登録販売者 参考書|第4章 薬事関係法規・制度
リスク区分に応じた陳列と掲示
医薬品は他の物と区別して陳列する
薬局開設者又は店舗販売業者は、医薬品を他の物と区別して貯蔵し、又は陳列しなければなりません。医薬部外品、食品、化粧品などと同じ売場で扱う場合も、医薬品との区別が必要です。
要指導医薬品と一般用医薬品も混在させず、区別して陳列します。さらに一般用医薬品は、第一類・第二類・第三類の区分ごとに陳列し、これらを混在させません。薬効分類が同じであっても、要指導医薬品と第一類医薬品を一緒に陳列することはできません。
情報提供を行うための設備内に置く場合でも、一般用医薬品をリスク区分ごとに分ける原則は変わりません。
医薬品は他の物と区別し、要指導と一般用、さらに第一類・第二類・第三類も混在させません。
要指導医薬品と第一類医薬品の陳列
要指導医薬品は、原則として要指導医薬品陳列区画の内部の陳列設備に陳列します。ただし、鍵をかけた陳列設備に置く場合、又は購入しようとする者等が直接手の触れられない陳列設備に置く場合は、区画内部でなくても構いません。
第一類医薬品も同じ考え方です。原則は第一類医薬品陳列区画の内部の陳列設備ですが、鍵をかけた陳列設備、又は購入しようとする者等が直接手の触れられない陳列設備であれば、第一類医薬品陳列区画の内部に置く必要はありません。
| 区分 | 原則の陳列場所 | 原則から外せる場合 |
|---|---|---|
| 要指導医薬品 | 要指導医薬品陳列区画の内部 | 鍵付き、又は購入者等が直接手を触れられない設備 |
| 第一類医薬品 | 第一類医薬品陳列区画の内部 | 鍵付き、又は購入者等が直接手を触れられない設備 |
要指導・第一類は区画内が原則ですが、鍵付き又は直接手を触れられない設備なら区画外でも陳列できます。
指定第二類は7メートルと1.2メートル
指定第二類医薬品は、原則として「情報提供を行うための設備」から7メートル以内の範囲に陳列します。第一類医薬品陳列区画からの距離ではありません。
ただし、鍵をかけた陳列設備に陳列する場合は、7メートル以内でなくても構いません。また、指定第二類医薬品を陳列する設備から1.2メートル以内の範囲に、購入しようとする者等が進入できないよう必要な措置を採っている場合も、7メートル以内という条件から外れます。
この例外は販売を担当する者の資格によって決まるものではありません。薬剤師が販売するという理由だけで、7メートルの条件を外すことはできません。
| 原則 | 例外 |
|---|---|
| 情報提供を行うための設備から7メートル以内 | 鍵をかけた陳列設備 |
| 情報提供を行うための設備から7メートル以内 | 陳列設備から1.2メートル以内に購入者等が進入できない措置 |
指定第二類は情報提供設備から7m以内。鍵付き又は陳列設備から1.2m以内を立入不可にすれば例外です。
販売しない時間は陳列場所を閉鎖する
薬局開設者又は店舗販売業者は、要指導医薬品又は一般用医薬品を販売し、又は授与しない時間には、それらを通常陳列し、又は交付する場所を閉鎖しなければなりません。
さらに、要指導医薬品又は第一類医薬品を販売し、又は授与しない時間には、要指導医薬品陳列区画又は第一類医薬品陳列区画を閉鎖します。ただし、鍵をかけた陳列設備に要指導医薬品又は第一類医薬品を陳列している場合は、区画を閉鎖する必要はありません。
販売・授与しない時間は通常の陳列・交付場所を閉鎖し、要指導・第一類の区画も原則閉鎖します。
配置販売業でもリスク区分を混在させない
配置販売業者も、医薬品を他の物と区別して貯蔵し、又は陳列しなければなりません。
一般用医薬品を配置する場合は、第一類医薬品、第二類医薬品、第三類医薬品の区分ごとに扱い、第一類・第二類・第三類を混在させないように配置します。第二類と第三類だけなら混在させてよい、という例外はありません。
配置販売業でも第一類・第二類・第三類は区分し、混在させません。
薬局・店舗で掲示する内容を区別する
薬局開設者又は店舗販売業者は、利用者が必要な情報を確認できるよう、薬局又は店舗の見やすい位置に掲示板で掲示します。掲示事項は、管理・運営に関する事項と、医薬品の販売制度に関する事項に分けて整理すると判断しやすくなります。
| 管理・運営に関する主な掲示事項 | 販売制度に関する主な掲示事項 |
|---|---|
| 許可の区分 | 要指導・第一類・第二類・第三類・指定濫用防止医薬品の定義と解説 |
| 開設者等の氏名又は名称、許可証の記載事項 | 各区分及び指定濫用防止医薬品の表示に関する解説 |
| 管理者の氏名 | 各区分及び指定濫用防止医薬品の情報提供に関する解説 |
| 勤務する薬剤師又は所定の登録販売者の別、その氏名及び担当業務 | 要指導医薬品の陳列に関する解説 |
| 取り扱う要指導医薬品及び一般用医薬品の区分 | 指定第二類医薬品の陳列等に関する解説 |
| 勤務する者の名札等による区別に関する説明 | 指定第二類医薬品の禁忌確認と薬剤師又は登録販売者への相談を勧める旨 |
| 営業時間、営業時間外で相談できる時間、営業時間外で購入・譲受けの申込みを受理する時間 | 一般用医薬品の陳列に関する解説 |
| 相談時及び緊急時の電話番号その他連絡先 | 医薬品による健康被害の救済制度に関する解説 |
