登録販売者 参考書|第4章 薬事関係法規・制度
保健機能食品等の食品
食品と医薬品の境界
食品とは、医薬品、医薬部外品及び再生医療等製品以外のすべての飲食物をいいます。
外形上は食品として販売されていても、成分本質、効能効果の標榜内容、形状、用法用量等に照らして医薬品とみなされる場合があります。その場合は、無承認無許可医薬品として取締りの対象となります。
医薬品に該当する要素としては、専ら医薬品として使用される成分本質を含むこと、医薬品的な効能効果を標榜・暗示すること、医薬品的な形状であること、医薬品的な用法用量の記載があることが示されています。
「食品として売っている」だけでは食品とは限らず、成分・効能表示・形状・用法用量で判断されます。
保健機能食品の3区分
特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品を総称して「保健機能食品」といいます。いずれも食生活を通じた健康の保持増進を目的とする食品です。
| 区分 | 仕組み | 個別許可・審査 |
|---|---|---|
| 特定保健用食品 | 特定の保健の目的が期待できる旨を表示 | 個別に審査を受け、許可又は承認が必要 |
| 栄養機能食品 | 基準に適合した栄養成分の機能を表示 | 個別の許可申請は不要 |
| 機能性表示食品 | 事業者の責任で科学的根拠に基づく機能性を表示 | 販売前に届出。個別の許可は受けない |
これらには、1日当たりの摂取目安量、摂取方法、摂取上の注意事項等が表示されます。
トクホは個別審査、栄養機能食品は自己認証、機能性表示食品は事前届出です。
特定保健用食品と特別用途食品
特定保健用食品は、健康増進法に基づく許可又は承認を受け、食生活において特定の保健の目的で摂取する人に対し、その摂取により当該保健の目的が期待できる旨を表示する食品です。
特定の保健の用途を表示するには、生理的機能や特定の保健機能を示す効果、安全性等について個別審査を受け、許可又は承認を取得する必要があります。疾病の予防又は治癒を表示する制度ではありません。
特別用途食品のうち、特定保健用食品を除くものには、乳児、幼児、妊産婦又は病者の発育又は健康の保持・回復に適する旨を医学的・栄養学的表現で記載し、用途を限定した食品があります。許可又は承認を受けて「特別の用途に適する旨の表示」をします。えん下困難者用食品も含まれます。
特定保健用食品は「特定の保健の目的が期待できる」食品で、個別の審査と許可・承認が必要です。
栄養機能食品
栄養機能食品は食品表示基準に規定された食品で、個別の許可申請を必要としない自己認証制度です。
販売するためには、1日当たりの摂取目安量に含まれる栄養成分量が、定められた下限値・上限値の範囲内である必要があります。また、栄養成分の機能だけでなく、摂取する上での注意事項と、消費者庁長官の個別の審査を受けたものではない旨も表示します。
| 栄養成分 | 本番の出題(公式の正答)で確認された機能表示 |
|---|---|
| 銅 | 赤血球の形成を助ける。多くの体内酵素の正常な働きと骨の形成を助ける。 |
| マグネシウム | 骨や歯の形成に必要。多くの体内酵素の正常な働きとエネルギー産生を助け、血液循環を正常に保つ。 |
| パントテン酸 | 皮膚や粘膜の健康維持を助ける。 |
| 亜鉛 | たんぱく質・核酸の代謝に関与して健康の維持に役立つ。 |
| ナイアシン | 皮膚や粘膜の健康維持を助ける。 |
一方、ビタミンDを「皮膚や粘膜の健康維持を助け、抗酸化作用を持つ」とする表示、β-カロテンを「体内の脂質を酸化から守り、細胞の健康維持を助ける」とする表示、ビタミンB6を「炭水化物からのエネルギー産生を助ける」とする表示、ビオチンを「骨や歯の形成に必要」とする表示は、本番では誤りとして扱われています。
栄養機能食品は個別許可不要ですが、成分量の基準、機能表示、注意事項等の表示が必要です。
機能性表示食品
機能性表示食品は、食品表示基準に規定されている食品です。事業者の責任で、科学的根拠に基づいた機能性関与成分の機能性を表示します。
販売前に、安全性及び機能性の根拠に関する情報などを消費者庁長官へ届け出る必要があります。特定の保健の目的が期待できるという食品の機能性を表示できますが、疾病リスクの低減に係るものは除かれます。
特定保健用食品と異なり、消費者庁長官の個別の許可を受けたものではありません。
また、健康被害と疑われる情報の収集や情報提供などについて、届出者の遵守事項が設けられています。
機能性表示食品は「事業者責任・販売前届出・個別許可なし」です。
健康食品と取締り
