FP3級 学習ページ|CH05 不動産
不動産の有効活用と賃貸
表面利回りと純利回りを分ける
不動産投資の収益性を見るときは、収入だけを見る利回りと、費用を差し引いて見る利回りを区別します。
表面利回りは、年間の総収入を投資総額で割ったものです。
表面利回り = 年間総収入 ÷ 総投資額 × 100
純利回り(NOI利回り)は、年間総収入から管理費などの年間費用を差し引いた純収益を使います。
純利回り(NOI利回り)=(年間総収入 − 年間費用)÷ 総投資額 × 100
NOI利回りの分子は年間総収入そのものではありません。
表面=収入÷投資額、NOI=(収入−費用)÷投資額
土地活用の方式は「誰が資金を出し、誰が建てるか」で見分ける
自己建設方式は、土地所有者が自ら建設資金を調達して建物を建て、賃貸事業などを行う方式です。
事業受託方式では、土地所有者が資金を負担し、デベロッパーなどが企画、建設会社の選定、建物完成後の管理・運営などを受託します。建設資金までデベロッパーがすべて負担する方式ではありません。
等価交換方式は、土地所有者が土地を提供し、デベロッパーが建設資金を負担して建物を建て、土地・建物の権利をそれぞれの出資割合などに応じて取得する方式です。
土地信託方式は、土地を信託銀行などに信託し、受託者が建物の建設や管理・運営を行い、土地所有者は配当を受け取る方式です。
建設協力金方式は、入居予定の事業会社などから土地所有者が建設資金を借り受け、その事業会社の要望に沿った建物を建設し、完成後にその事業会社へ賃貸する方式です。
事業受託=地主が資金、等価交換=土地と建設資金を交換、建設協力金=入居者から資金
定期借地権なら土地を売らずに活用できる
土地を売却せず、一定期間だけ貸して活用する方法として定期借地権方式があります。
一般定期借地権は存続期間を50年以上とし、契約の更新をしない、建物再築による期間延長をしない、建物買取請求をしないという内容を定めます。
事業用定期借地権等は、専ら事業用建物の所有を目的とし、存続期間は10年以上50年未満です。居住用建物には利用できず、契約は公正証書で行います。
一般定期=50年以上、事業用=10年以上50年未満・居住用不可
賃貸の所得と消費税
土地や建物を貸して得る所得は、原則として不動産所得です。
不動産所得の金額 = 総収入金額 − 必要経費
消費税では、土地の貸付けは原則として非課税です。ただし、貸付期間が1か月未満の場合や、駐車場など施設の利用に伴う土地の使用は課税対象となります。
住宅の貸付けは、契約上住宅用であることなど一定の要件を満たし、貸付期間が1か月以上であれば原則として非課税です。一方、事務所や店舗などの建物の貸付けは課税対象となります。
土地・住宅家賃は原則非課税、事務所・店舗家賃は課税
J-REITと不動産投資の評価方法
不動産を証券化すると、多数の投資家から集めた資金で不動産へ投資し、賃料収入や売却益などを投資家へ分配する形にできます。J-REITは、日本の不動産投資信託で、投資法人などが複数の不動産へ投資する仕組みです。
不動産投資の評価では、将来得られる収益を現在価値に割り引いて考えるDCF法があります。NPV法は将来のキャッシュフローの現在価値から初期投資額を差し引いた正味現在価値を判断材料とし、IRR法はNPVが0になる割引率である内部収益率を投資判断に用います。
DCF=将来収益を現在価値へ。NPV=現在価値の差額、IRR=NPVを0にする収益率
本番の形で解いてみる
学科・○×式(日本FP協会 2026年5月の公開問題 学科問25と同じ形)
不動産投資の表面利回りは、年間賃料収入を投資金額で除して求める。
正しければ○、誤っていれば×。
答えと解説を見る
正解: ○
表面利回りは年間賃料収入÷投資金額×100で求める。まちがえやすい点: 管理費や修繕費などの経費を控除するのは純利回りである。
4択の確認問題
不動産投資の利回りに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 不動産の収益還元法において、直接還元法は将来の複数期間のキャッシュフローを現在価値に割り引いて評価する方法である。
- 純利回り(ネット利回り)は、年間賃料収入を投資金額で除した利回りで、表面利回りより高くなる。
- NOI利回りは、運営費用控除前の年間賃料収入を投資金額で除した利回りである。
- 表面利回り(グロス利回り)は、年間賃料収入を投資金額で除した利回りである。
答えと解説を見る
正解: 表面利回り(グロス利回り)は、年間賃料収入を投資金額で除した利回りである。
表面利回り=年間賃料収入÷投資金額。純利回り(ネット利回り)は年間賃料収入から諸費用を差し引いたNOIを投資金額で除したもので、表面利回りより低くなる。NOI利回りは運営費用控除後の純収益を基にした利回り。DCF法が将来キャッシュフローの現在価値評価、直接還元法は単年度の純収益を還元利回りで除す方法。
この内容を問題で確かめる
読んだところを、問題で思い出してみましょう。
10問を解く →どこから読むかはFP3の勉強の順番(過去の傾向から)にまとめています。試験に出る数字は勉強の順番のページの一覧にまとめています。このページの数字・制度は、2026年4月1日時点の法令などにもとづきます(2026年10月確認)。