FP3級 学習ページ|CH06 相続・事業承継
相続税がかかる財産・かからない財産
相続税がかかる財産とみなし相続財産
相続税は、現金・預貯金・有価証券・土地・建物など、相続や遺贈で取得した金銭に見積もることのできる財産にかかります。
さらに、民法上の相続財産そのものではなくても、被相続人が保険料を負担していた死亡保険金や、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定した死亡退職金などは、みなし相続財産として相続税の対象になります。
相続時精算課税を選択して被相続人から贈与を受けた財産も相続税の計算に加えます。2024年1月1日以後の贈与では、原則としてその年の相続時精算課税に係る贈与財産から年110万円の基礎控除をした残額を贈与時の価額で加算します。
本来の財産+みなし相続財産+一定の生前贈与が課税対象
暦年課税の生前贈与を加算する期間
暦年課税による贈与財産の加算対象期間は、2024年以後の贈与から段階的に延長されています。ただし、2026年12月31日までに相続が開始した場合は、相続開始前3年以内が加算対象期間です。
2027年1月1日から2030年12月31日までに相続が開始した場合は、2024年1月1日から相続開始日までが対象となり、2031年1月1日以後の相続では原則として相続開始前7年以内になります。相続開始前3年を超える期間の贈与については、その贈与価額の合計額から総額100万円まで加算しません。
対象となるのは原則として、被相続人から相続・遺贈などで財産を取得した人が、被相続人から暦年課税で受けた贈与です。相続や遺贈で財産を取得しなかった人まで一律に加算されるわけではありません。対象期間内なら、贈与税の基礎控除110万円以下の贈与も原則として加算対象です。
暦年課税による贈与財産を相続税の課税価格に加える仕組みを生前贈与加算といいます。2026年中に相続が開始した場合の加算対象期間は相続開始前3年以内です。
2026年中の相続はまだ3年。最終的に7年へ延長、3年超部分は総額100万円控除
死亡保険金・死亡退職金の非課税限度額
被相続人が保険料を負担していた死亡保険金はみなし相続財産ですが、相続人が受け取った場合には一定額まで非課税です。死亡退職金も同様に、相続人が受け取った一定の金額に非課税枠があります。
非課税限度額 = 500万円 × 法定相続人の数
この非課税限度額は死亡保険金と死亡退職金についてそれぞれ計算します。相続人以外の人が受け取った死亡保険金・死亡退職金には、この非課税枠はありません。法定相続人の数は、相続放棄があっても放棄がなかったものとして数えます。
死亡保険金の非課税限度額は、受取人の人数ではなく「500万円×法定相続人の数」で計算します。被相続人の死亡後3年以内に支給が確定した死亡退職金は、相続税ではみなし相続財産として扱われます。
保険金も退職金も500万円×法定相続人。相続人以外には非課税枠なし
墓地・仏壇・弔慰金などの非課税
墓地・墓石、仏壇・仏具など、日常礼拝のための財産は原則として相続税の非課税財産です。ただし、商品や骨とう品など投資・取引の対象として所有しているものは非課税になりません。
被相続人の勤務先などから受け取る通常の弔慰金も原則として相続税の対象外です。ただし、実質的に退職手当と認められる部分などは課税対象になります。弔慰金として扱われる目安は、業務上の死亡なら死亡時の普通給与の3年分、業務上以外の死亡なら半年分で、これを超える部分は原則として退職手当金等として扱われます。
墓地・墓石や仏壇・仏具など、祖先の祭祀や礼拝に用いる財産を祭祀財産といい、原則として相続税の非課税財産です。
墓地・仏壇は原則非課税。弔慰金の目安は業務上3年分、その他半年分
債務控除と葬式費用
相続税の課税価格を計算するときは、被相続人の借入金や未払金など、死亡時に現に存在し確実と認められる債務を一定の要件のもとで差し引けます。また、葬式費用も一定範囲で控除できます。
葬式費用には、火葬・埋葬・納骨、遺体の運搬、通夜、葬儀、お寺への読経料などが含まれます。一方、香典返し、墓石・墓地の購入費、初七日などの法要費用は葬式費用として控除できません。
墓地・墓碑など非課税財産の購入代金が死亡時に未払いでも、その未払代金は債務控除の対象になりません。
借金・葬式費用は控除。香典返し・墓石・法要は控除しない
本番の形で解いてみる
学科・○×式(日本FP協会 2026年5月の公開問題 学科問28と同じ形)
2024年1月1日以後の暦年課税による贈与について、生前贈与加算の対象期間は最終的に相続開始前7年以内へ延長される。
正しければ○、誤っていれば×。
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正解: ○
2024年1月1日以後の暦年課税による贈与について、生前贈与加算の対象期間は経過措置を経て最終的に7年へ延長される。まちがえやすい点: 10年に延長されたわけではない。
4択の確認問題
暦年課税の贈与税に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
- 暦年課税の贈与税の基礎控除額は、年間110万円である。
- 贈与税の配偶者控除の適用を受けた場合、基礎控除110万円と合わせて最高2,110万円まで非課税となる。
- 暦年課税の贈与税は、1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた財産の合計額に対して課税される。
- 2024年以降、暦年贈与した財産の相続財産への加算期間が3年から10年に延長された。
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正解: 2024年以降、暦年贈与した財産の相続財産への加算期間が3年から10年に延長された。
2024年1月1日以後の暦年課税による贈与について、生前贈与加算の対象期間は最終的に7年へ延長されたが、経過措置がある。相続開始が2026年12月31日までの場合は相続開始前3年以内、2027年から2030年までは2024年1月1日から相続開始日まで、2031年1月1日以後は相続開始前7年以内が加算対象期間となる。したがって、Dの「10年に延長された」は不適切。
4択の確認問題
生命保険の非課税枠に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 死亡保険金の非課税枠を超えた部分は、所得税が課税される。
- 死亡保険金の非課税枠は、被保険者が誰であっても適用される。
- 相続人が受け取る死亡保険金の非課税限度額は、「500万円×法定相続人の数」である。
- 相続を放棄した者が受け取った死亡保険金にも、非課税枠が適用される。
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正解: 相続人が受け取る死亡保険金の非課税限度額は、「500万円×法定相続人の数」である。
被相続人が保険料を負担していた死亡保険金を相続人が受け取る場合、非課税限度額は500万円×法定相続人の数。法定相続人の数は、相続放棄した者がいても、放棄がなかったものとして計算する。ただし、相続放棄した本人が取得した死亡保険金にはこの非課税枠は適用されない。
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10問を解く →どこから読むかはFP3の勉強の順番(過去の傾向から)にまとめています。試験に出る数字は勉強の順番のページの一覧にまとめています。このページの数字・制度は、2026年4月1日時点の法令などにもとづきます(2026年10月確認)。