「健康食品」という言葉は、法令で定義された用語ではありません。栄養補助食品、サプリメント、ダイエット食品等と呼ばれることもあります。
保健機能食品以外の食品では、容器包装に保健機能食品と紛らわしい名称や、栄養成分の機能、特定の保健の目的が期待できる旨を示す用語を表示することはできません。
いわゆる健康食品で、医薬品の効能効果を暗示する表示が行われたり、製品中に医薬品成分が検出されたりした場合は、無承認無許可医薬品として取締りの対象となることがあります。
「健康食品」は法令上の区分名ではなく、内容や表示によっては医薬品として取り締まられます。
本番の形で解いてみる
本番の形の問題(五肢択一・この節のために作った問題)
保健機能食品等に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
- a 特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品を総称して保健機能食品という。
- b 栄養機能食品は、消費者庁長官の個別審査と許可を受けて販売する。
- c 機能性表示食品は、事業者の責任で科学的根拠に基づく機能性を表示し、販売前に安全性及び機能性の根拠に関する情報などを届け出る。
- d 特定保健用食品は、疾病の治癒が期待できる旨を表示する食品である。
- a正 b正 c誤 d誤
- a正 b誤 c正 d誤
- a誤 b正 c正 d誤
- a誤 b誤 c正 d正
- a正 b誤 c誤 d正
答えと解説を見る
正解: a正 b誤 c正 d誤
aとcが正しい記述です。bは誤りで、栄養機能食品は個別許可申請を必要としない自己認証制度です。dは誤りで、特定保健用食品は特定の保健の目的が期待できる旨を表示する食品で、疾病の治癒を表示するものではありません。まちがえやすい点:特定保健用食品の「個別許可」と機能性表示食品の「届出」を入れ替えないようにします。
本番の形の問題(五肢択一・この節のために作った問題)
次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
- a 栄養機能食品では、栄養成分の機能だけでなく摂取する上での注意事項も表示する必要がある。
- b 機能性表示食品は、消費者庁長官の個別の許可を受けた食品である。
- c 「健康食品」は法令で定義された食品区分である。
- d 外形上食品として販売されていても、成分本質や効能効果の標榜内容等によっては医薬品とみなされることがある。
- aとb
- aとc
- aとd
- bとc
- cとd
答えと解説を見る
正解: aとd
正しいのはaとdです。bは誤りで、機能性表示食品は個別許可を受ける制度ではありません。cは誤りで、「健康食品」は法令で定義された用語ではありません。まちがえやすい点:食品か医薬品かは販売時の呼称だけで決まらず、成分や効能表示等でも判断されます。
本番の形の問題(五肢択一・この節のために作った問題)
栄養機能食品や保健機能食品について購入者から相談を受けた。最も適切な説明はどれか。
- マグネシウムの栄養機能表示は、腸管のカルシウム吸収を促進し、骨の形成を助けるという内容である。
- 機能性表示食品は、消費者庁長官による個別の有効性・安全性審査を受けた後に許可される。
- 栄養機能食品は、基準に適合すれば個別の許可申請を要しないが、摂取上の注意事項等を表示する必要がある。
- 特定保健用食品は、疾病の予防又は治癒が期待できる旨を表示する食品である。
- 機能性表示食品は、販売後に安全性及び機能性の根拠に関する情報を消費者庁長官へ届け出る。
答えと解説を見る
正解: 栄養機能食品は、基準に適合すれば個別の許可申請を要しないが、摂取上の注意事項等を表示する必要がある。
栄養機能食品は自己認証制度で、個別の許可申請は不要ですが、定められた成分量の範囲に適合し、機能表示や摂取上の注意事項等を表示する必要があります。マグネシウムの表示内容を他の栄養素の機能と入れ替えるのは誤りです。機能性表示食品は販売前の届出であり、個別許可制度ではありません。特定保健用食品も疾病の治療を表示する制度ではありません。まちがえやすい点:「許可」「自己認証」「届出」の3制度を区別します。
出典: 厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」(令和4年3月作成・令和8年4月一部改訂)。このページの内容は令和8年4月一部改訂の手引きにもとづきます(確かめた日 2026年10月12日)。過去の試験の出題は、東京都・関西広域連合・福岡県の令和5〜7年度の公開問題から数えました。このページの作り方と確かめ方