FP3級 学習ページ|CH04 タックスプランニング

所得控除(医療費控除・社会保険料控除など)

医療費控除の計算と対象

本人または生計を一にする配偶者・その他の親族のために、その年中に実際に支払った医療費は、一定額を所得から差し引けます。親族の所得が一定額以下であることは、医療費控除の要件ではありません。

医療費控除額 = 支払った医療費 − 保険金などで補てんされる金額 − 10万円

ただし、総所得金額等が200万円未満なら、10万円ではなく総所得金額等×5%を差し引きます。控除額の上限は200万円です。

合計所得金額が高いことだけを理由に医療費控除を受けられなくなるわけではありません。

医療費控除の計算。例題: 支払った医療費35万円、保険金で補てんされた額5万円。総所得金額等は500万円。医療費控除の額は? 図: 医療費35万円から補てん5万円と10万円を差し引いた20万円が控除できる。式: 35万−5万−10万=20万円。総所得金額等が200万円未満なら、10万円ではなく所得×5%(例: 150万円なら7.5万円)を差し引く。こう聞かれたら: 総所得金額等200万円未満は10万円ではなく5%、控除額の上限は200万円、セルフメディケーション税制は12,000円を超える部分で上限88,000円、通常の医療費控除とはどちらか一方を選ぶ。

医療費-補てん額-10万円。所得200万円未満なら「所得×5%」を使う

セルフメディケーション税制

健康診断や予防接種など一定の取組をしている人が、対象となる特定一般用医薬品等を購入した場合は、セルフメディケーション税制を選べます。

控除額 = 対象医薬品の購入費 − 保険金などで補てんされる金額 − 12,000円

控除額の上限は88,000円です。購入費の全額がそのまま控除されるわけではありません。

また、通常の医療費控除とセルフメディケーション税制は併用できず、どちらか一方を選択します。

セルフメディケーション:12,000円超の部分、上限88,000円。通常の医療費控除とは選択

社会保険料控除

本人が自己または生計を一にする配偶者・その他の親族が負担すべき社会保険料を支払ったときは、その年に実際に支払った金額などの全額を社会保険料控除として差し引けます。

健康保険、国民健康保険、国民年金、厚生年金、介護保険などの保険料が対象です。国民年金基金の掛金も社会保険料控除に含まれます。

社会保険料控除=実際に支払った額の全額。国民年金基金もこちら

小規模企業共済等掛金控除とiDeCo

小規模企業共済の一定の掛金や、確定拠出年金の企業型年金加入者掛金・個人型年金加入者掛金などは、小規模企業共済等掛金控除の対象です。

iDeCoの掛金は小規模企業共済等掛金控除であり、社会保険料控除や生命保険料控除ではありません。控除額は、その年に支払った対象掛金の全額です。給与所得者は所定の手続により年末調整でも控除を受けられます。

iDeCo → 小規模企業共済等掛金控除。掛金は全額控除

寄附金控除とふるさと納税

国や地方公共団体などに一定の寄附をした場合は、所得税の寄附金控除を受けられます。ふるさと納税も対象となります。

寄附金控除額 =「特定寄附金の合計額」と「総所得金額等×40%」の少ない方 − 2,000円

所得税の寄附金控除は所得控除です。ふるさと納税では、所得税の控除に加えて個人住民税の税額控除の仕組みがあります。確定申告をせずにワンストップ特例を使う場合は、所得税からの控除は行われず、その分も含めて翌年度の個人住民税から控除されます。

所得税の寄附金控除は「対象額-2,000円」。ふるさと納税は住民税の控除も関係する

雑損控除

災害・盗難・横領によって、生活に通常必要な住宅や家財などに損害を受けた場合は、一定額を所得から差し引く雑損控除を受けられます。詐欺や恐喝による損失は対象外です。控除しきれない金額は、原則として翌年以後3年間繰り越せます(2023年4月1日以後に発生した特定非常災害による損失は5年間)。

雑損控除=災害・盗難・横領。詐欺・恐喝は対象外

本番の形で解いてみる

実技・資料を読む問題(日本FP協会 2026年5月の公開問題 実技問16と同じ形)

Kさんの1年間の医療費等 単位は円。Kさんの総所得金額等は400万円である。

支出額補てん額
入院治療費220,00050,000
処方薬代30,0000
健康診断25,0000
予防接種12,0000

健康診断では異常は見つからなかったものとして、Kさんの医療費控除額として最も適切なものはどれか

  1. 75,000円
  2. 100,000円
  3. 137,000円
答えと解説を見る

正解: 100,000円

対象となるのは入院治療費22万円と処方薬代3万円で、健康診断と予防接種は対象外である。対象医療費25万円から補てん額5万円と10万円を引き、控除額は10万円となる。まちがえやすい点: 対象外の健康診断や予防接種まで医療費に含めない。

学科・三答択一式(日本FP協会 2026年5月の公開問題 学科問47と同じ形)

iDeCoの個人型年金加入者掛金は、所得税では(  )の対象となる。

  1. 小規模企業共済等掛金控除
  2. 社会保険料控除
  3. 生命保険料控除
答えと解説を見る

正解: 小規模企業共済等掛金控除

iDeCoの掛金は小規模企業共済等掛金控除の対象となる。まちがえやすい点: 個人で老後資金を積み立てる制度でも、個人年金保険料控除ではない。

4択の確認問題

給与所得者の田中さんの2024年の収入等は以下の通りである。田中さんが医療費控除を受けられる金額として、最も適切なものはどれか。給与収入:700万円(給与所得:520万円)医療費支出:35万円生命保険からの入院給付金:10万円合計所得金額:520万円

  1. 25万円
  2. 医療費控除を受けられない
  3. 35万円
  4. 15万円
答えと解説を見る

正解: 15万円

医療費控除=(医療費支出-保険金等で補填された金額)-10万円(総所得金額が200万円以上の場合)。(35万円-10万円)-10万円=15万円。

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どこから読むかはFP3の勉強の順番(過去の傾向から)にまとめています。試験に出る数字は勉強の順番のページの一覧にまとめています。このページの数字・制度は、2026年4月1日時点の法令などにもとづきます(2026年10月確認)。