FP3級 学習ページ|CH06 相続・事業承継

贈与税の特例

住宅取得等資金の贈与の非課税

2026年4月1日時点では、2024年1月1日から2026年12月31日までに、父母・祖父母などの直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受け、一定の要件を満たすと非課税の特例があります。

非課税限度額は、受贈者1人につき省エネ等住宅1,000万円、それ以外の住宅500万円です。受贈者のその年分の合計所得金額が2,000万円を超える場合は適用できません。住宅の床面積などによっては、より低い所得要件もあります。

住宅取得等資金の贈与の非課税は、直系尊属から一定の要件を満たす受贈者への贈与について適用される特例です。

住宅資金:省エネ等1,000万円/その他500万円、期限は2026年末

教育資金の一括贈与は新規の適用期間が終了

直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税制度は、受贈者1人につき1,500万円まで、そのうち学校等以外に支払う教育資金は500万円までを非課税とする制度でした。

ただし、教育資金管理契約に基づいて新たに信託等を行える期間は2026年3月31日で終了し、2026年度税制改正で延長されませんでした。2026年4月1日以後に新たに利用できる制度として覚えないことが大切です。3月31日までに拠出済みの金銭等には、引き続き所定のルールが適用されます。

教育資金1,500万円は新規利用が2026年3月31日で終了

結婚・子育て資金の一括贈与

父母・祖父母などの直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受ける制度は、2026年4月1日時点では2027年3月31日まで利用できます。

一定の要件を満たす18歳以上50歳未満の受贈者について、非課税限度額は1,000万円で、このうち結婚に関する費用は300万円が上限です。前年分の合計所得金額が1,000万円を超える場合は適用できません。

結婚・子育て1,000万円、結婚分300万円、2027年3月末まで

相続時精算課税を選べる人

相続時精算課税は、原則として、贈与年の1月1日に60歳以上の父母・祖父母などから、同日に18歳以上である推定相続人の子や孫などへの贈与について選択できる制度です。

贈与者ごとに選択できますが、いったん選択した贈与者については、その後に暦年課税へ戻せません。選択する場合は、原則として贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに相続時精算課税選択届出書を提出します。

原則60歳以上→18歳以上の子・孫等。一度選ぶとその贈与者は戻せない

年110万円の基礎控除と2,500万円の特別控除

2024年1月1日以後の贈与から、相続時精算課税にも毎年110万円の基礎控除があります。その年の贈与額からまず基礎控除110万円を差し引き(同じ年に2人以上の特定贈与者から贈与を受けたときは、110万円を贈与額の割合で分けます)、さらに特定贈与者ごとの特別控除2,500万円を差し引きます。2,500万円の特別控除は毎年復活するのではなく、過去に使った分だけ残額が減ります。

控除後に残額がある場合の税率は一律20%です。

贈与税額 =(贈与額 − 年110万円の基礎控除 − 特別控除の残額)× 20%

相続時精算課税の年110万円の基礎控除は毎年利用でき、この基礎控除内の贈与額は贈与者の死亡時にも相続税の課税価格へ加算されません。

精算課税は毎年110万円+累計2,500万円、その先20%

贈与者が死亡したときの相続税

相続時精算課税を選んだ贈与者が死亡したときは、この制度による贈与財産を相続税の計算に反映させます。

2024年1月1日以後の贈与では、毎年110万円の基礎控除の範囲内の部分は相続税の課税価格に加算しません。110万円を超える部分については、原則として贈与時の価額を基に相続税の計算に加えます。2,500万円の特別控除を使った部分も、相続税の計算から消えるわけではありません。

2,500万円の特別控除は贈与税の計算上の控除であり、その適用を受けた財産が相続税まで非課税になるわけではありません。

死亡時:年110万円部分は加算しない。特別控除2,500万円部分は相続計算へ

贈与税の配偶者控除

婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産または居住用不動産を取得するための金銭を贈与し、一定の要件を満たすと、暦年課税の基礎控除110万円とは別に最高2,000万円の配偶者控除を受けられます。

最大では、基礎控除と合わせて2,110万円まで控除できることになります。

贈与税の配偶者控除。例題: 婚姻期間25年の夫から妻へ、評価額2,500万円の自宅(居住用不動産)を贈与した。贈与税の課税価格はいくら? 図: 2,500万円のうち、配偶者控除2,000万円と基礎控除110万円を引いた390万円が課税価格。式: 2,500万−2,000万−110万=390万円。こう聞かれたら: 婚姻期間は20年以上、同じ配偶者からは一生に1回だけ、税額が0円になっても申告は必要、相続開始前の贈与でも2,000万円部分は相続税に加算しない。

婚姻20年以上・居住用・2,000万円+基礎控除110万円

配偶者控除は申告が必要

配偶者控除を受けるには、贈与税額が結果として0円になる場合でも贈与税の申告が必要です。

また、贈与を受けた年の翌年3月15日までに対象となる居住用不動産に実際に住み、その後も引き続き住む見込みであることなどの要件があります。

配偶者控除は自動ではない。申告が必要

本番の形で解いてみる

学科・○×式(日本FP協会 2026年5月の公開問題 学科問26と同じ形)

直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税特例では、原則として、受贈者の贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下であることが要件の一つである。

正しければ○、誤っていれば×。

答えと解説を見る

正解: ○

住宅取得等資金の贈与の非課税特例では、原則として受贈者のその年の合計所得金額が2,000万円以下であることが要件となる。まちがえやすい点: 一定の床面積が小さい住宅では所得要件が1,000万円以下となる場合がある。

学科・三答択一式(日本FP協会 2026年5月の公開問題 学科問56と同じ形)

2024年1月1日以後の相続時精算課税では、特別控除とは別に、1年間の贈与について最高( )の基礎控除を適用できる。

  1. 90万円
  2. 110万円
  3. 120万円
答えと解説を見る

正解: 110万円

2024年1月1日以後の相続時精算課税には、毎年110万円の基礎控除が設けられている。まちがえやすい点: 110万円の基礎控除と累計2,500万円の特別控除は別に適用される。

4択の確認問題

父母や祖父母から住宅の取得資金を贈与されたときの贈与税の非課税特例に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 配偶者の父母から受けた住宅取得等資金の贈与も、この特例の対象となる。
  2. 受贈者のその年の合計所得金額が2,000万円以下であることが要件の一つである。
  3. 非課税限度額は、省エネ等住宅が2,000万円、それ以外の住宅が1,000万円である。
  4. 取得する住宅の床面積は、原則として100㎡以上であることが要件である。
答えと解説を見る

正解: 受贈者のその年の合計所得金額が2,000万円以下であることが要件の一つである。

受贈者の贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下(床面積40㎡以上50㎡未満の住宅は1,000万円以下)であることが要件の一つである。まちがえやすい点: 非課税限度額は省エネ等住宅1,000万円・それ以外500万円で、2,000万円は所得要件の数字である。

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どこから読むかはFP3の勉強の順番(過去の傾向から)にまとめています。試験に出る数字は勉強の順番のページの一覧にまとめています。このページの数字・制度は、2026年4月1日時点の法令などにもとづきます(2026年10月確認)。