FP3級 学習ページ|CH04 タックスプランニング
所得の種類と計算(利子・配当・不動産・事業・給与・退職)
不動産所得と事業所得の基本
土地や建物などの貸付けによる所得は、原則として不動産所得です。賃貸アパートの貸付けは、貸付けの規模が大きく事業的規模であっても所得区分は不動産所得です。
不動産所得 = 総収入金額 − 必要経費
商業・工業・農業などの事業から生じる所得は事業所得です。商品の売上原価は、期首の商品にその年の仕入れを加え、期末に残った商品を差し引いて求めます。
売上原価 = 期首商品棚卸高 + 仕入金額 − 期末商品棚卸高
青色申告者が一定の要件を満たす生計一親族に支払う給与は、青色事業専従者給与として適正な金額を必要経費に算入できます。商品や製品などの在庫を棚卸資産といい、期末の商品棚卸高が多いほど、その年の売上原価は小さくなります。事業と私生活の両方に関係する家事関連費は、事業に必要な部分を明確に区分できる場合、その事業部分を必要経費に算入できます。
貸付け→不動産所得。売上原価は「期首+仕入−期末」
減価償却できる資産・できない資産
建物や機械など、使用や時間の経過によって価値が減る資産は、原則として取得時に全額を必要経費にせず、使用できる期間に配分して減価償却します。
一方、土地は減価償却の対象になりません。平成10年4月1日以後に取得した建物は定額法系の方法に限られ、平成19年4月1日以後に取得した建物は定額法で減価償却します。
建物は減価償却、土地は減価償却しない
給与所得と給与所得控除
会社員などが勤務先から受け取る給料や賞与は給与所得です。
給与所得 = 給与等の収入金額 − 給与所得控除額
令和7年分の給与所得控除は、給与等の収入金額190万円以下の場合、最低65万円です。給与等の収入金額が850万円を超える場合の給与所得控除額は195万円が上限です。
電車・バスなどによる通勤手当は、最も経済的かつ合理的な経路・方法による金額について、月15万円までが非課税限度額です。
なお、令和8年度税制改正(2026年12月1日施行)により、令和8年分・令和9年分は給与等の収入金額220万円以下で最低74万円に引き上げられます。
給与所得者が一定の特定支出をし、その年の特定支出額の合計が給与所得控除額の2分の1を超える場合は、一定の要件のもとで超えた部分を給与所得から差し引けます。給与等の収入金額が850万円を超える人で、本人が特別障害者である場合や23歳未満の扶養親族がいる場合などは、一定額を給与所得から差し引く所得金額調整控除の対象になることがあります。
給与所得=給与収入−給与所得控除。最低控除65万円
退職所得と退職所得控除
退職金などは原則として退職所得となり、他の所得と分けて計算します。
退職所得 =(退職金の収入金額 − 退職所得控除額)× 1/2
退職所得控除額は、勤続年数20年以下なら「40万円×勤続年数」で、80万円に満たない場合は80万円です。20年を超える場合は次の式です。
退職所得控除額 = 800万円 + 70万円 ×(勤続年数 − 20年)
勤続年数に1年未満の端数がある場合は1年に切り上げます。
2分の1にしない例外もあります。勤続5年以下の役員等の退職金は2分の1にせず、役員等以外でも勤続5年以下の退職金は、控除後の金額のうち300万円を超える部分には2分の1を適用しません。
20年まで年40万円、20年超部分は年70万円
利子所得と配当所得
預貯金や公社債などの利子による所得は利子所得、株式の配当や投資信託の収益の分配などによる所得は配当所得に分類されます。
配当所得の金額は、原則として配当等の収入金額から、その株式などを取得するための借入金に係る一定の利子を差し引いて計算します。
金融商品の種類によって課税方法や申告方法が異なるため、所得区分と課税方法は分けて整理します。
利子→利子所得、配当→配当所得。所得区分と課税方法は別
本番の形で解いてみる
学科・三答択一式(日本FP協会 2026年5月の公開問題 学科問46と同じ形)
勤続年数が23年である人が一般退職手当等を受け取る場合、退職所得控除額は( )である。
- 920万円
- 1,010万円
- 1,220万円
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正解: 1,010万円
勤続年数20年超の退職所得控除額は800万円+70万円×(勤続年数-20年)で計算するため、800万円+70万円×3年=1,010万円となる。まちがえやすい点: 20年を超える部分は1年につき40万円ではなく70万円である。
4択の確認問題
不動産所得の必要経費に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 固定資産税・都市計画税は、必要経費に算入できない。
- 建物の減価償却費は、建物の取得価額・耐用年数・償却方法に基づいて計算し、必要経費に算入できる。
- 空室になっている期間の保険料は、必要経費に算入できない。
- 土地の取得に要した借入金の利子は、必要経費に算入することができない。
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正解: 建物の減価償却費は、建物の取得価額・耐用年数・償却方法に基づいて計算し、必要経費に算入できる。
建物の減価償却費は必要経費に算入できる。固定資産税・都市計画税や、賃貸事業に必要な保険料も必要経費になり得る。土地取得のための借入金利子も不動産所得の必要経費になり得るが、不動産所得が赤字の場合、その利子に相当する損失部分は給与所得等との損益通算の対象外となる。
4択の確認問題
所得税の各種所得に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 不動産所得の金額は、総収入金額から必要経費を控除した残額に2分の1を乗じて計算する。
- 一時所得の金額は、総収入金額から収入を得るために支出した金額を控除した残額である。
- 給与所得の金額は、給与等の収入金額から給与所得控除額を控除して計算する。
- 退職所得の金額は、退職手当等の収入金額から退職所得控除額を控除した残額である。
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正解: 給与所得の金額は、給与等の収入金額から給与所得控除額を控除して計算する。
給与所得=給与収入-給与所得控除。一時所得=総収入金額-収入を得るために直接要した金額-特別控除額(最高50万円)で、その2分の1相当額を他の所得と合算する。退職所得は一般退職手当等の場合、原則として(退職収入-退職所得控除額)×1/2。不動産所得=総収入-必要経費。
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10問を解く →どこから読むかはFP3の勉強の順番(過去の傾向から)にまとめています。試験に出る数字は勉強の順番のページの一覧にまとめています。このページの数字・制度は、2026年4月1日時点の法令などにもとづきます(2026年10月確認)。