登録販売者 参考書|第4章 薬事関係法規・制度

法の目的と登録販売者

薬機法の目的を正確に押さえる

医薬品の販売に関係する重要な法律が、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律です。

法の目的では、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器、再生医療等製品について、品質・有効性・安全性を確保し、それらの使用による保健衛生上の危害の発生と拡大を防止するために必要な規制を行うことが定められています。

さらに、指定薬物の規制に関する措置を講じ、医療上特に必要性が高い医薬品・医療機器・再生医療等製品について研究開発の促進のための措置を講ずることにより、保健衛生の向上を図ります。

法の目的は「品質・有効性・安全性」「危害の発生・拡大防止」「指定薬物」「研究開発」「保健衛生の向上」です。

医薬関係者と国民の役割

医師、歯科医師、薬剤師、獣医師その他の医薬関係者は、医薬品等の有効性・安全性と適正な使用について知識と理解を深めることが求められています。

また、使用する人や購入・譲受けをしようとする人に対し、適正な使用に関する事項について正確かつ適切な情報を提供するよう努めなければなりません。登録販売者も、正確かつ適切な情報提供ができるよう、最新情報の入手と自らの研鑽に努める必要があります。

国民には、医薬品等を適正に使用し、その有効性・安全性に関する知識と理解を深めるよう努める役割があります。

薬局開設者、店舗販売業者、配置販売業者は、その薬局・店舗・区域で業務に従事する登録販売者に、厚生労働大臣へ届出を行った研修実施機関による研修を毎年度受講させなければなりません。

医薬関係者は「適正な使用について正確かつ適切な情報提供」、登録販売者の研修は「毎年度」です。

試験合格だけでは登録販売者ではない

登録販売者とは、法第36条の8第2項の販売従事登録を受けた者です。都道府県知事が行う登録販売者試験に合格しただけでは、この定義上の登録販売者にはなりません。

試験に合格し、医薬品の販売又は授与に従事しようとする人は、都道府県知事の登録を受けなければなりません。

登録販売者試験については、平成27年度以降、従来の受験資格が撤廃されています。一定の実務・業務経験が必要とされるのは、管理者又は管理代行者となる登録販売者です。販売従事登録そのものに実務経験が必要という規定ではありません。

「試験合格者」ではなく「販売従事登録を受けた者」が登録販売者です。

販売従事登録の申請先と添付書類

販売従事登録の申請書は、原則として医薬品の販売又は授与に従事する薬局又は店舗の所在地の都道府県知事に提出します。配置販売業では、配置しようとする区域を含む都道府県の知事に提出します。申請者の居住地を基準にするのではありません。

申請書には、主に次の書類を添付します。

  • 登録販売者試験に合格したことを証する書類
  • 戸籍謄本・戸籍抄本・戸籍記載事項証明書、又は本籍の記載のある住民票の写し等
  • 精神の機能の障害により、業務に必要な認知・判断・意思疎通を適切に行えないおそれがある場合は、その障害に関する医師の診断書
  • 申請者が薬局開設者又は医薬品の販売業者でない場合は、雇用契約書の写しなど使用関係を証する書類

二以上の都道府県で販売従事登録を申請しても、受けられる登録はいずれか一の都道府県知事による一つの登録です。

申請先は勤務する薬局・店舗の所在地、複数都道府県へ申請しても登録は一つです。

登録販売者名簿に載る事項

都道府県には登録販売者名簿が備えられ、販売従事登録を行うと、都道府県知事から登録証が交付されます。

登録事項内容
登録の基本事項登録番号、登録年月日
本人事項本籍地都道府県名(日本国籍を有しない者は国籍)、氏名、生年月日、性別
試験事項登録販売者試験合格の年月、試験施行地都道府県名
その他適正に医薬品を販売するに足るものであることを確認するため都道府県知事が必要と認める事項

住所は列挙された登録事項ではありません。そのため、住所が変わったことだけを理由に、この登録事項変更届を出すという規定ではありません。また、本籍地について登録されるのは「本籍地都道府県名」であるため、同一都道府県内で本籍地が変わっただけなら、この項目自体は変わりません。

登録事項に変更が生じた場合は、30日以内に、変更届へその事実を証する書類を添えて、登録を受けた都道府県知事へ提出します。

変更届は「登録事項が変わったとき・30日以内・登録を受けた都道府県知事」です。

登録消除と業務継続が困難になったとき

一般用医薬品の販売又は授与に従事しようとしなくなった登録販売者は、30日以内に登録販売者名簿の登録消除を申請しなければなりません。

登録販売者が死亡又は失踪宣告を受けた場合は、死亡又は失踪の届出義務者が30日以内に登録消除を申請します。

一方、登録販売者が精神の機能の障害を有する状態となり、業務の継続が著しく困難になったときは、期限を「30日以内」とするのではなく、遅滞なく登録を受けた都道府県知事へ届け出ます。

