FP3級 学習ページ|CH05 不動産

不動産の取引(宅地建物取引業法・売買契約)

自分の物件を貸すだけなら宅建業には当たらない

宅地建物取引業には、宅地・建物の売買や交換を自ら業として行うことや、売買・交換・賃貸借の代理・媒介を業として行うことなどが含まれます。

一方、自分が所有するアパートなどを自ら貸して家賃を受け取る自ら貸借は宅地建物取引業に当たりません。そのため、自ら所有する物件を賃貸するだけで宅地建物取引業の免許が必要になるわけではありません。

宅地建物取引業を営むには免許が必要で、宅建業者には事務所ごとの宅地建物取引士の設置や重要事項説明などの義務があります。

自ら売買は宅建業、自ら貸借は宅建業ではない

一般・専任・専属専任媒介契約の違い

売買・交換の媒介契約には、一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約があります。

一般媒介契約では他の宅地建物取引業者にも重ねて依頼できます。専任媒介契約では他の業者への重ねての依頼はできませんが、依頼者が自分で見つけた相手方と契約することはできます。専属専任媒介契約では、他の業者への依頼に加え、原則として依頼者が自分で見つけた相手方と契約することもできません。

専任媒介契約と専属専任媒介契約の有効期間は3カ月以内です。指定流通機構への登録は専任が7日以内、専属専任が5日以内で、業務処理状況の報告は専任が2週間に1回以上、専属専任が1週間に1回以上です。登録期間の計算では宅建業者の休業日は算入しません。

媒介契約の3種類。例題: ほかの業者にも頼みたくないが、自分で見つけた買主とは直接契約したい。どの媒介契約を結べばよい? 表: 一般媒介はほかの業者にも頼めて、自分で見つけた相手と契約でき、有効期間・報告・指定流通機構の決まりはない。専任媒介はほかの業者に頼めないが、自分で見つけた相手と契約でき、有効期間3か月以内、報告2週間に1回以上、指定流通機構へ7日以内。専属専任媒介はほかの業者に頼めず、自分で見つけた相手とも契約できず、有効期間3か月以内、報告1週間に1回以上、指定流通機構へ5日以内。日数は業者の休業日を除く。答え: 専任媒介契約。こう聞かれたら: 重ねて頼めるのは一般媒介だけ、自分で見つけた相手もだめなのは専属専任、1週間に1回以上の報告は専属専任、3か月を超える期間は3か月に短くなる。

一般=重ねて依頼可、専任=2週、専属専任=1週

重要事項説明と業者が売主の場合の手付金

宅地建物取引業者が取引を媒介する場合、契約成立前に、物件や取引条件について重要事項説明が行われます。重要事項の説明は宅地建物取引士が行います。

また、宅地建物取引業者が自ら売主となり、買主が宅地建物取引業者ではない売買では、受領できる手付金の額には上限があります。代金額の20%を超える手付金は受領できません。

売買・交換の媒介で受け取れる報酬には上限があり、代金が400万円を超える場合、依頼者の一方から受け取れるのは代金×3%+6万円に消費税を加えた額(税込みで代金×3.3%+6万6,000円)までです。

不動産売買では、一般に媒介契約、重要事項説明、売買契約、決済・引渡しという順で手続きが進みます。重要事項説明は売買契約を締結する前に行います。宅地・建物の取引では、水害ハザードマップ上の対象物件の所在地など、災害リスクに関する事項も重要事項説明の対象になります。

重要事項=宅建士、業者売主の手付=20%以下

売買契約で押さえる手付と面積・契約不適合

解約手付では、相手方が契約の履行に着手するまでは、買主は手付を放棄し、売主は手付の倍額を現実に提供して契約を解除できます。登記の面積で代金を決める公簿取引・測量した面積で決める実測取引や、契約不適合責任も売買契約で確かめる点です。

解約手付:買主は放棄、売主は倍返し

本番の形で解いてみる

学科・三答択一式(日本FP協会 2026年5月の公開問題 学科問51と同じ形)

不動産売買で買主から120万円の解約手付を受け取った売主が、相手方の履行着手前に手付解除する場合、買主に現実に提供する金額は( )である。

  1. 120万円
  2. 240万円
  3. 360万円
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正解: 240万円

売主が解約手付によって解除する場合は、受領した手付の倍額を現実に提供する。120万円なら240万円である。まちがえやすい点: 買主側の手付放棄と、売主側の倍返しを取り違えない。

4択の確認問題

不動産の有効活用に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

  1. 建設協力金方式とは、土地所有者が入居予定の事業会社から建設資金を借り受けて建物を建設し、その建物を事業会社に賃貸する方式である。
  2. 土地信託方式とは、土地所有者が信託会社に土地を信託して、信託会社が土地の有効活用を行い、信託収益を受益者(土地所有者)に交付する方式である。
  3. アパートやマンションの賃貸を行うためには、宅地建物取引業の免許が必要である。
  4. 等価交換方式とは、土地所有者が土地を提供し、ディベロッパーが建設費を負担して建物を建て、それぞれの出資割合に応じて土地・建物を取得する方式である。
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正解: アパートやマンションの賃貸を行うためには、宅地建物取引業の免許が必要である。

宅地・建物の売買・交換を業として行う場合や、売買・交換・貸借の代理・媒介を業として行う場合には、原則として宅地建物取引業の免許が必要。単なる不動産管理業務そのものは、宅地建物取引業には該当しない。

4択の確認問題

不動産の売買に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

  1. 宅地建物取引業者が自ら売主となり、買主が宅地建物取引業者でない場合、手付金は売買代金の20%を超えることができない。
  2. 不動産売買契約において、手付金は原則として売買代金の20%を上限とする。
  3. 宅地建物取引業者は、宅地建物取引士に重要事項の説明を行わせる義務がある。
  4. 不動産の売買契約において、買主の責めに帰さない事由で契約が解除された場合、売主は受け取った手付金を返還しなければならない。
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正解: 不動産売買契約において、手付金は原則として売買代金の20%を上限とする。

手付金を売買代金の20%までとする制限は、宅建業者が自ら売主となり、買主が宅建業者でない売買に宅建業法が設ける規制であり、不動産の売買契約一般の原則ではない。したがって「手付金は原則として売買代金の20%を上限とする」が不適切。まちがえやすい点: 一般の個人どうしの売買や宅建業者間の取引にまで20%の上限があると考えない。

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