FP3級 学習ページ|CH05 不動産

建築基準法(道路・用途・建蔽率・容積率)

道路に接していない土地には原則として建てられない

都市計画区域・準都市計画区域内では、建築物の敷地は原則として幅員4m以上の道路に2m以上接する必要があります。これを接道義務といいます。

幅員4m未満でも、建築基準法上の道路とみなされる一定の道があります。いわゆる2項道路では、原則として道路の中心線から水平距離2m後退した線を道路境界線とします。この後退をセットバックといい、セットバックした部分は建蔽率や容積率を計算するときの敷地面積に算入しません。

一定の建築物を新築・増改築などする場合は、工事着手前に建築確認を受け、計画が建築基準法などに適合しているか確認を受けます。

2項道路のセットバック。例題: 幅3mの2項道路に面した、間口10m・奥行20mの敷地(200㎡)。建蔽率・容積率の計算に使える敷地面積はいくら? 図: 道路の中心線から2mの線まで下がる。道路の自分側は1.5mなので、敷地側に0.5m後退し、使える敷地は10m×19.5m。式: 後退する幅 2m−1.5m=0.5m、200−10×0.5=195㎡。こう聞かれたら: 幅4m未満の2項道路は中心線から2m下がる、向かいが川・がけなら向こう側から4m下がる、後退した部分は敷地面積に入れない、建物を建てるには4m以上の道に2m以上接する。

道路は原則4m以上、敷地は2m以上接道。2項道路は中心線から原則2m後退

用途地域は建てられる建物を決める

用途地域は、住居・商業・工業などの土地利用に応じて、建築できる建物の用途を制限する仕組みです。用途地域は13種類あります。

1つの敷地が2以上の用途地域にまたがる場合、建築物の用途に関する規定は、原則として敷地の過半が属する用途地域の規定を敷地全体に適用します。「厳しい方を全部に適用する」とは限りません。

第一種・第二種低層住居専用地域と田園住居地域では、建築物の高さは原則として、都市計画で定める10mまたは12mの限度を超えることができません。

一方、建築物が防火地域と準防火地域にまたがる場合は、敷地の過半ではなく、原則として建築物全体に防火地域の規定が適用されます。

用途がまたがる→原則「敷地の過半」。低層住居専用地域の高さは10mまたは12m

建蔽率は建物が地面を覆う割合

建蔽率は、敷地面積に対する建築面積の割合です。

建蔽率 = 建築面積 ÷ 敷地面積 × 100

たとえば敷地200㎡、建築面積100㎡なら、建蔽率は50%です。延べ面積ではなく、建物を上から見たときの建築面積を使う点に注意します。

一定の角地では、特定行政庁が指定するものについて建蔽率の限度が10%加算されます。また、防火地域内の耐火建築物等や準防火地域内の一定の耐火・準耐火性能を持つ建築物等にも10%の緩和があります。両方に該当すれば、それぞれの緩和を受けます。なお、指定建蔽率80%の防火地域で一定の耐火建築物等に該当する場合は、建蔽率の制限が適用されません。

建蔽率=建築面積÷敷地面積。角地・防火関係の緩和は加算で見る

容積率は延べ面積の割合

容積率は、敷地面積に対する建築物の延べ面積の割合です。

容積率 = 延べ面積 ÷ 敷地面積 × 100

たとえば敷地200㎡、延べ面積150㎡なら、容積率は75%です。

前面道路の幅員が12m未満の場合は、都市計画で指定された容積率だけでなく、前面道路の幅員による制限も確認します。原則として住居系用途地域では道路幅員×0.4、その他の用途地域では道路幅員×0.6で求めた率と指定容積率を比べ、小さい方が上限になります。地域の指定によって係数が異なる場合があります。

建蔽率と容積率。例題: 敷地200㎡、指定建蔽率60%、指定容積率300%。前面道路の幅は6m(住居系の地域)。建築面積と延べ面積の上限はそれぞれいくら? 図: 建築面積は建物を真上から見た面積、延べ面積は各階の床面積の合計。容積率は、指定の300%と6m×4/10=240%の小さいほうの240%を使う。式: 建築面積 200×60%=120㎡、延べ面積 200×240%=480㎡。こう聞かれたら: 前面道路が12m未満で住居系なら幅×4/10と比べる、その他の地域は幅×6/10と比べる、防火地域で耐火建築物等なら建蔽率+10%、特定行政庁が指定する角地は建蔽率+10%。

容積率=延べ面積÷敷地面積。道路12m未満なら「指定」と「道路幅員」の小さい方

本番の形で解いてみる

実技・資料を読む問題(日本FP協会 2026年5月の公開問題 実技問9と同じ形)

土地の図。間口14m・奥行22m(敷地308㎡)、前面道路の幅員6m。用途地域: 第一種住居地域。指定建蔽率 60%・指定容積率 200%・建蔽率の緩和は考慮しない。。

この土地に建築できる建築物の建築面積の最高限度として、最も適切なものはどれか。

  1. 123.2㎡
  2. 184.8㎡
  3. 308㎡
答えと解説を見る

正解: 184.8㎡

敷地面積は14m×22m=308㎡。建築面積の最高限度は308㎡×60%=184.8㎡。まちがえやすい点: 建築面積を求めるときは容積率ではなく建蔽率を使う。

学科・三答択一式(日本FP協会 2026年5月の公開問題 学科問52と同じ形)

敷地面積400㎡、建築面積220㎡の建物の建蔽率は( )である。

  1. 45%
  2. 55%
  3. 80%
答えと解説を見る

正解: 55%

建蔽率は建築面積÷敷地面積×100で求め、220㎡÷400㎡×100=55%となる。まちがえやすい点: 延べ面積を用いるのは容積率である。

4択の確認問題

建築基準法に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

  1. 建築物の敷地は、原則として、建築基準法に規定する道路に2m以上接していなければならない。
  2. 容積率とは、敷地面積に対する延べ床面積の割合であり、用途地域ごとに上限が定められている。
  3. 建築物の敷地が2つの異なる用途地域にまたがる場合、それぞれの地域の用途制限が各部分に個別に適用される。
  4. 建蔽率とは、敷地面積に対する建築面積の割合であり、用途地域ごとに上限が定められている。
答えと解説を見る

正解: 建築物の敷地が2つの異なる用途地域にまたがる場合、それぞれの地域の用途制限が各部分に個別に適用される。

建築物の敷地が2つの異なる用途地域にまたがる場合、過半の属する地域の用途制限が敷地全体に適用される(過半主義)。接道義務(2m以上)、建蔽率・容積率の説明はいずれも正しい。

この内容を問題で確かめる

読んだところを、問題で思い出してみましょう。

10問を解く →

どこから読むかはFP3の勉強の順番(過去の傾向から)にまとめています。試験に出る数字は勉強の順番のページの一覧にまとめています。このページの数字・制度は、2026年4月1日時点の法令などにもとづきます(2026年10月確認)。