登録販売者 参考書|第4章 薬事関係法規・制度
医薬部外品と化粧品
医薬部外品の範囲
医薬部外品には、吐きけその他の不快感、口臭・体臭の防止、あせも・ただれ等の防止、脱毛の防止、育毛、除毛を目的とする物があります。また、人又は動物の保健のために、ねずみ、はえ、蚊、のみなどの衛生害虫類を防除する目的で使用される物も含まれます。
これらは機械器具等ではないものです。医薬部外品は、定められた範囲内で、成分や用法等に照らして人体への作用が緩和であることを要件として、医薬品的な効能効果を表示・標榜することが認められています。
また、化粧品としての使用目的をもつ製品でも、定められた範囲内の医薬品的効能効果を表示する場合には、薬用化粧品類、薬用石けん、薬用歯みがき類等として医薬部外品の枠内で承認されるものがあります。
医薬部外品は、一定範囲の医薬品的効能効果を標榜でき、衛生害虫の防除を目的とする物も含みます。
製造販売と販売の許可
医薬部外品を製造販売するには、製造販売業の許可が必要です。さらに、厚生労働大臣が基準を定めて指定するものを除き、品目ごとの承認を得る必要があります。
一方、医薬部外品の販売については、医薬品のような販売業の許可は必要ありません。一般小売店でも販売できます。
また、不良医薬部外品及び不正表示医薬部外品の販売は禁止されています。
医薬部外品は「製造販売業の許可+原則品目承認」が必要ですが、販売業の許可は不要です。
医薬部外品の表示
医薬部外品の直接の容器又は直接の被包には、「医薬部外品」の文字その他定められた事項の表示が義務付けられています。
| 区分 | 対象 | 識別表示 |
|---|---|---|
| 防除用医薬部外品 | ねずみ、はえ、蚊、のみ等の衛生害虫類の防除に使用される製品群 | 「防除用医薬部外品」 |
| 指定医薬部外品 | かつて医薬品であったが医薬部外品へ移行された製品群 | 「指定医薬部外品」 |
この2つの製品群は、用法用量や使用上の注意を守ることが他の医薬部外品より重要であるため、購入時や使用時に判別できるよう識別表示が行われます。
衛生害虫の防除は「防除用医薬部外品」、医薬品から移行した製品群は「指定医薬部外品」です。
化粧品の定義と効能効果
化粧品は、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つため、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用される物で、人体への作用が緩和なものです。
疾病の診断・治療・予防に使用することや、人の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことを目的とするものは、化粧品には含まれません。
化粧品は、上記の範囲内でのみ効能効果を表示・標榜できます。医薬品的な効能効果を表示・標榜することは一切認められていません。
| 表示例 | 化粧品での扱い |
|---|---|
| 毛髪につやを与える | 認められる範囲 |
| 乾燥による小ジワを目立たなくする | 認められる範囲 |
| 脱毛を防止する | 認められる範囲 |
| 芳香を与える | 認められる範囲 |
| 発毛を促進する | 認められない |
| 日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ | 認められない |
化粧品は清潔・美化・皮膚や毛髪を健やかに保つ範囲で表示でき、医薬品的効能効果は表示できません。
化粧品の製造販売と販売
化粧品を業として製造販売する場合は、製造販売業の許可を受け、あらかじめ品目ごとの届出を行う必要があります。ただし、厚生労働大臣が指定する成分を含有する化粧品は、品目ごとの承認が必要です。
化粧品を販売する場合には、医薬品のような販売業の許可は必要なく、一般小売店で販売できます。
化粧品の成分本質については、原則として医薬品の成分を配合できません。配合が認められる場合でも、添加物として使用されているなど、薬理作用が期待できない量以下に制限されます。
医薬品的な効能効果を表示・標榜すると、虚偽又は誇大な広告に該当するほか、内容によっては医薬品又は医薬部外品とみなされ、無承認無許可医薬品又は無承認無許可医薬部外品として取締りの対象となります。
化粧品は製造販売業の許可が必要ですが、販売業の許可は不要です。
医薬部外品と化粧品の違い
| 項目 | 医薬部外品 | 化粧品 |
|---|---|---|
| 人体への作用 | 緩和 | 緩和 |
| 医薬品的効能効果 | 定められた範囲内で表示可能 | 表示不可 |
