宅建士 参考書|第4章 税・価格の評定
固定資産税
納税義務者は1月1日現在で判定する
固定資産税は、土地・家屋・償却資産に対して、その固定資産が所在する市町村が課税する税です。賦課期日は毎年1月1日です。
土地・家屋では、原則として1月1日現在、登記簿または固定資産課税台帳に所有者として登記・登録されている者が納税義務者です。建物を賃貸していても、賃借人が固定資産税の納税義務者になるわけではありません。
1月1日後に売買しても、その年度の固定資産税について法律上の納税義務者が買主に月割り・日割りで交代する制度ではありません。売買当事者間で税負担を精算しても、それは固定資産税の納税義務そのものとは別です。
質権の目的である土地や、100年より長い存続期間を定めた地上権の目的である土地では、質権者または地上権者が納税義務者となります。
固定資産税は1月1日で判定し、年度途中の売買でも法律上の納税義務者を月割り・日割りで交代させません。
登記名義人が1月1日前に死亡しているときは例外がある
土地・家屋の登記名義人である個人が賦課期日前に死亡しているときは、死亡した名義人に課税するのではありません。1月1日にその土地・家屋を現に所有している者が所有者として扱われます。
したがって、「1月1日前に登記名義人が死亡していても、相続登記が終わっていなければ死亡した名義人がその年度の納税義務者になる」という判断は誤りです。
登記名義人が1月1日前に死亡していれば、1月1日に現に所有している者を見ます。
住宅用地は200㎡を境に6分の1と3分の1
固定資産税の課税標準は、原則として固定資産課税台帳に登録された価格を基礎にします。ただし住宅用地には課税標準の特例があります。
| 住宅用地 | 固定資産税の課税標準 |
|---|---|
| 小規模住宅用地 | 価格の6分の1 |
| 一般住宅用地 | 価格の3分の1 |
小規模住宅用地は、原則として住宅1戸につき200㎡までの部分です。200㎡を超える住宅用地では、一定の範囲までが6分の1、その残りの一般住宅用地部分が3分の1となります。
住宅用地になったかどうかも1月1日の状況で判定します。1月1日の後に住宅用地になっても、その年度について住宅用地特例をさかのぼって適用するものではありません。
固定資産税の住宅用地は、200㎡までの小規模住宅用地が6分の1、一般住宅用地が3分の1です。
標準税率1.4%と免税点を分けて覚える
固定資産税の標準税率は1.4%です。1.7%を一律の上限とする規定ではありません。「1.7%を超える税率は絶対に定められない」という判断は誤りです。
免税点は、同一の者について同一市町村内の課税標準となるべき額が次の金額に満たない場合に問題になります。
| 資産 | 免税点 |
|---|---|
| 土地 | 30万円 |
| 家屋 | 20万円 |
| 償却資産 | 150万円 |
ただし、財政上その他特別の必要がある場合には、市町村は条例により免税点未満でも課税できる例外があります。
標準税率は1.4%、免税点は土地30万円・家屋20万円・償却資産150万円です。
徴収は普通徴収、納期は年4期が原則
固定資産税は普通徴収の方法で徴収します。特別徴収ではありません。
法律上の納期は、4月・7月・12月・翌年2月の各月中に、市町村の条例で定めます。ただし、特別の事情がある場合には異なる納期を定めることができます。そのため「全国の全市町村で同じ日が納期限」と考えてはいけません。
| 原則の期 | 法律が示す月 |
|---|---|
| 第1期 | 4月 |
| 第2期 | 7月 |
| 第3期 | 12月 |
| 第4期 | 翌年2月 |
固定資産税は普通徴収で、納期は原則4月・7月・12月・翌2月の年4期です。
縦覧・価格の修正・不服申出を区別する
納税者は、土地価格等縦覧帳簿または家屋価格等縦覧帳簿によって、自己の土地・家屋の価格と他の土地・家屋の価格を比較できます。縦覧期間は毎年4月1日から、4月20日またはその年度の最初の納期限の日のいずれか遅い日以後の日までです。「いつでも縦覧できる」わけではありません。
固定資産課税台帳に登録された価格等に重大な錯誤があることを市町村長が発見した場合、市町村長は直ちに価格等を修正し、台帳に登録したうえで、遅滞なく納税義務者へ通知します。
登録価格に不服がある納税者は、原則として固定資産評価審査委員会に審査の申出をします。通常は、価格の公示の日から納税通知書の交付を受けた日後3か月を経過する日までの間に文書で申し出ます。「通知後1か月以内」ではありません。
価格を見るのが縦覧、重大な錯誤は市町村長が修正、登録価格への不服は固定資産評価審査委員会です。
本番の形で解いてみる
基本の問題(まなクエの問題集から)
固定資産税の縦覧制度について正しいものはどれか。
- 納税者は他の者の固定資産税評価額を縦覧できない
- 納税者は土地・家屋の価格を縦覧帳簿で確認できる
- 固定資産税の縦覧制度はない
- 固定資産税の評価額は非公開
答えと解説を見る
正解: 納税者は土地・家屋の価格を縦覧帳簿で確認できる
縦覧制度(地方税法416条):原則として4月1日から当該年度の固定資産税の第1期納期限までの間、納税者は他の土地・家屋の固定資産税評価額等を縦覧帳簿で確認できる。縦覧期間の具体的な終了日は、第1期納期限が自治体によって異なるため、一律に『6月30日まで』というわけではない。
基本の問題(まなクエの問題集から)
固定資産税の分割納付について正しいものはどれか。
- 固定資産税は半期払いのみ
- 固定資産税は月払いのみ
- 固定資産税は一括納付のみ
- 固定資産税は年4回(4月・7月・12月・翌年2月)に分割して納付できる
答えと解説を見る
正解: 固定資産税は年4回(4月・7月・12月・翌年2月)に分割して納付できる
固定資産税(地方税法362条):4月・7月・12月・翌年2月の4回に分割納付(条例で異なる場合もある)。
事例で判断する問題(この節のために作った問題)
土地の登記名義人Aが12月20日に死亡し、その土地を唯一相続したBが翌年1月1日に現に所有していたが、相続登記はまだ行われていなかった。この年度の固定資産税の納税義務者について正しいものはどれか。
- 登記名義がAのままなので、死亡したAが納税義務者となる。
- 相続登記が済んでいないため、その年度は固定資産税を課すことができない。
- 1月1日に土地を現に所有しているBが納税義務者となる。
- 相続登記をした日からBが納税義務者となり、それ以前の期間はAに日割りで課税される。
答えと解説を見る
正解: 1月1日に土地を現に所有しているBが納税義務者となる。
登記・登録された所有者が賦課期日前に死亡しているときは、1月1日に土地を現に所有している者を所有者として扱います。この事例ではBが納税義務者です。
この内容を問題で確かめる
読んだところを、問題で思い出してみましょう。
宅建の問題を解く →出典: e-Gov法令検索「地方税法」。このページの法令は令和8年(2026年)4月1日現在の法令にもとづきます(e-Govで確かめた日 2026年10月11日)。このページの作り方と確かめ方