FP3級 学習ページ|CH04 タックスプランニング
損益通算と損失の繰越し
損益通算できる4つの所得
各所得を計算した結果、赤字が生じたとき、その赤字を一定の他の所得の黒字から差し引くことを損益通算といいます。
損益通算の対象となる損失は、原則として不動産所得・事業所得・譲渡所得・山林所得の4つです。
一方、配当所得・給与所得・一時所得・雑所得で生じた損失は、原則として他の所得と損益通算できません。
損益通算には決まった順序があります。不動産所得・事業所得の赤字は、まず給与所得など経常的な所得の黒字から差し引き、残れば譲渡所得、一時所得、山林所得、退職所得の順に差し引きます。
損益通算の4所得=不・事・譲・山
4所得でも通算できない損失がある
不動産所得・事業所得・譲渡所得・山林所得の赤字なら、すべて無条件に損益通算できるわけではありません。
例えば、不動産所得の赤字のうち、土地等を取得するための借入金の利子に相当する部分は損益通算の対象外です。
また、土地・建物等の譲渡損失は原則として、給与所得や事業所得など他の所得と損益通算できません。一定の居住用財産については例外となる特例があります。
4所得でも例外あり。土地取得借入利子と土地建物の譲渡損に注意
損失を翌年以後へ繰り越せる場合
青色申告者について、損益通算しても控除しきれずに残った純損失は、原則として翌年以後3年間繰り越して、各年の所得金額から控除できます。前年も青色申告をしているなどの要件を満たせば、純損失を前年に繰り戻して所得税の還付を受ける方法もあります。
雑損控除でその年に控除しきれなかった雑損失も、原則として翌年以後3年間繰り越すことができます。
土地・建物の譲渡損失は原則として他の所得と通算できませんが、一定の居住用財産の譲渡損失は、要件を満たせば損益通算し、なお残る損失を翌年以後3年間繰り越せる特例があります。
純損失の基本は翌年以後3年。居住用財産にも3年の特例あり
本番の形で解いてみる
学科・○×式(日本FP協会 2026年5月の公開問題 学科問19と同じ形)
青色申告者に生じた純損失は、原則として翌年以後3年間にわたって繰越控除することができる。
正しければ○、誤っていれば×。
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正解: ○
青色申告者の純損失は、一定の要件のもとで原則として翌年以後3年間繰り越すことができる。まちがえやすい点: 法人の欠損金などの繰越期間と混同しない。
4択の確認問題
所得税の損益通算に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
- 給与所得の損失は、他の所得と損益通算することができる。
- 不動産所得の損失は、原則として他の所得と損益通算することができる。
- 事業所得の損失は、他の所得と損益通算することができる。
- 上場株式等の譲渡損失は、給与所得などの総合課税の所得と損益通算することはできない。
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正解: 給与所得の損失は、他の所得と損益通算することができる。
給与所得には通常、損失という概念がないためAが不適切。不動産所得・事業所得の損失は原則として損益通算の対象となる。上場株式等の譲渡損失は給与所得などの総合課税の所得とは損益通算できないが、一定の場合、申告分離課税を選択した上場株式等の配当所得等と損益通算できる。
4択の確認問題
青色申告者について、所得税の計算上、損益通算しても控除しきれない純損失を翌年以後に繰り越せる制度として正しいものはどれか。
- 繰越欠損金(10年間)
- 純損失の繰越控除(3年間)
- 損失は当年のみ控除できる
- 純損失の繰越は認められていない
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正解: 純損失の繰越控除(3年間)
青色申告者に純損失が生じた場合、原則として翌年以後3年間にわたって繰越控除できる。なお、特定非常災害により生じた一定の純損失については、繰越期間が5年間となる場合がある。
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10問を解く →どこから読むかはFP3の勉強の順番(過去の傾向から)にまとめています。試験に出る数字は勉強の順番のページの一覧にまとめています。このページの数字・制度は、2026年4月1日時点の法令などにもとづきます(2026年10月確認)。