登録販売者 参考書|第4章 薬事関係法規・制度
毒薬・劇薬と生物由来製品
毒薬・劇薬とは
毒薬は、毒性が強いものとして厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いて指定する医薬品です。劇薬も同様に、劇性が強いものとして厚生労働大臣が指定します。都道府県知事が指定するものではありません。
指定されるのは単に毒性・劇性が強いものだけではありません。薬効が期待される薬用量と中毒量が接近し、安全域が狭いものなども対象になります。
毒薬又は劇薬は要指導医薬品に該当することがありますが、現在のところ、毒薬又は劇薬で一般用医薬品のものはありません。
指定するのは厚生労働大臣。一般用医薬品には現在、毒薬・劇薬はありません。
保管と容器表示
業務上、毒薬又は劇薬を取り扱う者は、他の物と区別して貯蔵・陳列します。そのうちかぎを施す必要があるのは毒薬を貯蔵・陳列する場所です。劇薬について、同じ施錠義務があるとする記述は誤りです。
| 区分 | 直接の容器又は被包の表示 | 保管 |
|---|---|---|
| 毒薬 | 黒地に白枠、白字で品名と「毒」 | 他の物と区別し、場所にかぎを施す |
| 劇薬 | 白地に赤枠、赤字で品名と「劇」 | 他の物と区別する |
毒薬の表示を白地・赤字、劇薬の表示を赤地・白字と入れ替えた記述に注意します。また、表示には「毒」「劇」の文字だけでなく、医薬品の品名も必要です。
毒薬は黒地・白枠・白字+施錠、劇薬は白地・赤枠・赤字です。
交付できない人と譲受人の文書
毒薬又は劇薬は、14歳未満の者や、その他安全な取扱いに不安のある者に交付してはいけません。「18歳未満」とする記述は誤りです。
安全な取扱いに不安がある者には、「睡眠薬の乱用」「不当使用」などが懸念される購入希望者等が含まれます。
一般の生活者に毒薬又は劇薬を販売・譲渡するときは、譲受人から必要事項を記入し、署名又は記名押印した文書の交付を受けます。
| 文書に記入する事項 |
|---|
| 品名 |
| 数量 |
| 使用目的 |
| 譲渡年月日 |
| 譲受人の氏名 |
| 住所 |
| 職業 |
症状、性別、使用期間は、この文書の記載事項として挙げられていません。
交付禁止は14歳未満等。文書には品名・数量・使用目的・年月日・氏名・住所・職業です。
開封して販売できる場合
毒薬又は劇薬を開封して販売等できる販売業者は限られています。
- 店舗販売業者では、店舗管理者が薬剤師である場合
- 卸売販売業者では、医薬品営業所管理者が薬剤師である場合
したがって、店舗管理者が登録販売者である店舗販売業者は、毒薬又は劇薬を開封して販売することはできません。
店舗販売業で毒薬・劇薬を開封販売できるのは、店舗管理者が薬剤師の場合です。
生物由来製品の定義
生物由来製品は、人その他の生物(植物を除く。)に由来するものを原料又は材料として製造される医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療機器のうち、保健衛生上特別の注意を要するものとして厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いて指定するものです。
指定は、製品の使用による感染症の発生リスクに着目して行われます。生物由来の原材料は有効成分に限りません。
生物由来の原材料が使われていても、現在の科学的知見で感染症発生リスクの蓋然性が極めて低いものは指定対象になりません。また、現在のところ、生物由来製品として指定された一般用医薬品又は要指導医薬品はありません。
生物由来製品は植物を除き、感染症リスクに着目して指定されます。
本番の形で解いてみる
本番の形の問題(五肢択一・この節のために作った問題)
毒薬及び劇薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
- a 毒薬又は劇薬を14歳未満の者その他安全な取扱いに不安のある者に交付することは禁止されている。
- b 劇薬を貯蔵、陳列する場所には、かぎを施さなければならない。
- c 劇薬の直接の容器又は被包には、白地に赤枠、赤字をもって、当該医薬品の品名及び「劇」の文字を記載する。
- d 現在のところ、毒薬又は劇薬で一般用医薬品のものはない。
- a正 b正 c誤 d正
- a正 b誤 c正 d正
- a誤 b正 c正 d誤
- a正 b誤 c誤 d正
- a誤 b誤 c正 d正
答えと解説を見る
正解: a正 b誤 c正 d正
a・c・dは正しく、bは誤りです。かぎを施すことが求められているのは毒薬を貯蔵・陳列する場所です。まちがえやすい点:毒薬と劇薬は区別して保管しますが、施錠義務まであるのは毒薬です。
本番の形の問題(五肢択一・この節のために作った問題)
次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
- a 毒薬の直接の容器又は被包には、黒地に白枠、白字で品名及び「毒」の文字を記載する。
- b 毒薬を一般の生活者に販売する際に交付を受ける文書には、譲受人の症状を記載する。
- c 店舗管理者が登録販売者である店舗販売業者は、劇薬を開封して販売することができる。
- d 生物由来製品の定義では、原料又は材料の由来となる生物から植物が除かれている。
- aとb
- aとd
- bとc
- bとd
- cとd
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正解: aとd
正しいのはaとdです。bは誤りで、文書には品名、数量、使用目的、譲渡年月日、氏名、住所、職業を記載します。症状は挙げられていません。cも誤りで、店舗販売業者が開封販売できるのは店舗管理者が薬剤師である場合です。まちがえやすい点:生物由来製品の「生物」には植物を含めません。
本番の形の問題(五肢択一・この節のために作った問題)
一般の生活者から劇薬の購入希望がありました。譲受人に交付してもらう文書について、最も適切な対応はどれか。
- 譲受人の氏名、住所及び性別を記載してもらう。
- 譲受人の氏名、住所及び症状を記載してもらう。
- 品名、数量、使用目的、譲渡年月日、譲受人の氏名、住所及び職業を記載し、署名又は記名押印してもらう。
- 品名、数量、使用目的、使用期間、譲受人の氏名及び住所を記載してもらう。
- 譲受人が18歳未満でなければ、年齢について交付制限は生じない。
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正解: 品名、数量、使用目的、譲渡年月日、譲受人の氏名、住所及び職業を記載し、署名又は記名押印してもらう。
一般の生活者に毒薬又は劇薬を販売・譲渡するときは、品名、数量、使用目的、譲渡年月日、譲受人の氏名、住所、職業を記載し、署名又は記名押印した文書の交付を受けます。性別、症状、使用期間は記載事項ではありません。また、交付禁止の年齢は18歳未満ではなく14歳未満です。まちがえやすい点:文書の記載事項と交付禁止年齢は別々に正確に覚えます。
出典: 厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」(令和4年3月作成・令和8年4月一部改訂)。このページの内容は令和8年4月一部改訂の手引きにもとづきます(確かめた日 2026年10月12日)。過去の試験の出題は、東京都・関西広域連合・福岡県の令和5〜7年度の公開問題から数えました。このページの作り方と確かめ方