FP3級 学習ページ|CH01 ライフプランニングと資金計画
ライフプランニングの手法
教育費、住宅購入、老後の生活。大きなお金が必要になる時期は、ある日突然やってくるわけではありません。いつ必要になるかを先に見通せれば、準備の仕方も変わります。
ライフプランニングは、将来の予定とお金を見える形にして、今から準備するための考え方です。
ライフイベントと3大必要資金
結婚、子どもの教育、住宅の取得、退職など、人生の節目に起こる出来事をライフイベントといいます。大きな支出を伴うものも多いため、必要になる時期と金額を早めに考えておくことが大切です。
なかでも、教育資金・住宅資金・老後資金は「3大必要資金」(人生の3大資金)と呼ばれます。
まず残す:教育・住宅・老後
ライフプランニングの流れ
日本FP協会では、ファイナンシャル・プランニングのプロセスを6つのステップで整理しています。
①顧客との関係確立とその明確化 → ②顧客データの収集と目標の明確化 → ③顧客のファイナンス状態の分析と評価、戦略の検討 → ④ファイナンシャル・プランの作成と提示 → ⑤ファイナンシャル・プランの実行援助 → ⑥ファイナンシャル・プランの定期的見直し、という流れです。
プランを作って終わりではありません。実行を支援し、その後も状況の変化に応じて見直すところまで含まれます。
6段階:関係確立 → 情報収集 → 分析・戦略 → 作成・提示 → 実行援助 → 見直し
ライフプランニングで使う3つの表
ライフイベント表は、家族の将来のライフイベントと必要資金を時系列で整理する表です。
キャッシュフロー表は、ライフイベント表や現在の収支をもとに、将来の収入・支出・金融資産残高などを予測する表です。
個人バランスシートは、ある一時点の資産と負債を整理する表です。資産は原則として時価で評価し、生命保険は解約返戻金相当額、負債はその時点の残高で考えます。
見分け方:予定 → 将来の収支 → 現在の資産・負債
キャッシュフロー表で押さえる計算
給与や生活費などが毎年一定割合で増減すると仮定するとき、その割合を変動率として将来額を計算します。
n年後の収入額または支出額 = 現在の金額 ×(1+変動率)n
収入には、一般に実際に使える可処分所得を用います。
可処分所得 = 年収 −(社会保険料 + 所得税 + 住民税)
年間収支は、収入合計から支出合計を差し引いた金額です。
年間収支 = 収入合計 − 支出合計
金融資産残高では、収入や支出に使う変動率ではなく、金融資産の運用利率を使います。
その年の金融資産残高 = 前年末の金融資産残高 ×(1+運用利率)+ 当年の年間収支
個人バランスシートでは、資産合計から負債合計を差し引いた金額が純資産です。
純資産 = 資産合計 − 負債合計
変動率と運用利率を混同しない。残高=前年末残高×(1+運用利率)+年間収支
資金計画を立てるときの6つの係数
6つの係数は、3組の往復として見ると整理しやすくなります。
終価係数は「今の一括資金 → 将来の一括資金」、現価係数はその逆で「将来の一括資金 → 今必要な一括資金」です。
年金終価係数は「毎年の積立額 → 将来の合計額」、減債基金係数は「将来の目標額 → 毎年の積立額」です。
資本回収係数は「現在の一括資金 → 毎年の受取額など」、年金現価係数は「毎年の受取額 → 現在必要な一括資金」です。
6個を3組で覚える:終価↔現価、年金終価↔減債基金、資本回収↔年金現価
必要保障額は遺族の支出から収入を引く
必要保障額は、死亡後に遺族が必要とする支出の合計から、遺族年金、配偶者の収入、金融資産など将来見込める収入の合計を差し引いて考えます。支出6,000万円、遺族年金2,500万円、配偶者の収入800万円、金融資産1,200万円なら、
必要保障額 = 6,000万円 −(2,500万円+800万円+1,200万円)= 1,500万円
団体信用生命保険付き住宅ローンは死亡時に残債が返済される前提なら、その返済額を遺族の支出へ重ねて入れません。支出と収入を同じ側に足さないこと。
必要保障額=遺族の支出合計−遺族の収入合計。団信付きローンの残債は重複計上しない
本番の形で解いてみる
実技・資料を読む問題(日本FP協会 2026年5月の公開問題 実技問2と同じ形)
Aさん家族のキャッシュフロー表 単位は万円。基本生活費の変動率は年2%。万円未満は四捨五入。
| 2026 | 2027 | 2028 | 2029 | 2030 | |
|---|---|---|---|---|---|
| Aさんの年齢 | 42 | 43 | 44 | 45 | 46 |
| 基本生活費 | 420 | 428 | 437 | 【?】 | 455 |
| 収入合計 | 650 | 656 | 663 | 670 | 677 |
| 支出合計 | 590 | 600 | 611 | 622 | 634 |
2029年の基本生活費の【?】に入る金額として、最も適切なものはどれか。
- 446万円
- 445万円
- 455万円
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正解: 446万円
3年後の基本生活費は、現在の420万円に年2%の変動率を3年分反映して求める。420万円×1.02の3乗=445.70736万円なので、万円未満を四捨五入して446万円となる。まちがえやすい点: 2029年は2026年から3年後であり、4年分の変動率は掛けない。
実技・資料を読む問題(日本FP協会 2026年5月の公開問題 実技問3と同じ形)
Fさん家族の個人バランスシート資料 単位は万円。株式は時価で表示している。
| 金額 | |
|---|---|
| 預貯金 | 620 |
| 株式 | 280 |
| 自宅 | 3,200 |
| 自動車 | 180 |
| 生命保険(保険金額) | 1,000 |
| 生命保険(解約返戻金相当額) | 90 |
| 住宅ローン残高 | 2,100 |
| 自動車ローン残高 | 80 |
この資料に基づくFさん家族の純資産として、最も適切なものはどれか
- 2,190万円
- 2,270万円
- 3,100万円
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正解: 2,190万円
資産は預貯金620万円、株式280万円、自宅3,200万円、自動車180万円、生命保険の解約返戻金90万円で合計4,370万円。負債は住宅ローン2,100万円と自動車ローン80万円で合計2,180万円。純資産は4,370万円−2,180万円=2,190万円である。まちがえやすい点: 生命保険は保険金額ではなく解約返戻金相当額を資産に計上する。
学科・三答択一式(日本FP協会 2026年5月の公開問題 学科問31と同じ形)
給与収入が620万円、所得税・住民税の合計が55万円、社会保険料が90万円である場合、可処分所得は( )である。
- 475万円
- 457万円
- 565万円
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正解: 475万円
可処分所得は、収入から所得税・住民税と社会保険料を差し引いて求める。620万円-55万円-90万円=475万円である。まちがえやすい点: 生命保険料などの家計支出を可処分所得の計算で差し引かない。
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10問を解く →どこから読むかはFP3の勉強の順番(過去の傾向から)にまとめています。試験に出る数字は勉強の順番のページの一覧にまとめています。このページの数字・制度は、2026年4月1日時点の法令などにもとづきます(2026年10月確認)。