| 個人情報の適正な取扱いを確保するための措置 |
掲示するのは、勤務する薬剤師の免許証そのものや、登録販売者の販売従事登録証そのものではありません。また、店舗内の情報提供及び指導を行う場所や店舗の平面図も、手引きに掲げられた掲示事項ではありません。
一方、医薬品による健康被害の救済制度に関する解説は掲示事項です。「医薬品・医療機器等安全性情報報告制度に関する解説」と取り違えないようにします。
掲示は氏名・担当業務・取扱区分・連絡先・販売制度の解説などで、免許証や販売従事登録証そのものを掲示する制度ではありません。
本番の形で解いてみる
本番の形の問題(五肢択一・この節のために作った問題)
薬局又は店舗における医薬品の陳列に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
- a 要指導医薬品は、原則として要指導医薬品陳列区画の内部の陳列設備に陳列するが、鍵をかけた陳列設備に陳列する場合はこの限りでない。
- b 第一類医薬品は、購入しようとする者等が直接手の触れられない陳列設備に陳列する場合でも、第一類医薬品陳列区画の内部に陳列しなければならない。
- c 指定第二類医薬品は、原則として情報提供を行うための設備から7メートル以内の範囲に陳列する。
- d 第一類医薬品、第二類医薬品及び第三類医薬品は、薬効分類が同じであれば混在して陳列することができる。
- a正 b正 c誤 d誤
- a正 b誤 c正 d誤
- a正 b誤 c誤 d正
- a誤 b正 c正 d誤
- a誤 b誤 c正 d正
答えと解説を見る
正解: a正 b誤 c正 d誤
aは正しいです。要指導医薬品は区画内が原則ですが、鍵付き陳列設備は例外です。bは誤りで、第一類医薬品も、購入者等が直接手を触れられない陳列設備なら第一類医薬品陳列区画の内部に置く必要はありません。cは正しいです。指定第二類医薬品は原則、情報提供を行うための設備から7メートル以内です。dは誤りで、第一類・第二類・第三類は混在させません。まちがえやすい点:要指導と第一類は、どちらも「鍵付き」と「直接手を触れられない設備」が区画内陳列の例外です。
本番の形の問題(五肢択一・この節のために作った問題)
薬局又は店舗の掲示に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
- a 店舗に勤務する者の名札等による区別に関する説明は、掲示事項に含まれる。
- b 店舗に勤務する登録販売者の販売従事登録証そのものは、掲示事項に含まれる。
- c 医薬品による健康被害の救済制度に関する解説は、掲示事項に含まれる。
- d 店舗内の情報提供及び指導を行う場所は、掲示事項に含まれる。
- aとb
- aとc
- aとd
- bとc
- cとd
答えと解説を見る
正解: aとc
正しいのはaとcです。勤務する者の名札等による区別に関する説明と、医薬品による健康被害の救済制度に関する解説は掲示事項です。bの販売従事登録証そのものは掲示事項ではありません。dの店舗内の情報提供及び指導を行う場所も、示された掲示事項には含まれません。まちがえやすい点:登録販売者は「別・氏名・担当業務」などを掲示しますが、販売従事登録証そのものを掲示するのではありません。
本番の形の問題(五肢択一・この節のために作った問題)
店舗販売業者が指定第二類医薬品の陳列場所を検討している。最も適切なものはどれか。
- 情報提供を行うための設備から8メートル離れているが、鍵をかけた陳列設備に陳列する。
- 情報提供を行うための設備から8メートル離れているが、薬剤師が販売を担当するため通常の陳列設備に陳列する。
- 情報提供を行うための設備から8メートル離れており、陳列設備から1.0メートル以内の範囲だけ購入者等が進入できないようにして陳列する。
- 情報提供を行うための設備から9メートル以内であれば、特別な措置を採らず通常の陳列設備に陳列する。
- 第一類医薬品陳列区画から7メートル以内であれば、情報提供を行うための設備からの距離にかかわらず通常の陳列設備に陳列する。
答えと解説を見る
正解: 情報提供を行うための設備から8メートル離れているが、鍵をかけた陳列設備に陳列する。
鍵をかけた陳列設備に陳列する場合は、情報提供を行うための設備から7メートル以内という原則の例外になるため適切です。薬剤師が販売すること自体は例外条件ではありません。購入者等の進入を防ぐ措置を採る場合の範囲は陳列設備から1.2メートル以内であり、1.0メートルではありません。基準距離は9メートルではなく7メートルで、基準となる設備も第一類医薬品陳列区画ではなく「情報提供を行うための設備」です。まちがえやすい点:指定第二類は「情報提供設備から7m」「立入防止は陳列設備から1.2m」の二つの距離を区別します。
出典: 厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」(令和4年3月作成・令和8年4月一部改訂)。このページの内容は令和8年4月一部改訂の手引きにもとづきます(確かめた日 2026年10月12日)。過去の試験の出題は、東京都・関西広域連合・福岡県の令和5〜7年度の公開問題から数えました。このページの作り方と確かめ方