大きさを表す代表的な指標が標準偏差で、標準偏差が大きいほど値動きのばらつきが大きいと考えます。
2つの資産がどの程度同じ方向に動くかを表すのが相関係数で、−1から+1の範囲をとります。+1に近いほど同じ方向、−1に近いほど逆方向に動く傾向が強くなります。
異なる2資産では、相関係数が−1のとき分散投資によるリスク低減効果が最大になります。ポートフォリオの期待収益率は各資産の加重平均と一致しますが、ポートフォリオのリスクは一般に各資産の標準偏差の加重平均以下になります。
相関係数は−1〜+1。分散効果が最大なのは−1
先物・オプション・スワップの基本
デリバティブ取引は、株式・債券・金利・通貨などの価格や指標をもとにした金融派生取引です。代表例に先物、オプション、スワップがあります。
先物取引は、将来の一定時点に、あらかじめ決めた条件で売買することを約束する取引です。オプション取引は、あらかじめ決めた価格で買ったり売ったりする「権利」を取引します。買う権利がコール、売る権利がプットです。オプションの買い手は、この権利の対価としてプレミアムを支払います。
他の条件が同じなら、一般に満期までの期間が長いほどオプションの価値が高くなる余地が大きく、プレミアムも高くなる方向に働きます。スワップ取引は、金利や通貨などから生じる将来のキャッシュフローを交換する取引です。
コール=買う権利、プット=売る権利。先物は約束、オプションは権利
制度改正は適用時期まで確認する
金融資産運用では、税制や投資制度が改正されることがあります。新しい制度を学ぶときは、改正が決まった時点ではなく、いつから適用される制度かまで確認します。法令基準日より後に開始する制度は、基準日時点の制度と混同しないようにします。
新制度は「決まった日」より「適用開始日」を確認
本番の形で解いてみる
学科・三答択一式(日本FP協会 2026年5月の公開問題 学科問43と同じ形)
期待収益率が年5%の資産Aに60%、年2%の資産Bに40%を配分したポートフォリオの期待収益率は、( )である。
- 3.2%
- 3.8%
- 4.2%
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正解: 3.8%
ポートフォリオの期待収益率は、5%×60%+2%×40%=3.8%である。まちがえやすい点: 各資産の期待収益率を単純平均せず、組入比率で加重平均する。
4択の確認問題
ポートフォリオ理論に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 相関係数が+1の2つの資産を組み合わせると、分散投資によるリスク低減効果が最大になる。
- シャープレシオは、リターンをリスク(標準偏差)で除した値で、値が低いほど効率的な運用といえる。
- 分散投資により、システマティックリスク(市場リスク)を完全になくすことができる。
- 相関係数が−1の2つの資産を組み合わせた場合、理論上はリスクをゼロにできる可能性がある。
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正解: 相関係数が−1の2つの資産を組み合わせた場合、理論上はリスクをゼロにできる可能性がある。
相関係数が−1(完全な負の相関)の場合、適切な配分で組み合わせることでポートフォリオのリスクをゼロにできる(理論上)。相関係数+1では分散効果なし。非システマティックリスク(個別リスク)は分散で低減できるが、市場リスクは低減できない。シャープレシオは高いほど効率的。
4択の確認問題
オプション取引に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
- プット・オプションとは、原資産を将来の一定期日にあらかじめ決められた価格(権利行使価格)で売る権利である。
- オプションのプレミアムは、他の条件が同一であれば、満期までの残存期間が長いほど高くなる。
- コール・オプションの買い手は、相場が上昇すると予想する場合に有利であり、損失は無限大になりうる。
- コール・オプションとは、原資産を将来の一定期日にあらかじめ決められた価格(権利行使価格)で買う権利である。
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正解: コール・オプションの買い手は、相場が上昇すると予想する場合に有利であり、損失は無限大になりうる。
コール・オプションの買い手は相場上昇時に有利だが、損失は支払ったプレミアム(オプション料)に限定される(無限大ではない)。損失が無限大になりうるのはコール・オプションの売り手。
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9問を解く →どこから読むかはFP3の勉強の順番(過去の傾向から)にまとめています。試験に出る数字は勉強の順番のページの一覧にまとめています。このページの数字・制度は、2026年4月1日時点の法令などにもとづきます(2026年10月確認)。