FP3級 学習ページ|CH06 相続・事業承継

相続人と法定相続分

相続人になる人と順位

亡くなった人を被相続人、財産や権利・義務を引き継ぐ人を相続人といいます。被相続人の配偶者は常に相続人です。内縁の配偶者は法定相続人にはなりません。

配偶者以外の相続人には順位があります。第1順位は子、第2順位は直系尊属(父母・祖父母など)、第3順位は兄弟姉妹です。第2順位は第1順位の人がいないとき、第3順位は第1・第2順位の人がいないときに相続人になります。直系尊属では、父母と祖父母がともにいる場合、被相続人に近い父母が優先されます。

子(第1順位)・直系尊属(第2順位)・兄弟姉妹(第3順位)という順番を相続順位といい、上位順位の相続人がいると下位順位の人は相続人になりません。民法の規定により相続人となる人を法定相続人といい、配偶者と順位に従って相続人となる血族を区別して判断します。

配偶者は常に相続人。順位は子 → 直系尊属 → 兄弟姉妹

養子と代襲相続

養子も法律上の子であり、実子と養子の法定相続分は同じです。普通養子縁組では原則として実方の親族関係も残りますが、特別養子縁組では、原則として養子と実方の父母・血族との親族関係が終了します。

子が相続開始前に死亡している場合などは、その子の子である孫などが代わって相続人になることがあります。これが代襲相続です。子については直系卑属へ代襲が続くことがありますが、兄弟姉妹について代襲できるのは兄弟姉妹の子であるおい・めいまでです。

婚姻していない父母の間に生まれた子も、法律上の親子関係があれば相続人となり、嫡出子との間で法定相続分に差はありません。婚姻していない父母の間に生まれた子について、父との法律上の親子関係を成立させる手続を認知といいます。

養子も実子と同じ相続分。代襲は子の系統は下へ、兄弟姉妹はおい・めいまで

配偶者がいるときの法定相続分

法定相続分は、相続人の組合せによって決まります。

配偶者と子が相続人なら、配偶者1/2・子全体1/2です。配偶者と直系尊属なら、配偶者2/3・直系尊属全体1/3、配偶者と兄弟姉妹なら、配偶者3/4・兄弟姉妹全体1/4です。

子、直系尊属、兄弟姉妹が同順位で複数いる場合は、そのグループに割り当てられた相続分を原則として人数で等分します。

配偶者の取り分:子となら1/2、親となら2/3、兄弟姉妹となら3/4

法定相続分を家系図から求める

配偶者がいない場合は、最も順位の高い相続人のグループが全部を相続します。代襲相続人は、本来相続するはずだった人の相続分を引き継ぎ、代襲相続人が複数いればその相続分を分けます。

法定相続分は遺産分割で必ず守らなければならない割合ではありません。遺言による指定や、相続人全員の合意による遺産分割があれば、法定相続分と異なる分け方もできます。

法定相続分を家系図で。例題: 被相続人には妻と子A・子Bがいた。子Bは先に亡くなり、Bの子(孫C・孫D)がいる。各人の法定相続分は? 図: 家系図で、妻1/2、子A 1/4、亡くなった子Bの分は孫C・孫Dが代襲相続して各1/8。式: 子の分1/2を子2人で分けて1人1/4、子Bの1/4を孫2人で分けて1人1/8。こう聞かれたら: 配偶者と子は1/2と1/2、配偶者と親は2/3と1/3、配偶者と兄弟姉妹は3/4と1/4、相続放棄した子の子は代襲しない。

まず相続人を順位で確定 → グループの相続分 → 人数や代襲で分ける

親族・婚姻・扶養の基本

民法上の親族は、6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族です。直系血族と兄弟姉妹は、原則として互いに扶養する義務があります。

親族=6親等内の血族+配偶者+3親等内の姻族

本番の形で解いてみる

実技・資料を読む問題(日本FP協会 2026年5月の公開問題 実技問18と同じ形)

親族関係図。Aさん(被相続人)、妻Bさん、長男Cさん、長女Dさん(死亡)、孫Eさん、孫Fさん、孫Gさん。長女DさんはAさんより先に死亡している。

Aさんの相続における孫Eさんの法定相続分として、最も適切なものはどれか。

  1. 1/6
  2. 1/8
  3. 1/12
答えと解説を見る

正解: 1/12

配偶者Bさんが1/2、子の相続分全体が1/2。長男Cさんと長女Dさんの2つの枝で分けるためDさんの枝は1/4で、これを孫E・F・Gの3人で等分するので各1/12。まちがえやすい点: 孫3人を長男Cさんと同列に並べて分けない。

4択の確認問題

民法上の相続人の順位として、最も適切なものはどれか。

  1. 配偶者は常に第1順位の相続人であり、子・孫はいない。
  2. 子がいない場合、配偶者と父母が共同相続人となるが、父母は第1順位である。
  3. 子(または代襲相続人)がいる場合、子が第1順位の相続人となり、父母は相続人にならない。
  4. 兄弟姉妹は、子・直系尊属がいない場合でも第2順位の相続人である。
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正解: 子(または代襲相続人)がいる場合、子が第1順位の相続人となり、父母は相続人にならない。

相続人の順位:第1順位は子(代襲相続人含む)、第2順位は直系尊属(父母・祖父母等)、第3順位は兄弟姉妹。配偶者は常に相続人(順位なし)。子がいる場合は直系尊属・兄弟姉妹は相続人にならない。兄弟姉妹は第3順位(第2順位ではない)。

4択の確認問題

法定相続分に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 被相続人に配偶者と父母がいる場合(子なし)、配偶者の法定相続分は2分の1である。
  2. 被相続人に子が2人いるが配偶者はいない場合、各子の法定相続分はそれぞれ4分の1である。
  3. 非嫡出子(婚外子)の法定相続分は、嫡出子の法定相続分の2分の1である。
  4. 被相続人に配偶者と兄弟姉妹がいる場合(子・直系尊属なし)、配偶者の法定相続分は4分の3である。
答えと解説を見る

正解: 被相続人に配偶者と兄弟姉妹がいる場合(子・直系尊属なし)、配偶者の法定相続分は4分の3である。

配偶者と兄弟姉妹(子・直系尊属なし):配偶者3/4・兄弟姉妹1/4。配偶者と直系尊属(子なし):配偶者2/3・直系尊属1/3。子のみ:各子均等。2013年の最高裁判決・民法改正により非嫡出子の相続分は嫡出子と同等(「非嫡出子の法定相続分は嫡出子の2分の1」は現在は誤り)。

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