FP3級 学習ページ|CH07 実技 資料の読み方

親族関係図と相続税の速算表の読み方

相続は、親族図の読み違いが後の計算すべてに響きます。相続人の順位、代襲相続、放棄を整理し、基礎控除から相続税の総額まで順番に追います。

実技でこの資料が出る場所

2024年5月・2025年5月・2026年5月の公開問題では、親族関係図は問18・問19付近で3回とも使われています。誰が相続人か、法定相続分、基礎控除、相続税の総額までをつなぐ型です。図を見たら、まず被相続人を中心に、配偶者、子、直系尊属、兄弟姉妹の順で関係を追います。死亡者と相続放棄者の印を同じ扱いにしないこと。相続人の判定と税額計算の人数は分けて確認します。

親族図は「相続人を決める」→「人数」→「法定相続分」→「速算表」の順

相続人の順位と法定相続分を図から決める

配偶者は常に相続人となり、配偶者以外は第1順位の子→第2順位の直系尊属→第3順位の兄弟姉妹の順です。配偶者と子2人なら、法定相続分は配偶者1/2、子全体で1/2なので各子1/4です。同順位が複数なら原則として等分します。問題では、先に「誰が相続人か」を確定してから割合を書き込むと安全です。子がいるのに親や兄弟姉妹まで分けないこと。順位と割合を一度に考えないのがコツです。

順位を先に決める。配偶者+子なら配偶者1/2、子全体1/2

代襲相続と相続放棄を混同しない

被相続人より先に子が死亡している場合、その子の子が代襲相続することがあります。配偶者、存命の子1人、先に死亡した子の子2人なら、配偶者1/2、存命の子1/4、孫は死亡した子の1/4を2人で分けて各1/8です。これに対し、相続放棄をした人の子は、その放棄を理由には代襲相続しません。「死亡」と「放棄」は図で必ず区別します。代襲は、亡くなった人が受けるはずだった枝の割合を引き継ぐ、と読むと整理しやすいです。

親族関係図の例。被相続人Aさん、妻Bさん、長男Cさん、先に死亡した長女Dさん、相続を放棄した二男Eさん、Dさんの子の孫Fさん・孫Gさん。法定相続分は妻1/2、長男1/4、孫Fさん・孫Gさん各1/8、放棄したEさんは0。遺産に係る基礎控除の法定相続人の数には放棄した人も入れるので、妻・C・E・F・Gの5人で、3,000万円+600万円×5=6,000万円。

死亡による代襲と放棄は別。放棄した人の子は放棄を理由に代襲しない

基礎控除から相続税の総額までを順にたどる

相続税は、まず3,000万円+600万円×法定相続人の数で基礎控除を出します。法定相続人が3人なら4,800万円です。課税遺産総額が7,200万円で、配偶者と子2人なら法定相続分で3,600万円、1,800万円、1,800万円に分けます。速算表より税額は520万円、220万円、220万円で、合計960万円です。

相続放棄者も基礎控除の人数には含める一方、速算表は法定相続分に応ずる取得金額に使います。

相続税は、課税遺産総額を法定相続分で仮分けして相続税の総額を求め、その後に実際の取得割合で各人へ配分します。

基礎控除→課税遺産総額→法定相続分で仮分け→速算表→合計

本番の形で解いてみる

実技・資料を読む問題(日本FP協会 2026年5月の公開問題 実技問18と同じ形)

親族関係図。Mさん(被相続人)、妻Nさん、長男Oさん(相続放棄)、長女Pさん、孫Qさん。長男Oさんは相続を放棄している。

Mさんの相続における孫Qさんの法定相続分として、最も適切なものはどれか。

  1. 0
  2. 1/4
  3. 1/6
答えと解説を見る

正解: 0

相続を放棄したOさんは初めから相続人でなかったものとみなされ、その子Qさんは代襲相続人にならない。したがってQさんの法定相続分は0。まちがえやすい点: 相続開始前の死亡による代襲相続と、相続放棄を混同しない。

実技・資料を読む問題(日本FP協会 2026年5月の公開問題 実技問19と同じ形)

相続税の速算表 被相続人Nさんの相続人は、妻Oさん・父Pさん・母Qさん(子はいない)。課税価格の合計額は1億2,000万円。表の区分は法定相続分に応ずる取得金額。値は税率・控除額。

1,000万円以下10%・0
3,000万円以下15%・50万円
5,000万円以下20%・200万円
1億円以下30%・700万円
2億円以下40%・1,700万円
3億円以下45%・2,700万円
6億円以下50%・4,200万円
6億円超55%・7,200万円

Nさんの相続における相続税の総額として、最も適切なものはどれか

  1. 1,020万円
  2. 960万円
  3. 1,160万円
答えと解説を見る

正解: 1,020万円

法定相続人は妻Oさんと父母Pさん・Qさんの3人なので、基礎控除は4,800万円、課税遺産総額は7,200万円。配偶者と直系尊属の法定相続分は妻2/3、父母全体1/3なので、妻4,800万円、父母各1,200万円。仮の税額は妻760万円、父母各130万円で、合計1,020万円となる。まちがえやすい点: 父母の1/3は父と母で等分する。

この内容を問題で確かめる

資料を読んで3つから選ぶ、実技と同じ形の問題で確かめましょう。

8問を解く →

どこから読むかはFP3の勉強の順番(過去の傾向から)にまとめています。試験に出る数字は勉強の順番のページの一覧にまとめています。このページの数字・制度は、2026年4月1日時点の法令などにもとづきます(2026年10月確認)。