FP3級 学習ページ|CH06 相続・事業承継

遺言・遺留分・成年後見

自筆証書遺言と公正証書遺言

遺言の普通方式には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言があります。

自筆証書遺言は、原則として遺言者が全文・日付・氏名を自書して押印します。ただし、添付する財産目録はパソコンで作成したものや通帳の写しなどでもかまいません。自書しない財産目録には、原則として各ページに遺言者の署名・押印が必要です。

公正証書遺言は公証人が関与して作成し、証人2人以上の立会いが必要です。未成年者や、遺言者の推定相続人・受遺者とその配偶者・直系血族などは証人になることができません。

遺言は15歳以上であればできます。遺言者はいつでも遺言の全部または一部を撤回でき、前の遺言と内容が食い違う後の遺言があれば、食い違う部分は後の遺言で撤回したものとみなされます。

秘密証書遺言は、遺言書の内容を秘密にしたまま、その存在を公証人と証人2人以上に証明してもらう方式です。遺言執行者は、遺言の内容を実現するために必要な手続を行う人です。遺言者は生存中であれば、いつでも遺言の全部または一部を撤回できます。

自筆は本文を自書、財産目録はPC可。公正証書は証人2人以上

自筆証書遺言書保管制度と検認

自筆証書遺言は、家庭裁判所で検認が必要になるのが原則です。一方、法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用して遺言書保管所に保管されている遺言書は、家庭裁判所の検認が不要です。

公正証書遺言も検認は不要です。検認は遺言が有効か無効かを判断する手続ではありません。

法務局保管の自筆証書と公正証書は検認不要

遺留分を持つ人と割合

遺留分は、一定の相続人に保障された最低限の取り分です。遺留分を持つのは配偶者、子などの直系卑属、父母などの直系尊属で、兄弟姉妹には遺留分がありません。

遺留分全体の割合は、直系尊属だけが相続人なら遺留分算定の基礎となる財産の1/3、それ以外なら1/2です。遺留分権利者が複数いるときは、この割合に各人の法定相続分を掛けて各人の遺留分を求めます。

各人の遺留分 = 遺留分を算定するための財産の価額 × 全体の遺留分割合 × 各人の法定相続分

兄弟姉妹は遺留分なし。全体は原則1/2、直系尊属だけなら1/3

遺留分を侵害されたとき

遺留分を侵害された人は、受遺者や受贈者に対して、侵害された額に相当する金銭の支払いを請求できます。これを遺留分侵害額請求といいます。

請求権は、相続の開始と遺留分を侵害する贈与・遺贈があったことを知った時から1年行使しないと時効で消滅します。また、知らなかった場合でも相続開始から10年で消滅します。

相続開始前に遺留分を放棄するには家庭裁判所の許可が必要です。

遺留分侵害は金銭請求。知って1年、相続開始から10年

成年後見制度の2つの仕組み

成年後見制度には、判断能力が不十分になった後に家庭裁判所が支援者を選ぶ法定後見制度と、判断能力が十分なうちに契約で支援者を決めておく任意後見制度があります。法定後見制度は、2026年4月1日時点では後見・保佐・補助の3種類です。

法定後見=後見・保佐・補助、任意後見=元気なうちに契約

本番の形で解いてみる

学科・○×式(日本FP協会 2026年5月の公開問題 学科問27と同じ形)

兄弟姉妹には、原則として遺留分が認められていない。

正しければ○、誤っていれば×。

答えと解説を見る

正解: ○

遺留分が認められるのは配偶者、子などの直系卑属、直系尊属であり、兄弟姉妹には遺留分がない。まちがえやすい点: 兄弟姉妹は法定相続人になることはあるが、遺留分権利者ではない。

4択の確認問題

遺言に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 公正証書遺言は、証人1人の立会いのもとで公証人が作成する。
  2. 自筆証書遺言書保管制度を利用した場合、法務局での保管後も家庭裁判所による検認が必要である。
  3. 自筆証書遺言は、本文・日付・氏名を自書し押印することが要件で、財産目録はパソコンで作成できる。
  4. 秘密証書遺言は、遺言書の存在と内容の両方を秘密にしておくことができる遺言方式である。
答えと解説を見る

正解: 自筆証書遺言は、本文・日付・氏名を自書し押印することが要件で、財産目録はパソコンで作成できる。

2019年の民法改正で、自筆証書遺言の財産目録はパソコン作成・通帳コピー等が認められた(各ページに署名押印必要)。公正証書遺言は証人2人以上必要。秘密証書遺言は存在は公証されるが内容は秘密。自筆証書遺言書保管制度(法務局保管)を利用した場合は検認不要。

4択の確認問題

遺留分に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

  1. 遺留分の割合は、直系尊属のみが相続人の場合は相続財産の3分の1、それ以外は3分の2である。
  2. 兄弟姉妹には遺留分が認められていない。
  3. 遺留分の侵害があった場合、遺留分権利者は遺留分侵害額請求権(金銭請求権)を行使できる。
  4. 遺留分とは、法律上保障された最低限の相続財産の割合のことである。
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正解: 遺留分の割合は、直系尊属のみが相続人の場合は相続財産の3分の1、それ以外は3分の2である。

遺留分の総体は、直系尊属のみが相続人の場合は相続財産の1/3、それ以外(配偶者・子等)は1/2(2/3ではない)。兄弟姉妹には遺留分なし。2019年改正で現物返還から金銭請求権に変更。

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どこから読むかはFP3の勉強の順番(過去の傾向から)にまとめています。試験に出る数字は勉強の順番のページの一覧にまとめています。このページの数字・制度は、2026年4月1日時点の法令などにもとづきます(2026年10月確認)。