都道府県知事は、登録消除の申請がされた場合などのほか、法第5条第3号イからトまでのいずれかに該当するに至った場合や、偽りその他不正の手段で販売従事登録を受けたことが判明した場合には、登録を消除しなければなりません。

従事しなくなったときは30日以内に消除申請、業務継続が著しく困難な精神障害は遅滞なく届出です。

本番の形で解いてみる

本番の形の問題(五肢択一・この節のために作った問題)

医薬品医療機器等法の目的等に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

  • a 法は、医薬品等の使用による保健衛生上の危害の発生及び拡大の防止のために必要な規制を行うことを目的に含む。
  • b 法は、麻薬及び向精神薬の規制に関する措置を講ずることを目的に含む。
  • c 医薬関係者は、医薬品等の適正な使用に関する事項について、正確かつ適切な情報の提供に努めなければならない。
  • d 薬局開設者は、その薬局で業務に従事する登録販売者に、研修実施機関が行う研修を毎年度受講させなければならない。
  1. a正 b正 c誤 d誤
  2. a正 b誤 c正 d正
  3. a誤 b正 c正 d正
  4. a正 b誤 c誤 d正
  5. a誤 b誤 c正 d誤
答えと解説を見る

正解: a正 b誤 c正 d正

a・c・dは正しい記述です。bが誤りで、法第1条で規制に関する措置が定められているのは「指定薬物」です。「麻薬及び向精神薬」への入れ替えに注意します。

本番の形の問題(五肢択一・この節のために作った問題)

登録販売者及び販売従事登録に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

  • a 登録販売者とは、都道府県知事が行う登録販売者試験に合格した者をいう。
  • b 販売従事登録の申請書は、原則として医薬品の販売又は授与に従事する薬局又は店舗の所在地の都道府県知事に提出する。
  • c 二以上の都道府県で販売従事登録を申請した者は、それぞれの都道府県知事から販売従事登録を受けることができる。
  • d 販売従事登録を行った都道府県知事は、その登録を受けた者に登録証を交付しなければならない。
  1. aとb
  2. aとc
  3. bとc
  4. bとd
  5. cとd
答えと解説を見る

正解: bとd

正しいのはbとdです。aは、登録販売者とは試験合格者ではなく「法第36条の8第2項の登録を受けた者」です。cは、複数都道府県へ申請しても、いずれか一の都道府県知事の登録のみを受けることができます。まちがえやすい点は「試験合格」と「販売従事登録」を同じものと考えないことです。

本番の形の問題(五肢択一・この節のために作った問題)

登録販売者Aさんについて、次の事実が生じた。販売従事登録に関する取扱いとして最も適切なものはどれか。Aさんは販売従事登録後、婚姻により本籍地が変わったが、本籍地都道府県名は変わっていない。住所も変更した。

  1. 本籍地が変わったため、30日以内に本籍地都道府県名の変更届を提出する。
  2. 住所が変わったため、30日以内に住所の変更届を提出する。
  3. 本籍地都道府県名も住所も登録事項であるため、両方について30日以内に変更届を提出する。
  4. 本籍地都道府県名は変わっておらず、住所も列挙された登録事項ではないため、これらの変更だけでは登録事項の変更届の対象とならない。
  5. 本籍地都道府県名が変わっていなくても、婚姻があった場合は60日以内に登録を受けた都道府県知事へ変更届を提出する。
答えと解説を見る

正解: 本籍地都道府県名は変わっておらず、住所も列挙された登録事項ではないため、これらの変更だけでは登録事項の変更届の対象とならない。

登録事項に含まれるのは「本籍地都道府県名」であり、本籍地の具体的な住所ではありません。また、住所は列挙された登録事項ではありません。この事例では本籍地都道府県名も変わっていないため、これらの変更だけでは登録事項の変更届の対象となりません。まちがえやすい点は「本籍地」と「本籍地都道府県名」、さらに「住所」を区別することです。

出典: 厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」(令和4年3月作成・令和8年4月一部改訂)。このページの内容は令和8年4月一部改訂の手引きにもとづきます(確かめた日 2026年10月12日)。過去の試験の出題は、東京都・関西広域連合・福岡県の令和5〜7年度の公開問題から数えました。このページの作り方と確かめ方