登録販売者 参考書|第4章 薬事関係法規・制度

特定販売と購入等の記録

特定販売で扱える医薬品

特定販売とは、その薬局又は店舗において、その薬局又は店舗以外の場所にいる者に対して医薬品を販売又は授与することです。

対象となるのは、要指導医薬品(特定要指導医薬品を除く。)、一般用医薬品、薬局製造販売医薬品(毒薬及び劇薬であるものを除く。)です。

販売又は授与できるのは、当該薬局又は店舗に貯蔵し、又は陳列している医薬品に限られます。注文品がその薬局又は店舗にないからといって、別の薬局又は店舗から発送する扱いにはできません。

特定販売は「自店にある対象医薬品」を店外の購入者へ販売・授与する仕組みです。

インターネット広告の表示事項

特定販売をインターネットで広告するときは、ホームページに所定の情報を見やすく表示します。

区分主な表示事項
管理・運営許可の区分、開設者等の氏名又は名称、許可証の記載事項、管理者の氏名、勤務する薬剤師・登録販売者の別と氏名・担当業務、取り扱う医薬品の区分、名札等による区別、営業時間等、相談時・緊急時の連絡先
販売制度要指導医薬品・第一類・第二類・第三類・指定濫用防止医薬品の定義、表示、情報提供などの解説、指定第二類医薬品や指定濫用防止医薬品に関する相談を勧める旨、健康被害救済制度、個人情報の適正な取扱いを確保するための措置など
特定販売に伴う事項薬局又は店舗の主要な外観の写真、対象医薬品の陳列状況の写真、現在勤務している薬剤師・登録販売者の別と氏名、開店時間と特定販売時間が異なる場合の両方の時間、特定販売を行う医薬品の使用期限

現在勤務している薬剤師又は登録販売者については「別と氏名」を表示しますが、写真まで表示する事項とはされていません。

外観・陳列状況は写真、勤務者は別と氏名、特定販売品は使用期限を表示します。

広告の区分表示と閲覧性

特定販売の広告では、要指導医薬品(特定要指導医薬品を除く。)、第一類医薬品、指定第二類医薬品、第二類医薬品、第三類医薬品、薬局製造販売医薬品の区分ごとに表示します。薬効群ごとに表示するものではありません。

インターネット広告は、都道府県知事等と厚生労働大臣が容易に閲覧できるホームページで行います。

ホームページ自体で区分ごとの表示を確保していれば、検索結果まで区分ごとに並べる必要はありません。ただし、検索結果に出た医薬品がどの区分かは明確に分かるようにします。

ネット広告は医薬品の区分ごとに表示し、行政が容易に閲覧できるホームページで行います。

対面・電話で相談を希望されたとき

特定販売であっても、要指導医薬品(特定要指導医薬品を除く。)又は一般用医薬品を購入しようとする者等から、対面又は電話による相談応需の希望があった場合は対応が必要です。

薬局開設者又は店舗販売業者は、その薬局又は店舗で医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師又は登録販売者に、対面又は電話で情報提供を行わせます。

特定販売でも、対面・電話の相談希望には店舗の薬剤師又は登録販売者が応じます。

医薬品を購入・譲渡したときの記録

薬局開設者と店舗販売業者は、医薬品を購入・譲受けしたときや、所定の事業者・医療機関等へ販売・授与したとき、取引内容を書面に記載します。配置販売業者も、医薬品を購入・譲受けしたときに記録します。

記録事項内容
①品名
②数量
③購入・譲受け又は販売・授与の年月日
④相手方の氏名又は名称、住所又は所在地、電話番号その他の連絡先
⑤④を確認するために提示を受けた資料
⑥取引を担当する自然人が相手方との雇用関係又は取引の指示を受けたことを示す資料

常時取引関係にある場合には一部の事項に例外があります。また、常時取引関係にある場合を除き、許可証の写しその他の資料で住所又は所在地、連絡先を確認し、確認できない場合は譲受け・譲渡を行いません。

取引記録は「品名・数量・年月日・相手方情報・確認資料・取引担当者の関係資料」が基本です。

その他の遵守事項

薬局開設者、店舗販売業者又は配置販売業者は、勤務者が薬剤師、登録販売者又は一般従事者のいずれか容易に判別できるよう、名札を付けさせるなどの措置を講じます。研修中の登録販売者は、「登録販売者(研修中)」などと容易に判別できる表記が必要です。

