宅建士 参考書|第4章 税・価格の評定
不動産取得税
不動産に関係する税の全体像
| 税 | 国税か地方税か | 課税する者 | いつ課税されるか |
|---|---|---|---|
| 不動産取得税 | 地方税 | 都道府県 | 土地・家屋を取得したとき |
| 固定資産税 | 地方税 | 原則として市町村 | 毎年1月1日の所有者に課税 |
| 登録免許税 | 国税 | 国 | 登記・登録を受けるとき |
| 印紙税 | 国税 | 国 | 課税文書を作成したとき |
| 所得税(譲渡所得) | 国税 | 国 | 不動産を譲渡して所得が生じた年 |
| 贈与税 | 国税 | 国 | 財産を贈与により取得したとき |
不動産取得税は都道府県税で、普通税です。市町村税でも目的税でもありません。徴収は納税通知書による普通徴収です。
取得税は都道府県、固定資産税は原則市町村です。
何にいくら課税されるか
不動産取得税は、土地または家屋を取得した人に、その不動産が所在する都道府県が課税します。売買だけでなく、贈与や交換などによる取得も原則として対象です。
課税標準は原則として取得時の不動産の価格です。ここでいう価格は、原則として固定資産評価基準によって決定された価格であり、実際の売買代金や建築工事費ではありません。
家屋を改築して価値が増加したときは、その改築による増加価格が課税標準となります。「改築なら不動産取得税はかからない」という判断は誤りです。
| 取得する不動産 | 令和9年3月31日までの税率 |
|---|---|
| 土地 | 3% |
| 住宅 | 3% |
| 住宅以外の家屋 | 4% |
課税標準は原則評価額、土地・住宅3%、非住宅家屋4%です。
非課税となる取得
取得したからといって、すべて不動産取得税がかかるわけではありません。形式的な所有権移転などには非課税の規定があります。
- 相続による取得は非課税です。
- 法人の合併または一定の会社分割による取得は非課税です。
- 共有物の分割は、分割前の持分割合に相当する部分まで非課税です。持分割合を超えて取得した部分は非課税になりません。
一方、贈与による取得は原則として課税対象です。「相続も贈与も無償だから同じ」と考えないようにします。
相続・法人合併・持分相当の共有物分割は非課税です。
令和8年4月からの免税点
非課税とは別に、課税標準となるべき額が一定額に満たない少額の取得には免税点があります。令和8年4月1日以後の取得から金額が引き上げられています。
| 取得 | 免税点 |
|---|---|
| 土地 | 16万円未満 |
| 家屋を新築・増築・改築 | 66万円未満 |
| 家屋を売買・贈与・交換などで取得 | 34万円未満 |
面積が小さいだけでは非課税になりません。免税点は面積ではなく課税標準となるべき額で判定します。
令和8年4月以後は土地16万・建築66万・その他家屋34万未満です。
新築住宅と中古住宅の軽減
令和8年4月1日以後に取得する一定の新築住宅は、床面積が原則として40㎡以上240㎡以下であれば、住宅の価格から1,200万円を控除します。価格が1,200万円未満なら、その価格が控除の限度です。
一定の認定長期優良住宅は、控除額が1,300万円になります。
一定の中古住宅も、個人が自己の居住用として取得し、床面積40㎡以上240㎡以下で、原則として1982年1月1日以後に新築された住宅、または取得日前2年以内に耐震基準適合が証明された住宅などであれば、新築時期に応じた額を価格から控除できます。
| 中古住宅の新築時期 | 控除額 |
|---|---|
| 1954年7月1日~1963年12月31日 | 100万円 |
| 1964年1月1日~1972年12月31日 | 150万円 |
| 1973年1月1日~1975年12月31日 | 230万円 |
| 1976年1月1日~1981年6月30日 | 350万円 |
| 1981年7月1日~1985年6月30日 | 420万円 |
| 1985年7月1日~1989年3月31日 | 450万円 |
| 1989年4月1日~1997年3月31日 | 1,000万円 |
| 1997年4月1日以後 | 1,200万円 |
したがって、床面積210㎡の住宅は240㎡以下という面積要件を満たし得ます。中古住宅では面積だけでなく、自己居住・耐震・新築時期などの要件も合わせて判断します。
住宅は40~240㎡、新築は原則1,200万円控除です。
宅地の2分の1特例
令和9年3月31日までに宅地または宅地比準土地を取得した場合は、土地の価格そのものに3%を掛けるのではなく、価格の2分の1を課税標準として税額を計算します。
したがって、宅地の基本的な計算は「固定資産評価額×1/2×3%」です。住宅用土地について一定の要件を満たす場合には、さらに税額を軽減する制度があります。
宅地は令和9年3月末まで、価格の2分の1を課税標準にします。
新築家屋の取得時期
家屋が新築された場合は、原則として最初に使用または譲渡された日に取得があったものとみなします。
新築後、最初の使用も譲渡もされないまま6か月を経過したときは、原則としてその6か月を経過した日に所有者が取得したものとみなされます。したがって、「未使用なら新築から3年間は課税されない」という扱いではありません。
申告期限と実際の納税時期を混同しないようにします。不動産取得税は、取得者が税額を計算して取得日の翌日から2か月や3か月以内に申告納付する税ではなく、都道府県が税額を決定し、納税通知書によって徴収する普通徴収です。
新築家屋は最初の使用・譲渡、なければ原則6か月で取得扱いです。
本番の形で解いてみる
基本の問題(まなクエの問題集から)
不動産取得税と登録免許税の違いとして正しいものはどれか。
- 不動産取得税は国税、登録免許税は地方税
- 不動産取得税も登録免許税も国税
- 不動産取得税は地方税(都道府県税)、登録免許税は国税
- 不動産取得税も登録免許税も地方税
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正解: 不動産取得税は地方税(都道府県税)、登録免許税は国税
不動産取得税は地方税(都道府県税)。登録免許税は国税(登記の登録に課税)。
基本の問題(まなクエの問題集から)
新築住宅の不動産取得税の軽減措置について正しいものはどれか。
- 新築住宅の課税標準から1,200万円を控除できる(一定の要件を満たす場合)
- 新築住宅は不動産取得税が非課税
- 新築住宅の不動産取得税は売主が負担する
- 新築住宅の控除額は500万円
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正解: 新築住宅の課税標準から1,200万円を控除できる(一定の要件を満たす場合)
新築住宅の軽減(地方税法73条の14):令和8年(2026年)4月1日以降に取得する新築住宅については、原則として床面積が40㎡以上240㎡以下であるものを対象として、課税標準から1,200万円を控除する(一定の認定長期優良住宅については1,300万円の控除)。
事例で判断する問題(この節のために作った問題)
令和8年6月、Aは固定資産評価額2,000万円の新築住宅を自己居住用として取得した。床面積は100㎡で、認定長期優良住宅ではない。他の要件も満たしている。この住宅の不動産取得税の課税標準として正しいものはどれか。
- 2,000万円
- 1,200万円
- 800万円
- 400万円
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正解: 800万円
令和8年4月1日以後の一定の新築住宅は40㎡以上240㎡以下が対象で、価格から1,200万円を控除します。2,000万円-1,200万円=800万円です。
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読んだところを、問題で思い出してみましょう。
宅建の問題を解く →出典: e-Gov法令検索「地方税法」。このページの法令は令和8年(2026年)4月1日現在の法令にもとづきます(e-Govで確かめた日 2026年10月11日)。このページの作り方と確かめ方