ITパスポート 学習ページ|ストラテジ系・企業と法務
知的財産権
創作物や発明、デザイン、営業上の情報は、それぞれ異なる制度で保護されます。何を守る権利なのかを対象と結び付けて整理しましょう。
著作物は創作時から保護
文章、音楽、画像、動画、コンピュータプログラムなど、創作性のある表現は著作物として保護されます。著作権は著作物を創作した時点で生じ、権利取得のための登録を前提としません。
他人の著作物を権利者の許諾なく複製したり、公衆に送信したりすると、著作権を侵害することがあります。公開されている著作物であっても、自由に複製・転載できるとは限りません。
著作権は創作した時点で発生する
表現とアイデアを区別する
プログラムのソースコードは、創作性のある表現であれば著作物として保護されます。一方、プログラム言語やアルゴリズムなどの考え方そのものは、著作権による保護の対象とは区別します。
学校などでは教育目的の利用について著作権法上の特例がありますが、利用方法や範囲には条件があります。教育目的ならどのような複製や配信でも自由になるわけではありません。
著作権はアイデアより表現を保護する
AI利用と著作権
AIの学習に著作物を利用する場合も、利用目的や方法に応じて著作権法との関係を確認する必要があります。また、AIが生成した文章や画像を利用するときは、既存の著作物との関係にも注意します。
AIによる生成物が著作物として保護されるかどうかは、人による創作的な関与などを踏まえて判断されます。単にAIを利用したという事実だけで一律に決まるものではありません。
AI利用でも著作権との関係を確認する
産業財産権の四つ
産業財産権には、特許権、実用新案権、意匠権、商標権があります。発明は特許、物品の形状などの考案は実用新案、デザインは意匠、商品やサービスのマークは商標と対応させます。
ビジネス上の仕組みであっても、情報技術を用いた発明として特許の要件を満たす場合には特許の対象となり得ます。単なる商売のアイデアだけで特許になるわけではありません。
発明・考案・デザイン・マークを区別する
営業秘密を守る法律
不正競争防止法は、営業秘密の不正取得や不正使用など、事業者間の公正な競争を害する行為を規制します。営業秘密として保護されるには、秘密として管理され、有用で、公然と知られていないなどの要件があります。
一定の条件で事業者間などに提供されるデータには、限定提供データとして保護の対象となるものがあります。営業上の情報なら全て自動的に営業秘密や限定提供データになるわけではありません。
営業秘密は秘密管理などの要件がある
利用許諾を確認する
ソフトウェアを利用するときは、権利者が定めたソフトウェアライセンスの条件に従います。複数利用者向けのボリュームライセンスや、組織や拠点単位で許諾するサイトライセンスなどがあります。
オープンソースソフトウェアも、著作権を放棄したソフトウェアとは限りません。利用、改変、再配布などは、それぞれのライセンス条件を確認します。
無料利用できてもライセンスは確認する
人物の価値に関する権利
人の容貌などをみだりに撮影・公表されない利益に関わるものとして肖像権があります。また、著名人の氏名や肖像が持つ顧客吸引力に関わるものとしてパブリシティ権があります。
これらは著作権や商標権とは保護する利益が異なります。写真そのものの著作権と、写真に写った人物に関する権利は別の問題です。
写真の著作権と人物の権利は別に考える
本番の形で解いてみる
基本の問題(このページのために作った問題・本番と同じ四肢択一)
著作権法による保護について、最も適切なものはどれか。
- 独自性のあるアイデアであれば、表現されていなくても著作物として保護される。
- 創作性のあるコンピュータプログラムは、著作物として保護され得る。
- 創作性のある著作物でも、著作権の発生には公的機関への登録が必要である。
- 公開済みの著作物は、公衆が閲覧できるため自由に複製して再公開できる。
答えと解説を見る
正解: 創作性のあるコンピュータプログラムは、著作物として保護され得る。
著作権法は創作的な表現を保護し、創作性のあるプログラムも著作物になり得ます。アイデアそのものは著作物ではなく、権利発生に登録を要しません。
まちがえやすい点: 保護対象はアイデアではなく創作的な表現である。
基本の問題(このページのために作った問題・本番と同じ四肢択一)
新製品に関する知的財産の保護対象と権利の組合せとして、最も適切なものはどれか。
- 新しい技術的な発明―商標権
- 製品の特徴的なデザイン―意匠権
- 商品名として使用するマーク―実用新案権
- 物品の形状に関する考案―著作権だけで保護
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正解: 製品の特徴的なデザイン―意匠権
製品などのデザインは意匠権の対象となります。発明は特許、商品やサービスのマークは商標、物品の形状などの考案は実用新案と整理します。
まちがえやすい点: 特許・実用新案・意匠・商標が何を守るかを入れ替えない。
基本の問題(このページのために作った問題・本番と同じ四肢択一)
ある企業が、秘密として管理している独自の製造条件を従業員以外に公開せず、事業に活用している。この情報の不正取得などからの保護に最も関係する法律はどれか。
- 不正競争防止法
- 特許法
- 著作権法
- 個人情報保護法
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正解: 不正競争防止法
秘密として管理され、有用で公然と知られていない事業上の情報は、営業秘密として不正競争防止法による保護の対象となり得ます。特許のように登録して成立する権利とは仕組みが異なります。
まちがえやすい点: 秘密情報の保護と、登録によって成立する産業財産権を混同しない。
この内容を問題で確かめる
読んだところを、本番と同じ四肢択一の10問セットで思い出してみましょう。
ITパスポートの問題を解く →このページの内容は、IPA「ITパスポート試験 シラバス Ver.6.5」(2026年1月公表)の範囲にもとづきます(2026年10月確認)。