使用期限を超過した医薬品は、正当な理由なく販売・授与したり、その目的で貯蔵・陳列したり、広告したりしてはなりません。薬局開設者又は店舗販売業者は、医薬品を競売に付してはなりません。

医薬品の広告では、購入者等による意見その他、医薬品の使用が不適正となるおそれのある事項を表示してはなりません。また、購入履歴やホームページ利用履歴などに基づき、自動的に特定の医薬品の購入を勧誘する方法など、不適正使用につながるおそれのある方法で広告してはなりません。

名札で区別し、期限超過品・競売・不適正使用につながる広告を避けます。

本番の形で解いてみる

本番の形の問題(五肢択一・この節のために作った問題)

特定販売に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

  • a 特定販売では、その薬局又は店舗に貯蔵又は陳列していない一般用医薬品も販売できる。
  • b インターネット広告では、薬局又は店舗の主要な外観の写真を見やすく表示する。
  • c 現在勤務している薬剤師又は登録販売者については、その別、氏名及び写真を表示する。
  • d 特定販売を行う医薬品の使用期限をホームページに見やすく表示する。
  1. a正 b正 c誤 d誤
  2. a誤 b正 c誤 d正
  3. a誤 b誤 c正 d正
  4. a正 b誤 c正 d誤
  5. a誤 b正 c正 d誤
答えと解説を見る

正解: a誤 b正 c誤 d正

aは誤りです。特定販売で販売できるのは、その薬局又は店舗に貯蔵又は陳列している対象医薬品です。bは正しいです。cは誤りで、現在勤務している薬剤師又は登録販売者は別と氏名を表示しますが、写真は表示事項ではありません。dは正しいです。まちがえやすい点:『外観・陳列状況の写真』と『勤務者の別・氏名』を混同しないことです。

本番の形の問題(五肢択一・この節のために作った問題)

次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

  • a 特定販売のインターネット広告では、医薬品を薬効群ごとに表示する。
  • b 特定販売で対面又は電話による相談の希望があった場合、その薬局又は店舗で販売等に従事する薬剤師又は登録販売者が対面又は電話で情報提供を行う。
  • c 店舗販売業者が医薬品の取引を記録する基本事項には、品名と数量が含まれる。
  • d 医薬品の取引相手の住所や連絡先を確認できない場合でも、品名と数量を記録すれば譲受け・譲渡を行うことができる。
  1. aとb
  2. aとc
  3. bとc
  4. bとd
  5. cとd
答えと解説を見る

正解: bとc

正しいのはbとcです。aは薬効群ごとではなく、要指導医薬品、第一類医薬品、指定第二類医薬品、第二類医薬品、第三類医薬品、薬局製造販売医薬品の区分ごとに表示します。dは誤りで、所定の場合に相手方の住所又は所在地、連絡先を確認できなければ譲受け・譲渡を行いません。まちがえやすい点:広告の『区分』と、取引記録の『確認できなければ取引しない』を別々に押さえます。

本番の形の問題(五肢択一・この節のために作った問題)

店舗販売業者がインターネットで特定販売を行っています。一般用医薬品を購入しようとする者から、電話で相談したいとの希望がありました。最も適切な対応はどれか。

  1. その店舗で医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師又は登録販売者に、電話で情報提供を行わせる。
  2. その店舗で医薬品の販売又は授与に従事する一般従事者に、電話で情報提供を行わせる。
  3. その店舗以外の店舗で医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師又は登録販売者に、電話で情報提供を行わせる。
  4. その店舗で医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師又は登録販売者に、電子メールだけで情報提供を行わせる。
  5. 一般用医薬品ではなく薬局製造販売医薬品を購入しようとする者から相談希望があった場合に限り、電話で情報提供を行わせる。
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正解: その店舗で医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師又は登録販売者に、電話で情報提供を行わせる。

一般用医薬品を購入しようとする者等から対面又は電話による相談応需の希望があった場合は、その薬局又は店舗で医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師又は登録販売者に、対面又は電話で情報提供を行わせます。まちがえやすい点:担当者、所属する店舗、相談方法、対象となる医薬品をそれぞれ入れ替えないことです。

出典: 厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」(令和4年3月作成・令和8年4月一部改訂)。このページの内容は令和8年4月一部改訂の手引きにもとづきます(確かめた日 2026年10月12日)。過去の試験の出題は、東京都・関西広域連合・福岡県の令和5〜7年度の公開問題から数えました。このページの作り方と確かめ方