| 化粧品的効能効果 | 薬用化粧品等で認められる場合がある | 定められた範囲で表示可能 |
| 製造販売業の許可 | 必要 | 必要 |
| 販売業の許可 | 不要 | 不要 |
| 品目ごとの手続 | 指定品を除き承認 | 原則届出。指定成分を含む場合は承認 |
| 直接容器等の区分文字 | 「医薬部外品」等の表示義務あり | 「化粧品」の文字表示義務は示されていない |
「医薬部外品は一定範囲の医薬品的効能を標榜可、化粧品は不可」が中心の違いです。
本番の形で解いてみる
本番の形の問題(五肢択一・この節のために作った問題)
医薬部外品及び化粧品に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
- a 医薬部外品を製造販売する場合には、製造販売業の許可が必要であり、厚生労働大臣が基準を定めて指定するものを除き、品目ごとに承認を得る必要がある。
- b 医薬部外品を一般小売店で販売するには、医薬品の販売業の許可が必要である。
- c 化粧品は、疾病の予防に使用されることを目的とする物を含む。
- d 化粧品において、医薬品的な効能効果を表示・標榜することは認められていない。
- a正 b正 c誤 d誤
- a正 b誤 c誤 d正
- a誤 b正 c正 d誤
- a誤 b誤 c正 d正
- a正 b誤 c正 d誤
答えと解説を見る
正解: a正 b誤 c誤 d正
aとdが正しい記述です。医薬部外品の製造販売には製造販売業の許可が必要で、指定されるものを除き品目ごとの承認が必要です。bは誤りで、医薬部外品の販売には医薬品のような販売業の許可は必要ありません。cは誤りで、疾病の診断・治療・予防を目的とする物は化粧品に含まれません。まちがえやすい点:製造販売に必要な許可と、一般小売店での販売に必要な許可を分けて考えます。
本番の形の問題(五肢択一・この節のために作った問題)
次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
- a 防除用医薬部外品は、衛生害虫類の防除のために使用される製品群である。
- b 指定医薬部外品の直接の容器等には「防除用医薬部外品」と表示する。
- c 化粧品は、定められた範囲内であれば医薬品的な効能効果を表示できる。
- d 医薬部外品には、吐きけその他の不快感又は口臭若しくは体臭の防止を目的とする物がある。
- aとb
- aとc
- aとd
- bとc
- cとd
答えと解説を見る
正解: aとd
正しいのはaとdです。bは誤りで、指定医薬部外品には「指定医薬部外品」と識別表示されます。cは誤りで、化粧品は医薬品的な効能効果を表示・標榜できません。まちがえやすい点:「防除用」と「指定」の表示名を逆にしないようにします。
本番の形の問題(五肢択一・この節のために作った問題)
ある販売店で、医薬部外品と化粧品の表示や販売方法を確認している。最も適切な説明はどれか。
- 衛生害虫類の防除を目的とする医薬部外品は、直接の容器等に「指定医薬部外品」と表示する。
- 一般小売店で医薬部外品を販売するには、店舗販売業の許可を受けなければならない。
- 化粧品では、「発毛を促進する」と表示することが認められている。
- 化粧品を業として製造販売する者は、製造販売業の許可を受け、原則としてあらかじめ品目ごとの届出を行う。
- 医薬部外品は、医薬品的な効能効果を表示・標榜することが一切認められていない。
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正解: 化粧品を業として製造販売する者は、製造販売業の許可を受け、原則としてあらかじめ品目ごとの届出を行う。
化粧品を業として製造販売する場合には製造販売業の許可を受け、原則として品目ごとの届出が必要です。指定成分を含有する場合は承認が必要です。衛生害虫類の防除製品は「防除用医薬部外品」、医薬部外品の販売業許可は不要、化粧品の「発毛促進」は認められず、医薬部外品には一定範囲の医薬品的効能効果の標榜が認められます。まちがえやすい点:医薬部外品と化粧品では、医薬品的効能効果を標榜できるかが逆です。
出典: 厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」(令和4年3月作成・令和8年4月一部改訂)。このページの内容は令和8年4月一部改訂の手引きにもとづきます(確かめた日 2026年10月12日)。過去の試験の出題は、東京都・関西広域連合・福岡県の令和5〜7年度の公開問題から数えました。このページの作り方と確かめ方