登録販売者 参考書|第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識

健康食品とセルフメディケーション

健康食品は医薬品ではない

健康増進や維持の助けになることが期待される、いわゆる健康食品はあくまで食品であり、医薬品とは法律上区別されます。

健康食品の中には錠剤やカプセルなど、医薬品に似た形状で販売されているものも多くありますが、その形状を理由に医薬品と同じものとして扱うことはできません。

健康食品でも、誤った使用方法や個々の体質により健康被害を生じた例があります。食品だから常に安全という意味ではありません。

健康食品は食品。医薬品に似た形でも医薬品ではなく、健康被害が生じることもあります。

保健機能食品の3種類

国が示す要件を満たし、一定の基準のもとで健康増進の効果等を表示できる健康食品を保健機能食品といい、3種類があります。

種類制度のポイント
特定保健用食品保健機能成分を含み、個別に(一部は規格基準に従って)効果や安全性などについて国の審査を受け、許可されたもの
栄養機能食品栄養成分の補給を目的とし、その機能を表示する食品。個別の許可申請が不要な自己認証制度
機能性表示食品事業者の責任で科学的根拠に基づく機能を表示し、国に届出されたもの。国の個別許可ではない

特定保健用食品は国の審査・許可、機能性表示食品は事業者の責任による届出という違いを押さえます。

特保=国の審査・許可、栄養機能=自己認証、機能性表示=事業者責任で届出です。

健康食品も販売時に確認する

健康食品は、医薬品との相互作用によって薬物治療の妨げになることがあります。そのため、一般用医薬品を販売するときには、健康食品を摂取しているか確認することが重要です。

健康食品は、法的な位置付けだけでなく、安全性や効果を担保する科学的データの面でも医薬品とは異なります。購入者等の健康に関する意識を尊重しながら、必要があれば健康食品の摂取についても指導します。

一般用医薬品の販売時には、健康食品の摂取の有無も確認します。

セルフメディケーションを支える役割

少子高齢化が進む中、医療費の増加や国民負担の増大への対応、健康寿命を伸ばすことが課題となっています。セルフメディケーションの推進は、その課題を解決する重要な活動の一つです。

登録販売者が地域住民の健康相談を受け、一般用医薬品を販売し、必要なときには医療機関の受診を勧める業務は、セルフメディケーションの推進に欠かせません。

登録販売者は一般用医薬品等に関する正確で最新の知識を修得するよう心がけ、薬剤師、医師、看護師などの医療スタッフや行政とも連携し、地域住民の健康維持・増進やQOLの改善・向上に携わることが望まれます。

セルフメディケーション支援には、OTC販売だけでなく必要時の受診勧奨と他職種連携も含まれます。

セルフメディケーション税制

セルフメディケーション税制は、平成29年1月から導入されました。適切な健康管理の下で医療用医薬品からの代替を進める観点から、条件を満たした場合にスイッチOTC医薬品の購入の対価について一定の金額をその年分の総所得金額等から控除する制度です。

令和4年1月からは、スイッチOTC医薬品以外にも、腰痛や肩こり、風邪やアレルギーの諸症状に対応する一般用医薬品が対象となっています。すべての一般用医薬品が対象になったわけではありません。

さらに、令和9年1月からは、消化器官用薬や一般用検査薬も税制の対象となります。

平成29年開始、令和4年に対象拡大。全一般用医薬品が対象ではなく、令和9年から消化器官用薬・一般用検査薬も対象です。

本番の形で解いてみる

本番の形の問題(五肢択一・この節のために作った問題)

健康食品とセルフメディケーションに関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

  • a 特定保健用食品は、効果や安全性などについて国の審査を受け、許可されたものである。
  • b 機能性表示食品は、国が個別に審査して許可した商品である。
  • c 健康食品は、医薬品との相互作用によって薬物治療の妨げになることがある。
  • d セルフメディケーション税制は、令和4年1月から全ての一般用医薬品を対象とする制度となった。
  1. a正 b誤 c正 d誤
  2. a正 b正 c誤 d誤
  3. a誤 b正 c正 d誤
  4. a正 b誤 c誤 d正
  5. a誤 b誤 c正 d正
答えと解説を見る

正解: a正 b誤 c正 d誤

aとcは正しいです。bは誤りで、機能性表示食品は事業者の責任で科学的根拠に基づく機能を表示し、国に届出されたもので、国の個別許可ではありません。dも誤りで、令和4年の見直しで対象は拡大しましたが、全ての一般用医薬品が対象になったわけではありません。まちがえやすい点:特保の『許可』と機能性表示食品の『届出』を入れ替えないことです。

本番の形の問題(五肢択一・この節のために作った問題)

次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

  • a 栄養機能食品は、国が定める規格に適合していても個別の許可申請が必要である。
  • b 健康食品には、錠剤やカプセルなど医薬品に類似した形状で販売されるものもある。
  • c 一般用医薬品の販売時には、健康食品の摂取の有無を確認することが重要である。
  • d セルフメディケーションの推進では、登録販売者は医療スタッフや行政との連携を避け、一般用医薬品の販売だけを担当することが望まれる。
  1. aとb
  2. aとc
  3. bとc
  4. bとd
  5. cとd
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正解: bとc

正しいのはbとcです。aは誤りで、栄養機能食品は個別の許可申請を必要としない自己認証制度です。dは誤りで、登録販売者は薬剤師、医師、看護師などの医療スタッフや行政とも連携することが望まれます。まちがえやすい点:栄養機能食品の「自己認証」と特保の「許可」を混同しないことです。

本番の形の問題(五肢択一・この節のために作った問題)

一般用医薬品を購入しようとしている人から、『機能性表示食品も飲んでいる。健康食品なので薬とは関係ないですよね』と相談された。最も適切な対応はどれか。

  1. 機能性表示食品は国の個別許可を受けているため、一般用医薬品との相互作用は確認しなくてよい
  2. 健康食品は医薬品とは法律上区別されるが、医薬品との相互作用で薬物治療の妨げになることがあるため、摂取状況を確認する
  3. 健康食品は食品であるため、誤った使用方法による健康被害は報告されていないと説明する
  4. 栄養機能食品の場合だけ医薬品との相互作用を確認し、機能性表示食品では確認しない
  5. 健康食品は医薬品と同等の安全性や効果を担保する科学的データが求められているため、医薬品と同じものとして扱う
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正解: 健康食品は医薬品とは法律上区別されるが、医薬品との相互作用で薬物治療の妨げになることがあるため、摂取状況を確認する

健康食品は医薬品とは法律上区別されますが、医薬品との相互作用によって薬物治療の妨げになることがあります。一般用医薬品の販売時には摂取の有無を確認し、必要に応じて摂取について指導します。ほかの選択肢は、機能性表示食品の制度、健康被害、科学的データの扱いを入れ替えています。まちがえやすい点:『食品=医薬品との相互作用なし』ではありません。

出典: 厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」(令和4年3月作成・令和8年4月一部改訂)。このページの内容は令和8年4月一部改訂の手引きにもとづきます(確かめた日 2026年10月12日)。過去の試験の出題は、東京都・関西広域連合・福岡県の令和5〜7年度の公開問題から数えました。このページの作り方と確かめ方